ローソンの電子書籍サービス「エルパカBOOKS」がサービスを終了する。
サービス終了後は、購入した書籍を読めなくなるという。
ユーザーには、購入済み電子書籍代金相当の「Pontaポイント」を返金する。
エルパカBOOKSは、2011年7月にスタートしたAndroidアプリ向け電子書籍サービス。
1月16日に新規電子書籍の販売を終了し、2月24日にサービスを完全に終了する。
2011年は電子書籍元年と言われた。
さまざまな電子書籍端末が開発され、さまざまな電子書籍販売サイトが開設された。
電子書籍の作成業者も乱立した。
専門雑誌も発刊された。
だが、方向感が定まらないまま、規格や販売サイトが乱立しすぎた。
実績の挙げられないところから脱落していくのは目に見えていた。
電子書籍のコンテンツ作成業者は次々に暖簾を降ろした。
専門雑誌は1年もたたずに廃刊になった。
今回のエルパカのサービス終了も同じ流れの1例。
目を引くのは、サービス終了後は購入した書籍が読めなくなってしまうというところ。
データを端末に取り込まないクラウド型の電子書籍システムだったようだ。
ダウンロード型では、データのコピーや転送が容易にできてしまうことを恐れ、クラウド型で始めたのだろう。
読者よりも、出版社の方に気を使ったシステムだった。
それで、サービス終了と同時に購入した書籍が読めなくなるという信じられないことになった。
読者の利便性という視点が欠落したサービス。
根本的な発想から間違っていた。
これでは、電子書籍が普及するはずがない。
出版業界の利権保護の視点からとらえると、電子書籍はまったく普及の余地はない。
電子書籍が普及するかどうかは、読者主体のサービスを提供できるかどうかにかかっている。
2014年01月07日
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