企業の新型インフルエンザ対策が進んでいる。
社員の行動マニュアルまできっちり作っているところ、マスクと消毒剤は用意したがあとは何をやっていいか戸惑っているところ。
いろいろだ。
行動マニュアルを作っているところでも、自分らで真剣に考えて作ったというより、系列の親会社に提供してもらったサンプルをそのままコピーしているようなケースがあり、非常に危なっかしい。
内容を見ると、大企業向けのものであることがすぐに分かる。
リスクを完全回避するような徹底した内容になっているのだ。
中小企業は、こんなマニュアルをそのまま導入したら、まともに運用できない。
まともに運用したとしても、その厳しすぎる行動ルールのために業務に支障をきたしてしまう恐れがある。
たとえば、「従業員の同居家族が感染したとき、7日間の出社停止」というルールがある。
同居家族が感染すると、その従業員は濃厚接触者ということになり、感染している可能性があるために、出社停止とする必要がある。
潜伏期間は1日から5日と言われており、7日間の経過観察を経て、発症しなければ非感染と判断して出社許可となる。
このルールには根拠があり、職場にウィルスを持ち込ませないために有効な方法だ。
では、同居家族の感染をどう判断するのか。
発熱など感染疑い症状がある時と定めているケースがある。
しかし、子どもなどは、インフルエンザでなくてもちょっとしたことですぐに熱を出す。
下の子が熱を出した→1週間欠勤。
治ったと思ったら今度は上の子が熱を出した→また1週間。
出勤できる時がない。
これがすべての従業員の家庭で起きる。
職場はたちまち欠勤者だらけ。
人員に余裕のない中小企業は、業務停止に陥りかねない。
職場の集団感染は起きていないのに、職場の機能停止という奇妙なことが起きる。
こうなると、何のための行動ルールかわからない。
これを防ぐために、柔軟性のあるルールにしておく必要がある。
家族の新型感染が確定した場合→自宅待機。
家族の新型感染が未確定の場合→警戒しなら出勤。
警戒しながら出勤というのは、感染の可能性があることを自覚し、体調の変化に気をつけながら業務を行うということだ。
業務中はマスク着用。
1日3回の体温チェック。
長時間の会議など他の人との濃厚接触を避ける。
1週間が経過しても発症しなかったら、警戒を解く。
着用するマスクは他の人とは違う色にするという方法もある。
これは、家族に感染疑い者がいることを他の社員にも知らせるためだ。
これで、その人の体調変化を周りも気遣うことができ、また、業務の割り振りにも配慮することができる。
中小企業の最大の強みは、柔軟性ではないか。
マニュアルや社員の行動ルールは最悪の事態を想定して作成するが、状況を見ながら柔軟に運用するのがポイントである。
2009年10月18日
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