2009年11月09日

タイムマシンを使って同時多発テロを防げるか

 クイズで学ぶリスクマネジメント。
 さて、問題。
 あなたに、次のミッションが与えられたとする。
 さて、あなたはどのようにしてこのミッションを成功させるか。

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<ミッション>
 2001年9月11日、アメリカで同時多発テロが発生し、大勢の犠牲者が出た。あなたは、過去にタイムトラベルをして、この犠牲を最小限に抑えてほしい。

<条件>
 あなたにはタイムマシンが提供され、自由に時間移動ができる。
 タイムマシンに乗れるのはあなただけ。
 タイムマシンの存在は他の人には極秘。
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 問題は簡単。
 タイムマシンを使って過去にさかのぼって、テロを防げばいい。
 あなたは、全知全能の預言者のようにどこで何が起きるかをすべて知っている。
 タイムマシンさえあれば、なんだってできるはず。

 しかし、タイムトラベルした後、どうやってテロを防ぐのかが難しい。
 いきなりアメリカ政府や航空会社に訴える?
「イスラム系の民族は飛行機に乗せないで!」
 たぶん門前払いだ。

 じゃぁ、マスコミにたれ込む?
「民間機がビルに突っ込む!」
 たぶん狂人扱いになる。

 奥の手を使おう。
 犯人グループになり済まして、マスコミに犯行声明を発表する。
 世界貿易センターからは全員が避難。
 民間機も運航中止。
 となるか・・・?
 たぶんならない。
 事前予告するような間抜けな自爆テロ実行犯などいるわけがないから、ただのいたずらと判断される。
 本当のテログループには、自分らの計画を知っている第三者がいることが分かってしまうから、計画を変更して実行されてしまうことになる。
 そうなったらもう阻止できない。

 他にどのような方法があるか・・・。

 この問題はリスクマネジメントの何を問うているかというと、正確にリスクを予見できた人がいたとしても、事件や事故を防止するのは非常に難しいということだ。
 リスクを認識するのがまず難しい。
 リスクを認識しても、損失を防止することは更に難しい。
 
 そして、更に更に難しいのが、その先。
 損失を防止したとしても、それを正しく認識されない、ということ。
 
 上の問題で、たまたま特別のコネクションを使ってアメリカ政府高官に取り入ることができたとしよう。
 テロ発生の危機を伝え、政府はその情報を全面的に信じ、テロ対策を実行したとしよう。
 ハイジャックされるはずの4機については、急きょ運航中止。
 9月11日の午前9時。
 何も起きない。
「やったー! テロを防いだ!」と思うのはあの事件を知っているあなただけ。
 目の前には、いつもと同じ何事もない風景。
 運航中止になった航空会社は大損失。
 乗客も大迷惑。
 同時多発テロを防いだ快挙だなんて誰も思わない。
 命拾いしたなんて誰も思わない。

「誰だ! 民間機がビルに突っ込むなんて変な情報を持ち込んだやつは」
 と社会騒擾罪で犯人捜しが始まる。
 あなたは、捜索の手が伸びてくる前にタイムマシンで逃げかえってくるしかない。
 現在に帰ってきて、当時の新聞を見ると、
「お騒がせなテロ情報に一部飛行機の運航中止」とある。

 さぁ、あなたはテロ防止に成功したと言えるのかどうか。

 リスクマネジメントには成功事例は存在しない。
 存在したとしても、私たちには認知されない。
 なにか、宇宙物理学を論じているような不思議な感覚になる。
 これが、リスクマネジメントの難しいとろこだ。

 さて、先の問題に立ち返ろう。
 あなたがタイムマシンを使って、同時多発テロを防ぐにはどうしたらいいだろうか。



  

 
   
posted by 平野喜久 at 18:10| 愛知 霧| Comment(0) | TrackBack(0) | リスクマネジメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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