2015年11月26日

エスカレーターの片側空けはやめよう

 千葉市は、急ぐ人のためエスカレーターで右側を空ける習慣などをやめるよう呼びかける新たな指針を策定し、市有施設の管理者に周知したという。
 このエスカレーター片側空けの習慣はいつの間に定着したのだろう。
 東京では右側を空け、大阪では左側を空ける習慣になっており、ややこしい。
 それ以外の地域ではどっちなのだろうと迷うことも多い。
 あるとき、知らないうちに追い越し側に乗り込んでしまい立ち止まっていたら、後ろから来た人に「すみませーん」と邪魔扱いされたことがある。
 まるで、こちらがマナーをわきまえぬ無神経な人間であるかのような非難のニュアンスを含んだ扱いだった。
 この地方では、こっちが追い越し側なのかと気づいて、慌てて先へ進んだが、気分の悪いことこの上ない。

 片側空けのマナーは、弊害が多い。
 片側を歩く人がいるために、荷物がぶつかったりする。
 荷物が当たるだけなら「ごめんなさい」で済むが、そのせいでバランスを失ったら?
 1人バランスを失って倒れこんだら、たちまち群衆雪崩が起きる危険をはらんでいる。
 大きな荷物をもって追い越し側に乗り込んでしまった場合は、人に荷物が当たらないように両手で抱えて歩いていくことになる。
 すると、手すりを持つことができず、非常に不安定だ。
 エスカレーターを歩くことがいかに危険であるかが分かる。

 また、2人乗りのエスカレーターでありながら、実質1人乗りになってしまっている場合もある。
 長いエスカレーターの場合は、歩いて登っていこうとする人は少ない。
 行列にたまりかねて、空いた側に乗り込んだら大変。
 そちら側に乗ったら、立ち止まることが許されないのだ。
 途中で休憩しようものなら、後ろがつかえ、先へ進めの暗黙の催促が来る。
 それで、誰も空いた側に乗り込もうとしない。
 それで、行列ができているのに、1人ずつ乗り込むことになる。
 すると、エスカレーターに乗ろうとする人の行列ができているのに、エスカレーターには1人ずつしか乗れないことになる。
 これほど効率の悪いことはない。

 また、4人家族で移動している時は、その4人が1列になってエスカレーターに乗ることになる。
 家族同士が横に並んで話をしながらエスカレーターに乗ることができないのだ。
 これは不自然な光景だ。

 そもそも、エスカレーターは歩くようには作られていない。
 手すりをもって立ち止まって利用することが前提だ。
 千葉市の提言は、エスカレーター本来の利用方法に立ち返ろうという呼びかけであり、大賛成だ。
 エスカレーターの片側を空けて道を譲るというのは日本人特有の謙譲の美徳の表れだが、これはいまや弊害の方が大きく、誰かが言いださないと、元に戻らない。

 名古屋市の金山駅のエスカレーターには、「歩かないで」と大きな垂れ幕が掲げられている。
 そのおかげで、エスカレーターを歩こうとする人はいない。
 利用者は余計な気遣いをせずに済む。
 2人で出かけているときでも、堂々と横に並んで乗れる。
 4人家族だったら、前後に2人ずつ乗り込んで、話をしながら乗れるのだ。
 これが本来の姿だろう。

 
posted by 平野喜久 at 11:15| 愛知 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする