2016年08月26日

ワンセグ携帯電話に受信料支払い義務なし:さいたま地裁判決

 NHKの受信契約について、画期的な判決が出た。
 ワンセグ機能付きの携帯電話を所有しているだけで、NHKの受信料を払う義務があるのかを争った裁判。
 さいたま地裁は、携帯電話の所持は、「受信設備の設置」というには相当の無理があるとして、NHK側の主張を退けた。
 NHKが全面敗訴したという意味で画期的な判決だが、よく考えてみれば、至極常識的な判決だった。
 むしろ、携帯電話を所持しているだけで受信料を徴収しようとするNHKの論理こそ異常だった。
 携帯電話にも受信契約の義務があるというのは、法律に規定されているものではなく、NHKが勝手な法解釈で主張していたに過ぎない。
 そのことに多くの国民は疑問を感じていた。
 NHKの集金人は当たり前の顔をして、「携帯持ってるなら契約義務がある」と言うし、NHKサービスセンターに確認しても同じことを言う。
 だが、携帯電話を持つだけでNHKに受信料の支払い義務が発生するという理屈は、一般の国民の常識を超えている。
 ワンセグという電波のすき間を利用して余剰的に発信している放送と、ハイビジョン大画面で観るフルセグ放送とが同等の受信契約というところから納得感がない。
 画質や音質は全く違うし、ワンセグの場合は受信できないエリアが多い。
 受信料を徴収する以上、難視聴地域については、NHKが対策を施す義務を負うが、ワンセグについては、NHKは何も対策を行なっていないし、行うつもりもない。
 これで通常の受信料を徴収しようとするのは、誰が考えても明らかにおかしい。
 個人がNHKの主張に納得できないからといって、集金人に反論しても埒が明かない。
 サービスセンターに連絡して担当者と議論しても問題は解決しない。
 集金人やサービスセンター担当者は組織の一員であり、ただNHKの主張を繰り返すだけで、何の権限もないからだ。
 そこで、埼玉県朝霞市の市議会議員、大橋昌信氏が、問題提起を兼ねて裁判に訴えたのだ。
 NHKの非常識な屁理屈が粉砕されたのはよかった。

 判決では、携帯電話は、受信設備の「設置」ではなく、「携帯」である以上、契約義務はない、と解釈した。
 法律の条文解釈に限定している。
 一般常識や国民感情などはあえて考慮から外しているところに注目だ。
 というのは、NHKこそ、一般常識や国民感情を無視して、放送法の条文だけを盾に受信契約を強要してきたからだ。
 今回は、その放送法の条文をもってNHKの主張を退けたところが画期的であった。
 NHKは当然、最高裁まで上訴し続けるだろう。
 しかし、今回の判決はシンプルで隙がなく、覆ることはなさそうだ。
 NHKがどうしても携帯電話にも契約義務を課したいなら、放送法の改定しかない。
 そうなると、NHKの受信契約のあり方が改めて国民の前で議論されることになる。

 もともと、携帯電話は受信契約の対象ではなかった。
 ところが、テレビを所持していないことを理由に受信契約を拒否する世帯が増えてきたために、「だったら、携帯電話があるだろう」となった。
 いつのまにか、携帯電話も受信料の対象となっていた。
  
 NHKはなぜ、一般国民の常識に寄り添おうとしないのだろう。
 NHKは何を守ろうとしているのだろう。
 NHKは何を恐れているのだろう。

 NHKの完全スクランブル化による受信契約の透明化。
 これこそ、最も納得感の高い仕組みであり、NHKが国民に支持される道ではないのか。  

posted by 平野喜久 at 16:36| 愛知 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月04日

集中豪雨による鉄道全面運休:名古屋

 8月2日の夜は名古屋駅周辺が大変な混乱状態にあった。
 名古屋〜岐阜間の集中豪雨により鉄道が運休したためだ。
 集中豪雨に伴い雷も発生しており、停電の恐れありということで、豊橋から大垣までの広い範囲で全面運休となった。
 JRだけでなく、名鉄まで運休したので、行き場を失った客がたちまち駅にあふれかえることとなった。
 この運休は簡単には解消しなかった。
 4時間ほどたってようやく運行再開となったが、直後にどこかの駅でホームから人が転落する事故が起き、再び運行中止となった。
 最終的には、340分遅れで電車が動き始め、この混乱は、日付が変わった後まで続いたという。

