2013年12月21日

全国地震動予測地図:私たちの直面する震災リスク

 全国地震動予測地図の最新版が公表された。
 30年以内に大きな揺れに見舞われる確率を地図上に色分けで表示したものだ。
 政府の地震調査委員会が20日に公表した。
 この数値は、地震保険の料率算定に使われる。

 地域によって確率が高まったり低くなったりしている。
 高くなったのは、中国四国と九州。
 低くなったのは、東海地方。
 静岡県は90%から65%に下がった。
 これは、何かの事情で地震が起きにくくなったという意味ではない。
 単に、入力データを入れ替えたら算出数値が変わったというだけ。
 東海地方が全体に低くなったのは、東海地震が単独で起きるという想定を外したからだ。
 去年までは東海地震の30年間の発生確率は88%という非常に高い確率で予想されていた。
 だが、過去のデータから東海地震は単独で発生したことがないことから、単独の予想数値を使わず、南海トラフ全体の予想数値を使うようにした。
 東海地震88%から南海トラフ巨大地震60〜70%へ。
 それで、従来、異常に高かった東海地方の確率が軒並み下がったというわけ。

 逆に、四国中国、九州については、従来、南海地震の想定確率60%で計算されていた。
 それが、南海トラフ巨大地震60〜70%に入れ替わり、そのほかにも内陸型の地震の発生確率も加味したものになったので、軒並み確率が上昇したという次第。
 入力データが変われば、算出数値が変わるのは当たり前。
 確率が前回よりも増えたとか減ったとかいうこと自体にはほとんど意味がない。

 ただ、関東から九州にかけての太平洋側に確率の高い地域が帯状に広がっているという点は、従来から変わっていない。
 この地域は、近年、大きな地震が発生しておらず、かなりのエネルギーが溜まっている。
 なおかつ、人口密度の高い主要都市が集中し、日本の主要産業が集積している地域でもある。
 日本が、大きな震災リスクにさらされ続けているということを、改めて認識させられる。

 国の呼びかけの中に、「BCP」という言葉が頻繁に登場するようになった。
 震災リスクに対処するには、自助、共助、公助が重要と言われる。
 だが、国や自治体が対応する公助には限界があることは明らか。
 そこで、自分のことは自分で守る自助と、地域や同業者同士で互いに助け合う共助の必要性を呼びかけるようになってきているのだ。
 企業にとって、自助、共助の中心は、BCPとなる。
 BCPについては、大企業は既に準備完了。
 中堅企業が仕上げの段階。
 そして、中小企業がようやく走り出したという感じだ。

 阪神淡路大震災以降、日本は地震の活動期に入ったといわれる。
 これからは、企業経営にあたって、BCPはあって当たり前の時代が来たと言える。

 
 

 

 三十年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を示した「全国地震動予測地図」の最新版を、政府の地震調査委員会(委員長・本蔵義守東京工業大名誉教授)が二十日、公表した。南海トラフ地震について、新しい長期予測を取り入れたため、静岡県など東海地方で確率が減った。数値は地震保険の料率算定などに影響する。

 これまで、駿河湾周辺を震源とする東海地震の発生確率は「三十年以内に88%」と見積もられていた。今年五月、東海・東南海・南海の区分けをやめ、南海トラフ全域での地震発生確率を「三十年間で60〜70%」とする改定が行われた。

 そのため、昨年まで全国の都道府県庁所在地で最も高かった静岡は90%から65%に低下した。津は87%から70%になり、名古屋は46%から42%になった。

 関東地方では東京26%、横浜70%など、前年からほぼ横ばいだった。千葉が全国の都道府県庁所在地中、最も高い77%だった。

 ただ、同じ市内でも数キロ離れるだけで確率が70%から20%に低下する例があるなど、確率は地盤の影響を強く受ける。

 予測地図は、二百五十メートル四方に区切って確率を示している。防災科学技術研究所のウェブサイト「地震ハザードステーション」で公開しており、各地の確率を調べることができる。

 地震調査委は、未知の活断層の影響を含めた予測手法の改善を進めている。また関東地方では、相模湾で起こる海溝型の地震規模を、現在より大きく想定する方向だ。来年度以降、関東では確率が高まる可能性がある。
posted by 平野喜久 at 17:47| 愛知 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | リスクマネジメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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