2022年04月01日

中小企業BCP策定支援補助金:尼崎市

 兵庫県の尼崎市が、新年度に当たってBCP支援施策を開始した。
 「中小企業BCP策定支援補助金」
 これは、BCP策定に要する費用の内、最大100万円を尼崎市が補助する、というもの。
 補助割合は対象経費の2/3。
 対象経費としては、消耗品費、通信運搬費、交通費、委託費、謝礼金、となっている。
 つまり、外部コンサルに支援を依頼して、BCPを策定すれば、その経費の2/3を市が補助するという制度だ。

 中小企業のBCP策定が一向に進まない原因の1つとして、「ノウハウがない」「経費をかけられない」という問題があった。
 この問題を取り除くための支援施策と言っていい。

 単に、ひな形をまねて必要な書類を作成するだけなら、とりあえず形を整えることはできる。
 だが、それでは本当に使えるBCPになっていない。
 災害多発の時代にあり、いざというときに我が社が生き残るために、本当に使えるBCPに取り組みたいと思っている経営者は多い。
 だが、社内には専門的なノウハウを持つものがいないことから、なかなか本格的な取り組みに至らず、簡単な防災対策でやり過ごしているというのが実態だ。
 そのような事業者にとって、今回の支援策は、本格的なBCPへのきっかけづくりとして、強力な後押しとなる。 

 今回の支援策は、外部専門家に依頼してBCPに取り組むことを想定しているが、この外部専門家には明確な要件が設定されている。
 「BCAO」「BCI」「IRCA」「DRII」「RMCA」などの機関が発行する資格を有する者であること。
 いずれも、リスクマネジメントやBCP関連の民間団体だ。
 意外なことに、資格要件に中小企業診断士などの国家資格が含まれていない。
 中小企業診断士であるだけでは、BCPの専門性が認められないということだろう。
 外部専門家と言っても玉石混交なので、ある程度のレベルを担保するためにこのような縛りがある。

 この支援策を利用しようとする事業者は、まず資格要件に合致した専門家にアクセスする必要がある。
 たまたま身近に該当者がいればいいが、そうでない場合は、探すのが大変だ。
 ここに大きなハードルがあるような気がする。



  
posted by 平野喜久 at 11:43| 愛知 ☁| Comment(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする