本日付け産経新聞の報道による。
東京都と大阪府で、企業が地方に本社を移す動きが加速している実態が、帝国データバンクの調査で明らかになったという。
本社の転出数が転入数を上回る「転出超」の数が、令和3年、東京大阪で大幅に増加。
新型コロナの影響が長引く中、本社機能や主要拠点を都市部へ集中させることの脆弱性が強く認識されるようになったからだ。
テレワークによる在宅勤務も定着してきたことも背景にある。
東京からは、神奈川、千葉、埼玉へ移転しているケースが多い。
首都圏以外への移転先としては、大阪、茨城、北海道、福岡、宮城が増加している。
一方、大阪からは、兵庫への移転が多いが、それ以上に東京への移転が上回る。
これは、関西経済の地盤沈下が慢性化し、首都圏への脱出を図る企業が多いことを示しているようだ。
東京への一極集中はずいぶん昔から問題視されてきた。
人口過密、交通渋滞、地価高騰、災害時のリスクなど、一極集中の弊害は多い。
特に、東京は災害リスクに最も脆弱な都市となっており、世界の主要都市の中でも常にトップクラスのランク付けになっている。
首都直下地震、富士山噴火は、間近に迫っていると言われ、対策としては、首都機能の分散しかない。
一部官庁を地方に移転する動きもあったが、例外的で本格的な動きにつながっていない。
相変わらず、政治、行政、経済、文化の中心は東京でありつづけ、このことがさらに一極集中を加速させてきた。
ところが、コロナリスクの中で、様子が変わってきた。
人口過密の東京に本社機能を置いておくデメリットが、はっきり実感される事態が起きたからだ。
しばらくはこの傾向が続くだろう。
だが、この動きが定着することはないのではないか。
テレワークによる在宅勤務の形態も、ずいぶん定着してきた感があるが、これも一時避難的に対応しているだけで、コロナ明けには元に戻るだろうと言われている。
首都圏脱出が続くことで、都心のオフィス賃料が下落し、そのことで地方から都心への進出を試みる企業が増えてくる。
賃料が元の水準に回復し、やがて従来と同じ状況で落ち着くことになる。
それほど、東京はあらゆる面で便利なのだ。
ところで、記事には出てきていないが、名古屋も大きな災害リスクにさらされている大都市だ。
南海トラフ巨大地震の時には、最大震度7の揺れが予想されているし、津波も液状化も起きる。
災害リスクに備えた移転を考えるのなら、名古屋に所在する企業は真っ先に脱出を検討しなければならないはず。
2022年02月24日
2022年02月10日
岸田総理の胆力が試されている
岸田総理は9日、新型コロナウイルス「オミクロン株」の感染拡大を受けて、「まん延防止重点措置」の期限を13日に迎える東京都など13都県について、期限を3月6日まで延長する考えを表明した。
政府は、緊急事態宣言は出さず、蔓延防止措置とワクチン接種で乗り切ろうとしているようだ。
しかし、実質、蔓延防止措置が従来の緊急事態宣言と同じようなメッセージ性を持っており、どちらにしても同じことだ。
これが緊急事態宣言に切り替わったとしても、対策内容は変わらない。
どうも、政府の手詰まり感が強い。
ワクチン接種を1日100万件に、とか、病床を1000床追加、とか、いろいろ手を打とうとしているが、実効性も怪しく、根本的な対策になっていない。
あとは、蔓延防止措置の期間延長で国民に行動自粛を呼びかけるのが精一杯という印象だ。

1月初めに日本でもオミクロン株の感染拡大が始まった。
現在までの感染拡大状況をグラフで見てみると、きれいな正弦曲線のようなラインを描いている。
1月21日に多くの都府県で蔓延防止措置が始まったが、その効果がグラフのどこに出ているのか分からない。
もしかしたら、このような宣言発出はほとんど効果が出ていないのではないか、ということは以前から指摘され続けてきた。
緊急事態宣言を出した後、感染状況は下降線をだどっていることから、宣言発出の効果だと認識されたが、異論があった。
過去のデータを分析すると、緊急事態宣言を発出した時には既にピークアウトした後で、宣言を出そうが出すまいが感染状況は収まっていたのではと分析する研究者もいるのだ。
今回のオミクロン株の推移をみても同じ状況が推察できる。
オミクロン株の感染状況のグラフがきれいな正弦曲線のラインを描いていることから、単純に数学的に解析可能な自然現象が起きているように見える。
1月初めに感染拡大が始まったが、3週目ぐらいまで増加率が上昇傾向にあったが、途中で、増加率が低下し始める転換点が見える。
1月3週目が増加率の転換点だった。
これが分かると、ピークがいつか、ピーク時の感染規模、収束の時期が見える。
転換点からピークまでは開始点から同じ時間がかかるから、2月2週目ぐらいがピークになりそう。
そして、その時の感染者数は、転換点の時の2倍、つまり、10万人程度と予想がつく。
さらに、オミクロン株の収束はピークに至った時間の倍かかるから、ピーク時から6週間後ということになる。
そうすると、3月の下旬には収束に至ると見込みが立つ。
ところが、政府の専門家会議では、「増加率が鈍化傾向がみられるものの、感染が高止まりし高値で横ばいになる可能性がある」との見解を示している。
この専門家会議は、常に「大変だ、大変だ」と言い続けることしかしない。
国民を安心させてしまうと、そのことで緊張感が緩み、感染を広げてしまうことを警戒しているかのようだ。
政府も、専門家会議の見解をよりどころとして政策判断するので、どうしても慎重な対応にならざるを得ない。
イギリス、フランス、ドイツなどヨーロッパでは、日本よりもひどい感染状況にあるが、制限解除に方向に向かっている。
感染を抑えることよりも、社会活動を停滞させてしまうことの方が深刻だからだ。
