2018年09月26日

月刊誌「新潮45」休刊

 新潮社は月刊誌「新潮45」を10月号を最後に休刊すると発表。
 休刊といいながら、実質的には廃刊となりそうな気配だ。


 騒動は、8月号で杉田衆議院議員の「LGBTのカップルは生産性がない」と主張する論考が掲載されたことに端を発する。
 この刺激的な主張が反発を招き、杉田氏の政治家としての資質を問う指摘が相次いだ。
 杉田氏への批判の嵐の真っただ中に出されたのが、10月号の特集「そんなにおかしいか杉田水脈論文」だった。
 複数の論者による杉田氏擁護の論考が掲載されたが、その中の小川栄太郎氏の主張が注目された。
 電車内の痴漢を例に引き、「彼らの触る権利を社会は保証すべきではないのか」と述べた。
 LGBTと痴漢を同列に扱う姿勢が、さらに世間の攻撃を受けることになる。
 攻撃は、論考の執筆者よりも新潮社へ向かう。
 「どうしてあんな低劣な差別に加担するのか」といった批判が相次いだ。
 新潮社社内にも疑問の声が広がったという。
 新潮社社長までもが「偏見と認識不足に満ちた表現があった」とコメント。
 そして、10月号をもって休刊とする旨の発表となる。 


 一説には、「新潮45」は売上低迷から、編集長が交代し、売上拡大にテコ入れの最中だったらしい。
 それで、刺激的な論考を掲載し、炎上マーケティングを仕掛けたのかもしれない。
 杉田氏の論考で炎上マーケティングは成功。
 第2弾として、今回の杉田氏擁護の特集となった。
 だが、その擁護論が、あまりにも刺激的過ぎた。
 問題となった小川氏の論考は、このデリケートな話題を慎重に議論しようとする姿勢はなく、わざと騒ぎを起こそうと煽っているようにも見える。
 小川氏がこんな粗雑な文章を書くとは、と驚いた。
 「なぜ、事前に編集部内で内容のチェックができなかったのか」という指摘があるが、編集者からの依頼で、執筆者が無理やり刺激的な論考を執筆したのかもしれない。

 掲載した論考への批判から廃刊に追い込まれた雑誌として、「マルコポーロ」が連想される。
 「ナチスによるホロコーストは本当にあったのか」と疑問を投げかける論考だった。
 これが国内だけでなく、国際的な反発を招くことになり、文芸春秋の社長と編集長の辞任と雑誌の廃刊にまで発展した。
 いまや、ナチスを擁護するような姿勢やホロコーストの存在に疑問をさしはさむような言説はタブーとなっている。

 今回の新潮45の騒動で、今後はLGBTを否定したり疑問を抱いたりする言説はタブー化しそうだ。
 注目を浴びた新潮45の10月号は、既に手に入らなくなっている。
 「低劣な論考」がどのように低劣なのかを確かめることもできない。
 
posted by 平野喜久 at 09:52| 愛知 ☁| Comment(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする