ギリシャの脱税スキャンダルが発覚した事件。
ある週刊誌がスクープをぶち上げた。
スイスの銀行に資産を「避難」させていた富裕者のリストをすっぱ抜いたのだ。
欧州債務危機を巡り、待ったなしの財政再建に取り組んでいるギリシャで、富裕層が資産を海外に移して税金逃れをしていることに、国民の憤懣が爆発した。
リストには、ギリシャの元閣僚、財務省高官、実業家らが含まれ、リスト掲載者の07年時点の口座残高は合計約20億ユーロ(約2070億円)に達していたという。
もちろん、週刊誌のリスト公開は個人情報の侵害に当たり、違法行為だ。
雑誌編集長は逮捕されたが、国民の猛反発を受け、無罪放免となった。
個人情報保護より、国民の知る権利が勝った。
富裕層が国内で得た富をせっせと海外に持ち出して海外に納税する。
これでは、国がますます貧しくなるのは当たり前。
財政難を理由に、増税され、公共サービスが縮小され続ける一般国民にとっては、納得できないニュースだろう。
富裕層のスイスへの資産待避は、世界で当たり前に行われていることが分かる。
富裕層にしたら、貧乏国家のために自分の資産を吸い取られてしまうのは耐えられない。
富裕層に厳しい税率を課す国では特にそうだ。
資産を移したくなるのは当然だろう。
資産を海外に移してはいけないということになると、住民票とともに海外退避ということになりかねない。
稼げる人、有能な人材はますます海外に流出。
窮乏国家は、将来の発展の可能性まで失っていく。
日本でも、ハリーポッターの翻訳者が、住民票をスイスに移し、所得をスイスの銀行に移し、スイスに納税していたことが発覚して問題になったことがある。
活動の実態が日本にあり、日本で得た所得に対する税をスイスに納税するのは、脱税行為として国税庁の指摘を受けた。
2012年11月04日
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