いい加減、日本も総理の決断で方針転換を行う時期に来ている。
もちろん、オミクロン株の感染者はこれからも存在するが、それを恐れて、行動制限をかけ、イベントを中止し、学校や保育園を閉鎖するようなことをいつまでもやっているわけにいかない。
感染者や濃厚接触者を隔離することの方を解除していくべきだ。
そして、発症者や重傷者のケアに集中するように医療体制を切り替える。
オミクロン株は、これまでのコロナウィルスとは様子が違う。
感染力は強いが、発症しにくいし重症化しにくいという特徴がある。
重傷者や死者を一定レベルに抑える体制ができれば、通常の風邪対策と同じ内容に切り替える時だ。
そして、国民に「通常の社会活動に戻していこう」と呼びかけるべきだ。
その切り替えができるのは、総理大臣しかないない。
不確実性が高く、誰も確実なことを言える人はいない。
専門家は責任を負うことができないので、無難な物言いしかできない。
責任を負うことができるのは日本では唯一、総理大臣だ。
ここで、総理の胆力が試されることになる。
もちろん、ここで一気に制限解除したところ、結果として大失敗に至るということもあり得る。
その時は、総理が責任をとればいいだけだ。
総理は、責任を取ることができるからこそ、思い切った政策を実行できる。
ところが、残念ながら岸田総理にはそのような胆力はありそうにない。
政府は、緊急事態宣言は出さず、蔓延防止措置とワクチン接種で乗り切ろうとしているようだ。
しかし、実質、蔓延防止措置が従来の緊急事態宣言と同じようなメッセージ性を持っており、どちらにしても同じことだ。
これが緊急事態宣言に切り替わったとしても、対策内容は変わらない。
どうも、政府の手詰まり感が強い。
ワクチン接種を1日100万件に、とか、病床を1000床追加、とか、いろいろ手を打とうとしているが、実効性も怪しく、根本的な対策になっていない。
あとは、蔓延防止措置の期間延長で国民に行動自粛を呼びかけるのが精一杯という印象だ。

1月初めに日本でもオミクロン株の感染拡大が始まった。
現在までの感染拡大状況をグラフで見てみると、きれいな正弦曲線のようなラインを描いている。
1月21日に多くの都府県で蔓延防止措置が始まったが、その効果がグラフのどこに出ているのか分からない。
もしかしたら、このような宣言発出はほとんど効果が出ていないのではないか、ということは以前から指摘され続けてきた。
緊急事態宣言を出した後、感染状況は下降線をだどっていることから、宣言発出の効果だと認識されたが、異論があった。
過去のデータを分析すると、緊急事態宣言を発出した時には既にピークアウトした後で、宣言を出そうが出すまいが感染状況は収まっていたのではと分析する研究者もいるのだ。
今回のオミクロン株の推移をみても同じ状況が推察できる。
オミクロン株の感染状況のグラフがきれいな正弦曲線のラインを描いていることから、単純に数学的に解析可能な自然現象が起きているように見える。
1月初めに感染拡大が始まったが、3週目ぐらいまで増加率が上昇傾向にあったが、途中で、増加率が低下し始める転換点が見える。
1月3週目が増加率の転換点だった。
これが分かると、ピークがいつか、ピーク時の感染規模、収束の時期が見える。
転換点からピークまでは開始点から同じ時間がかかるから、2月2週目ぐらいがピークになりそう。
そして、その時の感染者数は、転換点の時の2倍、つまり、10万人程度と予想がつく。
さらに、オミクロン株の収束はピークに至った時間の倍かかるから、ピーク時から6週間後ということになる。
そうすると、3月の下旬には収束に至ると見込みが立つ。
ところが、政府の専門家会議では、「増加率が鈍化傾向がみられるものの、感染が高止まりし高値で横ばいになる可能性がある」との見解を示している。
この専門家会議は、常に「大変だ、大変だ」と言い続けることしかしない。
国民を安心させてしまうと、そのことで緊張感が緩み、感染を広げてしまうことを警戒しているかのようだ。
政府も、専門家会議の見解をよりどころとして政策判断するので、どうしても慎重な対応にならざるを得ない。
イギリス、フランス、ドイツなどヨーロッパでは、日本よりもひどい感染状況にあるが、制限解除に方向に向かっている。
感染を抑えることよりも、社会活動を停滞させてしまうことの方が深刻だからだ。
いい加減、日本も総理の決断で方針転換を行う時期に来ている。
もちろん、オミクロン株の感染者はこれからも存在するが、それを恐れて、行動制限をかけ、イベントを中止し、学校や保育園を閉鎖するようなことをいつまでもやっているわけにいかない。
感染者や濃厚接触者を隔離することの方を解除していくべきだ。
そして、発症者や重傷者のケアに集中するように医療体制を切り替える。
オミクロン株は、これまでのコロナウィルスとは様子が違う。
感染力は強いが、発症しにくいし重症化しにくいという特徴がある。
重傷者や死者を一定レベルに抑える体制ができれば、通常の風邪対策と同じ内容に切り替える時だ。
そして、国民に「通常の社会活動に戻していこう」と呼びかけるべきだ。
その切り替えができるのは、総理大臣しかないない。
不確実性が高く、誰も確実なことを言える人はいない。
専門家は責任を負うことができないので、無難な物言いしかできない。
責任を負うことができるのは日本では唯一、総理大臣だ。
ここで、総理の胆力が試されることになる。
もちろん、ここで一気に制限解除したところ、結果として大失敗に至るということもあり得る。
その時は、総理が責任をとればいいだけだ。
総理は、責任を取ることができるからこそ、思い切った政策を実行できる。
ところが、残念ながら岸田総理にはそのような胆力はありそうにない。