検査をせずに数値を勝手に捏造したり、アメリカの大学教授のコメントを全く違う日本語訳で紹介したり、無許可のグラフを紹介したり……。
計6箇所の捏造があったらしい。
問題外だ。
根拠のない情報で構成された情報番組。
全くの欠陥商品であった。
実際は、孫請の番組制作会社による不始末のようだ。
孫請の製作会社は、乏しい予算と短い制作期間で、インパクトのある番組を作らされる。
当然、綿密な検証をじっくり行なうような番組作りなどしていられない。
安易に数値を作り上げた方が手っ取り早い。
どうせ、研究者が論文を執筆するのとは訳が違う。
事実の正確さより、エンターテイメントとしての面白さが優先される。
このような状況で、捏造番組ができる素地は十分あった。
番組制作の現場では、モラルとか良心という意識はとっくに蒸発してしまっているのだろう。
この放送の直後、日本中のスーパーから納豆が売り切れた。
それほど、テレビの影響力は大きい。
これは、食品会社で言えば、産地偽装の牛肉を販売したようなものだ。
ブドウ球菌に汚染された牛乳を販売したようなものだ。
いまの不二家の騒動など比べ物にならない不祥事だ。
だが、マスコミの不祥事は大事件になりにくい。
騒ぎを煽り立てるものがいないからだ。
過去、新聞やテレビは、誤報、やらせ、捏造を繰り返してきた。
しかし、対応不十分のまま、やがて世間の記憶から消えていった。
厳しく追及するチェックが働かない。
マスコミは、企業不祥事を叩く前に、自らのコンプライアンスを見直したらどうか。
ところで、最近のテレビ番組が異様に低レベルに見えるのは気のせいだろうか。
非常に安直なおバカ番組ばかり。
芸能タレント同士が身内ネタで盛り上がっているだけという印象が強い。
最近、人びとのテレビ離れが大きいらしい。
当然だろう。
いまや、もっとも安心して見られる番組は「天気予報」ぐらいである。