2013年10月29日

お客様に向き合わない組織体質:阪急阪神ホテルズ社長辞任へ

 阪急阪神ホテルズ系のレストランなどでメニュー表示と異なる食材が使われた問題。
 出崎弘社長は28日夜、大阪市内で記者会見。
 11月1日付で社長を辞任すると発表。
 合わせて、親会社の阪急阪神ホールディングスの取締役も辞任。
 後任は29日の取締役会を経て決定。

 出崎社長は前回24日の会見で、偽装の意図はなく「誤表示」と強調していた。
 単なる表示ミスということで事態を矮小化してやり過ごそうとしていた。
 ところが、世論は納得していなかった。
 批判が収まらないことを見て、社長辞任での幕引きとなった。
 表現も「偽装と思われても仕方がない」というところまで、後退した。
 それでも、「利益を得ようとしてお客様を欺こうとしたのではない。チェックの甘さ、知識の不足、連携不足が原因」というところは、こだわりを見せた。
 
 故意に表示を偽装していたとなると、詐欺罪の適用となる。
 最悪の事態だけは避けたいとの思惑が見える。

 今回の偽装表示に対する会社側の対応は、2回も社長が謝罪会見をせざるを得なかったことが失敗。
 社長の謝罪会見は、1回で決めなくてはならない。
 先週の「誤表示」にこだわった会見が、ごまかしと言い逃れにしか見えず、むしろ批判を増幅させる結果となった。
 記者に「偽装か誤表示か」と問われたとき、すかさずマイクを持ち、「誤表示です!」と強い口調で言い切った時の表情は、特に印象が悪かった。
 社長の姿勢がお客様に向いておらず、自らの保身に汲々とする姿にしか見えなかったからだ。

 メニューの表現に偽装があったことが問題なのに、それを「誤表示」と言い換えることでやり過ごそうとする姿勢が、また、表現をごまかして世間を欺こうとしているという印象を与えた。
 問題の本質が分かっていないことが丸わかりとなって、批判が増幅したのだ。
 
 「お客様を欺いて利益を得ようとしていたわけではない」としきりに強調していたが、結果として、お客様を欺いて利益を得ていたのは間違いない。
 「たまたま偶然、間違えて利益が出てしまっていた」などと言う寝ぼけた話は通用しない。
 そこに、チェックの甘さや認識不足があったのだとしても、そのこと自体がお客様を欺いていることと同義だ。
 たまたま偶然、チェックが甘くなったり、認識不足が起きたりするわけがないからだ。

 結局、従業員や幹部の視線がお客様に向いていなかったのだろう。
 だから、チェックが甘くなったり、認識不足が起きるのだ。
 視線がお客様に向いていない組織体質は、1回目の社長の記者会見で、遺憾なく発揮された。
 2回目の会見を見ても、社長が組織体質の問題に気づいているかどうかは怪しい。
 
 失った客の信頼を取り戻すのは、相当な努力がいる。



 
posted by 平野喜久 at 00:27| 愛知 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | リスクマネジメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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