FRIDAYデジタルの報道による。
持続化給付金の受付・支給が実施されているが、当初から懸念されているのが不正受給の横行だ。
迅速至急を優先させるために、申請方法は極力シンプルに複雑さを避けた仕組みになっている。
善良な国民を想定して完全に性善説を前提に作られている。
当然、ここには不正可能な穴がそこかしこにある。
詐欺師がそれを放っておくはずがない。
報道では、ある40代男性の事例が紹介されている。
この男性は節税目的のペーパーカンパニーを2社持っている。
前年度の売上はほぼゼロ。
これでは、持続化給付金の対象にならないので、税務署に修正申告書を提出して200万円ほどの売り上げを粉飾。
同時に経費も200万円分計上。
利益はゼロで法人税もゼロ。
今年度のある月の売上を前年度の半分以下になるように作成。
これだけで、形式上は上限の200万円を受給できる。
当然、コロナショックで収入が減ったわけでも、資金繰りに窮しているわけでもない。
それでも、ペーパーカンパニー2社+個人事業主1人で3件、計500万円分の給付金を申請したという。
この事例の男性はいまは申請した段階で、実際にこれで受給できるかどうかは分からない。
実際には、もっと多くのペーパーカンパニーを持っている人もいるはずで、もっと多額の不正受給をしようとすれば同じ手法で簡単にできそうだ。
これは明らかに粉飾決算であり虚偽申告だ。
実際に受給したとなると詐欺罪が成立する。
だが、現実にはこの混乱の中、1件ずつ細かく裏どりをしている余裕はない。
単純作業的に支給が行われるだろう。
この不正のポイントは、前年度確定申告の修正申告にある。
これがないと、売上半減以下という条件をクリアできないからだ。
修正申告後の給付金申請は不正の疑いが濃厚だ。
しかし、経産省と税務署は情報共有できていないという問題がある。
ここは不正受給を抑止するためにも、悪質なケースを摘発して、社名や個人名をさらすべきだ。
不正疑いのケースを見つけるのは簡単。
修正申告後の給付金申請がキーワードになる。
複数のペーパーカンパニーの修正申告を一度に行い、直後に給付金申請しているようなケースはよく目立つ。
何をしても簡単に受給できると分かれば、更に詐欺行為を助長する。
このような雰囲気は、国民全体にモラルハザードを引き起こしかねない。
すべての申請を細かく精査する余裕はない。
目立ったケースをピックアップし、詐欺罪での摘発事例として公表する。
一罰百戒で、モラルハザードを抑止する手立てが欲しい。