金融不況の影響が実体経済に影響し始めた。
自動車メーカーへの影響は特に深刻だ。
トヨタ自動車もついに赤字転落の見通しである。
その中で、雇用問題がクローズアップされている。
派遣社員の突然の契約解除が相次ぎ、ホームレスの増加をもたらしている。
30代40代のホームレスが、ボランティアの炊き出しに食事を求めて群がる光景が報道されている。
金融不況が世界を襲っただけで、これだけの影響が出る。
では、新型インフルエンザが発生し、パンデミックに見舞われた時にはどうなるのか。
今回の金融不況とパンデミックは、全世界に同時に急激な影響をもたらすという点で共通する部分が多い。
パンデミックBCPでは、事業停止、従業員の自宅待機、ということは対策として検討されるが、契約社員の契約解消、正社員の解雇、までは論じられることがない。
しかし、現実には今回よりもひどい状況に陥るのではないだろうか。
パンデミック時には、世界が混乱に陥る。
経済も停滞する。
先行きの不透明は、今回の金融不況の比ではない。
企業側は、もっと厳しい対応を迫られるだろう。
工場の完全停止が長期に及ぶ。
その時、全従業員を抱えたままじっと耐え忍ぶことができる企業がどれだけあるか。
今回の企業対応と同じように、派遣社員やパート従業員から人員削減が始まるに違いない。
正社員すら、雇用維持は難しいかもしれない。
すると、ホームレスが世の中に溢れることになる。
このホームレスの救済は誰がやるのか。
パンデミック時には、ホームレスには住居と食事の提供をしていればいいというものではない。
感染防止と感染拡大防止を徹底しなければならないのだ。
もしかしたら、ホームレス内で集団感染が広がる恐れもある。
そのことが地域のパンデミックを加速させる恐れがある。
パンデミック時には、ホームレスだけではなく、一般の家庭でも食糧不足に陥る可能性がある。
一般家庭や独居老人宅への食糧配給が優先されるときに、ホームレス支援にどれだけ手が届くか。
今回の金融不況の影響を見て、パンデミック時の新たな問題が浮き彫りになった。
パンデミック時には、企業は雇用者の解雇禁止を強制するぐらいの措置を取らないと社会的混乱は増幅しそうである。
そして、もうひとつ浮き彫りになったのは、政府や行政の対応の鈍さである。
本当にパンデミックが発生した時に、機敏な対応ができるのか。
政治家は混乱し、官僚は責任を恐れ、議論をしている間に事態は進行し続け、対応が後手後手に回るのではないかと心配である。
2008年12月22日
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