宮崎県のそのまんま東知事は16日の定例記者会見で、会見の開催そのものに疑問を投げ掛けた。
「定例会見って必要ですかね」
「特筆すべき発表事項がないときは、なくてもいいのでは」
報道陣と激しいやりとりになったらしい。
知事には、マスコミ不信があるようだ。
単に、揚げ足取りを狙っているような記者の相手をしたくない、というのが本音だろうか。
しかし、マスコミの記者連中が信用できないとしても、彼の態度はおかしい。
何もないときは、記者会見は不要という考えは間違っている。
何も情報がないときは、「何も情報がない」ということが重要な情報になるのだ。
重要な案件があるときはもちろん、何も話すことがなくても、そのことを伝えるために記者会見は定期的に開くべきだ。
記者会見で話される内容には、そのつど重要度の大小があってあたりまえ。
その大小を知らせることも重要な役割だ。
定期的に開く意味は、そこにあるといってもいい。
これは、企業の危機対応時の情報発信も同じだ。
事件、事故が発生したら、まず第一報を公表するが、その後の展開も定期的に発信し続ける必要がある。
当然、そこでは、特に何も報告することがない場合もある。
しかし、「事態の進展なし」という情報が重要な意味を持つ。
よく、記者の「次はいつ会見を開くのか」との質問に、担当者が、
「必要があればその時に・・・」
「何らかの進展があればそのつど・・・」
と答える場合があるが、これは、情報公開に消極的な印象を与える。
単に、逃げているだけと取られる恐れもある。
積極的に情報公開していく姿勢を見せることが重要だ。
記者会見は、不良記者のつまらぬ突込みにさらされるリスクがあるが、逆にこちらから情報発信できる重要な場所だ。
マスコミが情報を加工して必要なことが伝わらないというのなら、記者会見をインターネットテレビで公開すれば済むことだ。
むしろ、知事が定期的に自らの言葉で情報発信できる貴重なチャンスととらえるべきだろう。
当選後、彼を持ち上げてもてなしてくれる情報番組やバラエティ番組には頻繁に登場している。
ラジオのパーソナリティを務めたことも話題になった。
遊び半分の番組には喜んで出るが、県政に対する厳しいチェックは逃げようとしているように見える。
このような態度は、不信感を増幅させるだけだ。
2007年04月17日
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ネタが無いときにまで、無理して開く必要があるのか?と言っただけで。