中小企業の新型インフルエンザ対策。
中小企業の担当者は、なにをよりどころに対策に取り組んでいるのだろう。
大企業向けの対策本を一生懸命読んでいないか。
大企業向けのセミナーで一生懸命メモを取っていないか。
中小企業に、大企業向けの対策は必要ない。
たとえば、パンデミック対策の定番として、「在宅勤務の態勢を整える」という方策が出てくる。
確かに、在宅勤務は感染防止策として有効だ。
でも、中小企業において、在宅勤務に切り替えられる業務は、いったい何があるのだろう。
ほとんどの業務は、在宅勤務に切り替えることは不可能だ。
できるとしたら、設計とかデザインといった、個人の専門能力による業務に限られる。
これらは、普段から在宅勤務が可能だ。
このように普段から在宅勤務を行なってきているような業務であれば、新型インフルの感染拡大期の対応として、在宅勤務に切り替えることは有効だ。
しかし、その他の業務は、「在宅勤務はしない」、としたほうが無難だろう。
もちろん、無理に在宅勤務に切り替えようとすれば、出来ないことはない業務はある。
たとえば、経理の伝票データの入力作業。
データ入力だけなら、在宅でもできる。
しかし、経理伝票はどうやって自宅に運ぶのか。
かばんに入れて自宅に持ち帰るのか。
入力した後、自宅に保管しておかなくてはならない。
自宅には、いろんな家族がいる。
休校になった子どもたちが暇を持て余している。
経理伝票を長期間どうやって保管しておくのか。
そして、パンデミックが収まった後、その伝票をまた会社に持っていかなくてはならない。
これらを考えただけでも、セキュリティリスクが高すぎで、とても対応不可能だとわかる。
もちろん、このセキュリティリスクを下げるテクニックはいろいろある。
伝票をデジタルデータ化すれば、扱いが簡単になる。
データも自宅のパソコンに取り込むのではなく、会社のサーバにリモートアクセスする方法をとれば、データ漏えいの心配もなくなる。
しかし、テクニックがあるというのと、それが現実に有効かどうかは別だ。
では、どうしても、データ入力だけは、定期的に処理を進めておかなくてはならなかったらどうするか。
その場合は、担当者だけが、事務所に泊まり込むとか、近隣の宿泊施設に連泊しながら徒歩通勤するとかで対応すれば済むことである。
毎日でなく、数日に1度の入力で済むのであれば、担当者がその日だけマイカー出勤をして、誰もいないオフィスで入力作業だけして退社する。
誰もいないオフィスなら、感染リスクはゼロなので、むしろ、ゆっくり落ち着いて作業ができる。
在宅勤務を強いられるほど、社会にウィルスが蔓延している状態では、社会活動そのものがかなり縮小されている。
在宅勤務に切り替えてまで、無理に継続しなければならない業務は本当に存在するのかどうかもあやしい。
在宅勤務は方策としては存在する。
しかし、中小企業の現実を考えた時、実行不能の対策ではないのか。
中小企業は、このようなテクニカルな対策に惑わされないことだ。
中小企業がまず目指すべきは、職場の集団感染を起こさないことである。
このリスクはどの職場にもある。
しかも、ちょっとした不注意で、簡単に起こりうる。
そして、集団感染が起きた時の会社のダメージは非常に大きい。
中小企業が取り組むべき重要な対策は、大企業向けマニュアルには書いてない。

↓
http://www2u.biglobe.ne.jp/~hiraki/pandemictemplate.html
posted by 平野喜久 at 16:28| 愛知

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