シャープの読書用端末GALAPAGOS。
規格はシャープが開発した「次世代XMDF」を使う。
XMDF対応のGALAPAGOS端末は、動画を埋め込んだり、1枚の写真を表示し続けながら文字部分だけめくったり、画面の一部を拡大したりといったPDFやePUBでは実現しにくいリッチな操作や表現が可能になるという。
確かに、理想的な仕様になっている。
ところがだ。
まだ、日本では電子書籍はまともに流通していない。
アメリカでさえ、ようやく市場が拡大してきたところ。
人々はこれから電子書籍とは何かを実感し始めるところだ。
そんな段階なのに、動画などリッチな表現を可能にする端末ができても意味がない。
まずは、電子書籍市場の確立。
そして、コンテンツの充実。
これが最優先ではないか。
特に、リッチな表現が可能なコンテンツは制作にも技術とコストがかかる。
簡単にはできない。
余計にコンテンツの充実が遅れる。
コンテンツの供給が追い付かないと、需要を呼び込めない。
結局、市場が拡大しない。
アマゾンのキンドルは、白黒表示。
いまどき白黒なんてと思う。
ところが、一般書籍のほとんどが白黒印刷。
今のコンテンツで対応しようとした時、白黒で十分との判断だ。
これで、端末の価格を抑え、市場形成とコンテンツの充実を最優先させた。
電子読書端末をいち早く開発したのは日本だった。
その端末は完成度が高く、いまのキンドルとほとんど違いがなかった。
しかし、コンテンツの供給がなく、市場を形成する前に消滅した。
シャープも二の舞にならないことを願う。
2010年10月07日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック