中国で今年に入り、鳥インフルエンザ(H7N9型)の感染者が急増している。
中には、家族間でヒトからヒトに感染した疑いのある例が相次いでいるため、警戒されている。
家族間の感染が確認されているものの、ヒトからヒトへの持続的な感染までには至っていないために、WHOも新型インフルとの認定はしていない。
だが、中国国内では、さまざまな憶測が流れており、中国当局は社会不安の鎮静化に神経をすり減らしているようだ。
特に、上海で医師が鳥インフルに感染して死亡した事例があり、感染源が特定できなかったことから、「患者から感染した」「院内感染が起きている」との憶測が流れ、不安を拡大させた。
中国当局は発表の文言にも神経を使うなど警戒を強めている。
警戒を強めているのは、鳥インフルの感染拡大より、風評の拡大の方だ。
去年は、感染者が発見されるたびに報道され、感染拡大が持続的に起きているような印象を与えてしまうため、途中から情報公開を中止してしまったことがある。
中国で国民に風評が広がるのは、当局の隠蔽体質によるところが大きい。
「何か重大なことを隠しているのではないか」という憶測が国民の不安を増幅させる。
不安拡大を恐れる当局は、ますます情報を隠蔽するようになり、そのことが余計に社会不安を引き起こす。
悪循環が起きているのだ。
このような中国の体質は非常に厄介だ。
騒ぎを起こさないことを最優先にするあまり、状況把握と情報公開が遅れ、近隣諸国やWHOが気づいた時には、既に手遅れという事態が心配だ。
公開されている情報によると、今年の感染者は7日現在、中国本土と香港を合わせて175人(うち36人死亡)と、昨年を既に上回るペースで増えている。
2014年02月09日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック