26日、秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さまが結婚された。
午後には、小室眞子さんとして、都内のホテルで小室圭さんと記者会見に臨んだ。
記者会見といっても、記者を前にメッセージを読み上げただけで、質疑応答に応じることもなく退場。
事前に出されていた質問には文書での回答が報道陣に配布された。
この会見は、何を目的に行われたのか不明だ。
国民の理解を得ようとしたのか。
これまでの誤った報道を正そうとしたのか。
それとも、いままで国民に心配かけたことを謝罪しようとしたのか。
いずれも違う。
これまで、何も言えず溜まっていた鬱憤を一気に吐露した印象だ。
いまさら、国民に理解してもらおうとしていないし、誤った報道を正そうともしていない。
まして、国民に心配をかけたことを謝罪する気持ちは少しもない様子だった。
この会見で一番感じたのは、眞子さんの恨みと怒りだ。
恨みと怒りの対象は、間違った報道を繰り返したマスコミと、その間違った報道を鵜呑みにして誹謗中傷した国民だ。
眞子さんが今まで、いかに報道と国民の声に心を苛まれてきたかがわかる。
複雑性PTSDとはこのことか、と理解した。
この会見で、もう1つ感じたのは、主導権が眞子さんにあることを強調していたことだ。
それは会見全体の演出からそうなっていた。
まず、屏風の陰から登場するときには、眞子さんから進み出て、続いて小室さんが従って出てきた。
壇上に上がるときには、眞子さんからすたすたと上がり、小室さんがそれについていく。
お辞儀をするときも、眞子さんのタイミングに小室さんが合わせている。
会見のメッセージは、眞子さんが口火を切り、小室さんは途中の補足説明のような部分を読み上げ、最後は眞子さんの言葉で締めくくり。
退席の時には、眞子さんからさっさと壇上を降りていく。
皇族の習慣では、夫の前を妻が歩くというのは、あり得ないため、はっとさせられる光景だった。
もしかしたら、眞子さんが皇室を毛嫌いする理由は、こういうところにあったのか。
メッセージの中では、驚くべきこともさらりと触れられていた。
「圭さんのお母様の元婚約者の方への対応は、私がお願いした方向で進めていただきました」
「圭さんが将来計画していた留学を前倒しして、海外に拠点を作ってほしいと私がお願いしました」
これまでの小室さんの言動は、すべて眞子さんの差配によるというのだ。
いままで、マスコミ報道では、世間知らずの眞子さんが、狡猾な小室さんの言いなりになり、好きなように利用されている、との論調が見られた。
こう思われていることが、ことのほか腹に据えかねたらしい。
それを完全否定するために、今回の会見が設定されているかのようだ。
さて、この会見は、どのような結果をもたらすのだろうか。
目的のはっきりしない会見なので、その成果は評価しようがないが、少なくとも国民の理解を得られる方向には役立たなかったことは確かだ。
むしろ、眞子さんの怒りを感じ、近寄りがたさを感じた人が多かったのではないか。
眞子さんの結婚問題は、単に、有名人のゴシップネタで終わらない。
これは、皇室存続の危機にもつながりかねない深刻な事態を招いている。
というのは、明治以降、これほど皇室に対する国民の不信感を招いたことはなかったからだ。
今回の結婚問題を、皇室の危機管理の問題としてとらえると、奥が深い。
次回は、危機管理の視点から、この問題を考えてみたい。