本日、16時43分ごろ日向灘でM7.1の地震が発生した。
直後に、南海トラフ臨時情報が発表された。
想定震源域で、M7以上の地震が発生したので、臨時情報発出の条件に合致したからだ。
この臨時情報のシステムは運用が始まって5年になるが、発出されたのは今回が初めてだ。
臨時情報(調査中)が発出されると、専門家会議が招集され、これが巨大地震の兆候であるかどうかが検討される。
その結果は2時間以内に発表される手はずだ。
その通り、19時ごろに第2報が発表された。
それが「巨大地震注意」というもの。
巨大地震発生の可能性が普段よりも数倍高くなったと判断された。
この解釈は難しい。
普段よりも数倍と聞くと、ものすごく可能性が高まったような印象だが、
もともと南海トラフ地震は30年以内に70%〜80%と高い確率で予想されており、1週間の可能性が数倍になったとしても、1000分の1の確率が数百分の1に高まった程度に過ぎない。
南海トラフ地震は、いつ起きてもおかしくない切迫した地震であり、この注意情報が出ても出なくても、対応方法としては変わらない。
普段の防災対策について、「これを機に見直しておきましょう」という程度の意味しかない。
これが、注意情報ではなく、「警戒情報」だったら、様子は異なる。
警戒情報の場合は、巨大地震発生の前兆が明らかに観測されたことが確認されたことを意味するからだ。
臨時情報については、運用開始以来、発出されたことがなく、この情報の意味が忘れられてきていることが問題視されていた。
今回の注意情報について、NHKでは、その意味も含めて、丁寧に情報発信がされているようだ。
国民への啓発の意味でも、今回の注意情報は重要だ。
気象庁は「注意情報」を発表するが、国はこの情報を受けて国民がどうすべきかについては、特に言及がない。
ここから先は、各自治体の役割だからだ。
企業でも、この臨時情報を受けてどのように対応するかは、事前に検討する必要がある。