新型インフルエンザ対策のポイントは情報だということは以前述べた。
目に見えにくい災害なので、情報しか実態を把握する方法がないからだ。
そこで問題になるのは、発生の第一報をどのようにキャッチするのか、ということだ。
市の広報、マスコミを頼りにするのが一般的だ。
ところが、これに頼っていて大丈夫だろうかという心配がある。
というのは、広報やマスコミで大々的に報じられるようになったときには、すでにパンデミックがかなり進行している恐れがあるからだ。
海外で新型インフルエンザが発生したとして、それを察知して新型インフルエンザの発生と認定するまでに、まずタイムラグがある。
それをWHOが発表し、マスコミを通じて伝えられるまでにも時間がかかる。
さらに心配なのは、日本国内での患者発生を認定する厚労省の対応だ。
シミュレーションによれば、感染者が帰国してから、1週間あれば全国にウィルスはばらまかれることが予想されている。
患者発生の確認が遅れた場合、厚労省の発表があった時は、すでに身の回りはパンデミックということも十分ありうる。
十和田湖で白鳥の死骸が発見されたとき、鳥インフルエンザの疑いがあるとして、検査が行われた。
鳥インフルエンザと認定されたときには、死骸発見から2週間がたっていた。
こんな遅鈍な対応では、とても間に合わない。
新型インフルエンザ対策は、発表されるフェーズというリスクレベルに合わせて対応を検討するのが通例だ。
だが、発表が後手に回ることを考えて、常に前倒しで行動計画を作る必要がある。
また、マスコミで報じられてからでは、全国民が一斉に行動し始めるために、混乱の中で自分たちも行動しなければならなくなる。
混乱に巻き込まれないためにも、常に先回りした対応が得策である。
パンデミック対策では、先手先手の対応が求められる。
みんなが何もしていなかったら、マスクだけでも用意しておこう。
みんながマスクを買い始めたら、食料を1ヶ月分を買いに行こう。
みんなが食料を買いだめし始めたら、外出を自粛し、家に閉じこもろう。
この話は、公共の席ではなかなか発言しにくい。
みんなが先走って行動したら、そのことが混乱を前倒しで引き起こすことになるからだ。
国が何も確定的な情報を流していないうちから、憶測だけでパニックが起きてしまう恐れもある。
国が恐れているのは、これである。
新型インフルエンザの脅威を知った人の中には、疑問に思う人もいる。
「これほどのリスクをどうして国はマスコミを通じて大々的に報じないのか」
いま、大々的に報じたら、確実に社会不安だけを煽ることになる。
全国民がリスクに敏感になってしまうと、国の対策遅れを批判されることにもなる。
無用な憶測やデマが飛び交う恐れもある。
国は積極的にパンデミック対策を進めている。
インターネットを通じて情報発信もしている。
今のところ、それらは、情報に敏感な人にしか届いていない。
新型インフルエンザ発生の第一報は、たぶん、何気なく報じられることになるだろう。
その第一報に敏感に反応できるかどうかで、その後のリスクに格段の差がつくことになるかもしれない。
2008年11月27日
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