2005年01月15日

メディア対応の重要性

青色発光ダイオードの話題に関連してメディア対応の話。

 今回の和解に当たって、中村氏と日亜化学社長両者が記者会見を行なった。
 社会的な注目を集める記者会見は、非常に重要だ。
 マスコミを通して消費者や国民に与える影響が非常に大きいからだ。
 記者会見の仕方次第で、賞賛されたり、非難の対象になったりする。

 リスクコンサルタントとして、両者の記者会見を評価してみよう。
 結論は、両者とも不可である。
(私は、記者会見の現場にいたわけではなく、報道の範囲でしか情報を得ていない)

 まず、中村氏。
 200億600億円もらえるはずが、8億円になったことで怒り心頭といった様子。
 感情的に怒りをぶちまけているだけで、内容がほとんどない。
 彼に同情的だった人も、この会見映像を見て、幻滅したのではないか。
 これでは、何のために記者会見を開いたのは分からない。
 日本では、過剰な感情表現は却ってマイナスの印象を与える。

 次に、日亜化学社長の会見。
 笑みをたたえ、余裕の応対だった。
 「一人の天才によって完成したものではないことが認められた」
 「開発に携わった他の若い技術者の名誉が回復された」
 と本質的なところもきっちり表明した。

 しかし、勝者の余裕からか余計なことまでしゃべりすぎた。
 「8億円は本業復帰のための経費」
 「研究者は報酬より研究できることを重んじる」
 これは、立場の違う人にとって、非常にいやみに聞こえてしまう。
 マスコミは、記者会見全部を中継することはない。
 放送したとしても、ほんの1分程度だ。
 で、どこを放映するか。
 嫌味なことを言っている部分である。
 本質とは全然違う、ついでに言ったようなことが報道されるのだ。
 余裕で笑みをたたえた表情は、「してやったり」という、いやらしい風貌に映ってしまう。

 ここは、マスコミが中村氏に同情的であることを考慮し、対応すべきだったのである。
 表情は硬く、笑みを漏らさず、迷惑な裁判で疲労している姿を見せる。
 コメントも、従業員の名誉と株主の利益を何とか守ることができて、ほっとしていることだけに絞る。
 他の言い訳がましいことや、回りくどいことは言わない。
 徹底して、マスコミにスキを与えない応対が求められるのである。

 最近、よく企業の不祥事がニュースになる。
 その時のメディア対応が不十分なために事態を悪化させている例があまりにも多い。
 経営幹部のメディア対応の訓練は、防災の避難訓練と同じように必要な時代なのだということを認識する必要があるだろう。
 
 
 
posted by 平野喜久 at 16:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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