http://hiraki.seesaa.net/article/18542952.html
その補足。
解約返戻率がピークになったときに解約すると最も節税効果が大きい。
しかし、災害の発生や、取引先の倒産など、急な資金需要が、そのピーク時にタイミングよく発生するはずがない。
何事もなくピークを過ぎてしまったらどうするか。
そのまま解約すると、解約返戻金は受けることができるが、その返戻金は益金処理され、課税の対象となってしまう。
そこで、課税を逃れる方策を考えなくてはいかなくなる。
保険屋は、そこで更なる対策を提案する。
解約に合わせて、不良在庫の一斉処分や、値下がり有価証券の売却などで、無理やり大きな損失を作り、これを返戻金と相殺して課税をぜろにする。
すると、ここで、もしものときのための簿外資産がなくなってしまうので、また、ここから生命保険の入り直し。
これを繰り返してつないでいくのだそうだ。
既に本末転倒しているのが分かる。
資金繰りのために保険を利用するつもりが、保険を有効に利用するために資産処分など会計処理で赤字を作らなければならなくなっている。
更なる問題。
契約から2,3年は十分な返戻率がないので節税効果がない。
それに、累積した保険料も少額のため、もしもの資金対策にならない。
ということは、解約してから次の保険に入りなおしていたら、空白期間ができてしまう。
この問題に対する対策は、解約してから入りなおすのではなく、2,3年ごとに新しい保険に入り続けるということになる。
常に重層的に生命保険が継続しており、返戻率のピークになったものから解約していくのだ。
もうこうなると、企業経営のための保険ではなく、保険のための企業経営である。
重層的に生命保険を重ねると、返戻率の高い保険と、返戻率の低い保険が常に混在していることになる。
たとえば、2つの生命保険に時期をずらして加入したとする。
すると、毎年2つ分の保険料がキャッシュアウトする。
しかし、資金が必要になった時は、2つの生命保険のうち、返戻率の高い方しか解約できない。
2つ分のキャッシュアウトは確実に続くが、引き出す資金は1つ分しか使えないのだ。
ということは、一つ一つでは効率のいい節税効果があったとしても、全体では、非常に節税効果の悪い資金運用になってしまっているのがお分かりだろう。
生命保険による節税対策の欠点を、生命保険のテクニックで補おうとするために、余計に複雑でいびつなものになってしまう。
保険屋に財務対策を相談すると、彼らは、保険利用のテクニックしか頭にないため、こういうことになる。
「保険屋」という言葉の用法について。
このブログで、「保険屋」とは、自分の利益を最優先して、顧客の利益をないがしろにするものを軽蔑して言う。
保険関係者全般を指すものではない。
また遊びにきます。
ありがとうございます。
正に正論、その通りだと思います。
正論を唱える方がいらして心強い思いです。
ありがとうございます。