国立感染症研究所が意識調査を発表した。
新型インフルエンザが発生したとき、自分に発熱の症状が出た場合は最大で97%の人が医療機関を受診する。
政府の新型インフルエンザに被害想定では、最大で3200万人が発症。
そのうち、78%の2500万人が受診すると想定している。
政府の想定でも相当な受診者数で、医療機関はキャパオーバー。
なのに、今回の意識調査によれば、97%もの人がインフルエンザ症状が出たときは受診すると答えたらしい。
政府の被害想定をはるかに超える人が医療機関に殺到することになる。
新型インフルエンザ発生時に、「インフルエンザ症状が出たら、病院にいく」とほとんどの人が答えるのは当たり前だろう。
もしも、いまパンデミックが発生したら、日本の医療体制は瞬時にパンクする。
実際には、新型インフルエンザでもトリアージが必要となる。
重症患者を優先して受け入れ、軽度の患者は自宅療養を指示しなければならない。
インフルエンザ症状が出た場合は、病院に行く前に、保健所に連絡して指示を受ける、というのが公式ルールである。
しかし、このことを知っている国民はほとんどいない。
国民が知っていたとしても、保健所には、問い合わせの電話に対応できる体制ができていない。
市民の問い合わせに対応できるだけの電話回線が足りない。
24時間対応できる職員がいない。
対応マニュアルがない。
受診と自宅療養の判断基準がない。
ハードルは、何重にも存在する。
新型インフルエンザ発生の状況で、病院に行くことは、かえって感染リスクを高める恐れがある。
かといって、不安の中、自宅療養は過酷である。
情報の少なさが、人々の不安を増幅させる。
心配なのは、パニックの発生を恐れるあまり、情報を小出しにしたり、当たり障りのない情報だけを公開するという方向に向かいはしないかということだ。
この場合、クチコミやネット上に、根拠のない憶測情報ばかりがあふれることになり、却って混乱を招く。
2008年11月18日
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