イギリス北部、スコットランドでは、これまで9人のオミクロン株への感染が確認されている。
この9人全員について、最近の海外渡航歴がなく、先月20日に行われたイベントで集団感染した可能性があると発表された。
南アフリカがオミクロン株の存在をWHOに報告したのは先月24日なので、イギリスではそれ以前から市中での感染が始まっていた可能性があることになる。
同じような事例はオランダでも起きている。
11月19日と23日に採取された2つの検体からオミクロン株が見つかった。
そのうち、南アフリカへの渡航歴があったのは1人で、もう1人はオランダ国内で感染したとみられている。
こうなると、本当の資源値は南アフリカではないのかもしれない。
たまたま南アフリカからの情報提供で事態が発覚したが、その前にすでにヨーロッパ各地でオミクロン株の市中感染が始まっていたのかもしれない。
そうすると、いま入国制限をしていても既に手遅れということ。
各国で見えない市中感染が広がっており、それが今後顕在化してくることになりそうだ。
ただ、オミクロン株は感染力が高そうだが、重症化した事例は報告されていない。
いまのところ死者はゼロ。
毒性についてはそれほど深刻ではないのがせめてもの救い。
一般に、ウィルスは変異を繰り返すことで感染力は高まるが、毒性は弱くなると言われている。
いまのところ、その一般法則の通りの展開だ。
気になるのは、2回のワクチン接種をした人が感染している点だ。
ワクチンは、感染、発症、重症化の3段階の有効性で評価されるが、感染、発症が突破されても、重症化を防ぐことができれば十分な効果がある。
しばらくは、ここに期待するしかない。