 この時の混乱の様子は、ツイッターに投稿された写真を見るとよくわかる。
 金山駅では、改札に入れない人であふれている。
 名鉄も止まっているので、金山駅のあの広いコンコースは、全面、人で埋め尽くされている。
 名古屋駅の改札内の様子を写した画像もある。
 ホームに上がる階段通路はヒトで埋め尽くされ、身動きできない状態。
 電車がなかなか動かない苛立ちと、人いきれの熱気で、この群衆の不快指数はピークを迎えていただろう。
 ひとりこければ、たちまち群衆雪崩が起きそうな危険な状態にあったことが分かる。
 危機管理の観点で言えば、このような不快指数の高い群衆の中に身を置いてはいけないというのが鉄則だ。
 鉄道会社の「再開の見込みは立っていません」というアナウンスを確認したら、ただちに別の行動を開始すべきだ。
 タクシーによる帰宅を考えるか、その日の帰宅は断念し、ホテルの宿泊を考えるか、だろう。
 タクシーは簡単に出払ってしまうし、周辺ホテルはすぐに満室になる。
 いち早い判断と行動がわが身を助けることになる。

 今回のできごとから、鉄道の全面運休が起きると、1時間もしないうちに駅はヒトであふれかえり、危険な状況が発生するということが分かる。
 このことは、地震の時の教訓になる。
 地震により公共交通機関が停止すれば、たちまち行き場を失った人たちで駅周辺はあふれかえる。
 この群衆の過密と混乱を放置していると、2次災害を招く恐れがある。
 いま、都市部の自治体が、地震発生時の帰宅困難者対策を真剣に行なうようになったのは、このためだ。
 駅周辺の事業者に協力を要請し、万が一の時の帰宅困難者の一時受け入れをお願いしている。
 駅周辺の事業者も、普段、駅周辺という至便の立地で事業を行なえている恩恵に報いるためにも、いざという時の社会貢献が期待されている。
 事業者によっては、食料の備蓄を増やし、寝袋や毛布の用意をして、いざという時の帰宅困難者の受け入れの準備をしているところが増えてきた。
posted by 平野喜久 at 10:33| 愛知 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月02日

緊急地震速報の誤報:東京湾震度7

 8月1日17時9分、東京湾震度7の緊急地震速報が流れた。
 スマホのアラームが鳴って、画面を見たとき、緊張した。
 「ついに、首都直下地震が来たか」
 ところが、奇妙なことに第1報のアラームだけで次が続かない。
 地震アプリを開いて、情報を見ると、関東エリア一帯が震度7の表示で真っ赤。
 日本列島全域に震度表示が出ている。
 「なんか、おかしい」
 細かいデータを見るとマグニチュード9.1、深さ10km。
 ますますおかしい。
 やがて関東エリアでは地震が起きておらず、誤報だと判明した。

 今回の誤報は、落雷によるノイズが悪さをしたらしい。
 1か所の地震計に過電流が流れ、そのノイズデータを瞬時に解析して発信したために、とんでもない巨大地震という誤報になった。
 緊急地震速報には2種類ある。
 一般向けと高度利用者向け。
 高度利用者向けは、会員向けのサービスで、いち早くキメ細かい情報を提供することを目的とする。
 だから、1か所でも地震データを観測したら、その情報をもとに第1報を出す。
 第1報の速報性に重きを置いているからだ。
 だが、周辺の地震計に反応がなかった場合は、直ちに誤報として取り消される。
 今回、第1報だけで後が続かなかったのは、このためだ。
 3年前の8月初旬にも「奈良県震度7」という誤報があった。
 この時期は、落雷による誤報が起きやすい。

 一般向けは、テレビ、ラジオ、エリアメールなど、広域の不特定多数に配信される。
 複数個所で地震発生のデータを確認した段階でアラームが発信される。
 速報性に劣るが、誤報の少なさが優先されている。
 今回、テレビやラジオで緊急地震速報が流れることはなかった。

 今回の緊急地震速報では、電車が止まったり、オフィスでアラームが鳴ったりして、一時、騒然となった。
 直後に誤報と分かって、ほっとしたが、これは、いい訓練になった。
 本当にうちの装置はアラームが鳴るのか。
 アラームが鳴った時、うちの社員は迅速に安全行動がとれるのか。
 不意打ちの訓練だからこそ、実践レベルの確認ができる。

 誤報であったことに文句を言ってはいけない。 
 異常データを見逃さずに瞬時に反応してデータ配信されたことだけでも評価しよう。
 空振り三振はOKだが、見逃し三振は許されない。



  
posted by 平野喜久 at 08:48| 愛知 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | リスクマネジメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする