そのディズニーランドで、地震発生当日、どのような状態だったのか。
スタッフ(キャスト)の対応についての話題。
地震当日に園内にいた人の話を聞いた。
地震直後、スタッフたちの的確な誘導が始まったそうだ。
来園客を施設から出し、広い安全な場所に集めた。
周りをスタッフが取り囲むように広場に誘導したという。
夕方になって、レストランに誘導され、そこで食事が提供された。
施設の安全を確認した後、屋内に誘導、毛布などが貸与され、そこで一夜を明かすことに。
翌朝は、またレストランで朝食。
次回の無料クーポンをもらって退園。
その人は、ディズニーランドの対応の的確さとサービスの完璧さに感心することしきりだった。
当日、7万人の来場者がいたが、そのうち、2万人が園内で一夜を明かしたという。
普通なら、早々と客を追い出して園を閉鎖しそうなものだ。
だが、ディズニーランドの周辺は液状化の被害が出ていたし、交通機関が停止しており、このまま客を帰しても路頭に迷ったまま夜を迎えてしまう可能性が高かった。
客の安全のためには、園内で安全に保護し、状況が落ち着いてから帰した方がいい、との判断だろう。
同じ日、JR東日本は、電車の運行停止とともに、駅構内の客を追い出し、施設の閉鎖をした。
客らは、行き場を失ってあたりに溢れることになった。
たぶん、駅構内に多数の客が流れ込んできて、中で事故でも起きたら責任問題になると判断し、早々と閉鎖を決めたのだろう。
ディズニーランドの対応との落差を感じさせる。
ディズニーランドでは、年間180回の避難訓練を行なっている。
2日に1回は、どこかで訓練が行われていることになる。
地震訓練は、10万人の来場者がいるときに震度6強の揺れがあった時を想定。
5万人が3〜4日は過ごせるだけの食料の備蓄がある。
地震対応マニュアルでは、スタッフが心得るべき基本方針が示され、細かい対応は、現場の判断で臨機応変に対処することになっているらしい。
今回の対応でも、来演客を食事会場に案内するとき、通常ルートを歩かせると会場内をかなり大回りをさせてしまうことになるため、急遽、スタッフ用通路を解放し、そこを通らせたそうだ。
スタッフ用通路に客を入れるなんてことは通常ではあり得ない。
ディズニーランドは、夢の世界であり、現実的な舞台裏を見せることは絶対しない。
通常のディズニーランドを知っている人ほど、この対応に驚く。
緊急事態に臨み、スタッフの判断でこのような対応をしたのだろう。
3/11の地震発生当日、15:22には地震対策統括本部を設置。
本部の指示で、各エリアごとの責任者の下、訓練通りの対応が行われたという。
普段からの準備と訓練がいかに大事かが分かる。
ディズニーランドは、普段のサービスレベルの高さで評価が高い。
そのサービスレベルの高さは、緊急時においても、存分に発揮された。