阪急阪神ホテルズは、運営する8ホテルなどにある計23店舗で、メニュー表示と異なる食材を使った料理を提供していたと発表した。
販売期間は2006年3月から今年9月。
利用客は延べ7万8775人に上る。
景品表示法などに抵触する可能性があるとして、同社は消費者庁に報告。
提供したのは47品目。
同社は申し出た客から状況を聞いた上で返金する。
返金額は約1億1千万円と見込んでいる。
鮮魚⇒冷凍魚
九条ネギ⇒一般の青ネギ
芝エビ⇒安価なバナメイエビ
手捏ね煮込みハンバーグ⇒既製品
自家菜園サラダ⇒一般流通野菜
などなど
理由について、メニューの作成担当者と調理担当者、食材を発注する担当者、さらに仕入れ業者などの間で情報伝達と連携に不備があり、誤った表示が継続されたと説明している。
記者会見で奥村隆明・総務人事部長は「アピールポイントを強調しようとしてメニューを作り、誤った表示をした。意図的、明確な意思を持っていないが、一線を越えてしまった。本社としてチェックもできていなかった」と謝罪。
この表示偽装、ホテルレストランで提供しているあらゆる食材に及ぶ。
メニュー企画の段階で、差別化を狙うために、アピールポイントを付けられるところにはすべてつけまくったのだろう。
企画としては高級レストランらしいメニューができあがったが、実際の食材の調達や調理の現場がついていけなかった。
希少価値の高い食材は、安定的な仕入れができない。
応急の間に合わせに、メニューとは違う一般食材でしのぐことになる。
特別食材でも、一般食材でもそんなに変わらないことが分かってきて、いつの間にか一般食材が定着してしまう。
これは、現場の都合。
一方、経営側の都合では、コストの話がある。
高級食材に比べて、一般食材は半値以下。
原価率を抑えることが至上命題になった時、一番簡単なのは、食材を安いものに切り替えること。
その効果は絶大。
一般食材への誘惑は大きい。
不思議なのは、今回の不祥事がどうして発覚したのかということ。
今年5月に他社のホテルで同様の誤表示があり、記録が残る06年3月以降を自主的に調査して判明した、ということになっている。
一般に、不祥事の発覚は内部告発によることが多い。
社員が社内で内部告発を行なって、現場の不正が経営トップの知るところとなり、調査が行われるというケース。
社内での内部告発が上層部につぶされ、業を煮やした社員が外部のマスコミや公的機関に通告して発覚するケース。
不当解雇や左遷人事に不満を持つ社員が、復讐のためにいきなり外部に密告するケース。
今回の発覚は、どのタイプかは不明。
自主的に社内調査し、偽装表示が長期に広範囲に及んでいることに気づき、公表し謝罪したように見える。
この動きは、他のホテルにも影響するかもしれない。
2013年10月23日
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