北京市の石景山遊楽園の話題がテレビ各局の報道番組で一時話題になった。
この遊園地は、外国のアニメキャラクターの模倣で成り立っている。
ミッキーマウス、ドナルドダック、くまのプーさん・・・。
日本のドラえもん、キティーちゃん、ピカチュウまでも。
それらが、着ぐるみだったり、お土産品だったり、いずれも劣化コピーで登場する。
年間150万人もの入場者数があるらしい。
何よりも驚くのは、これが国営だということだ。
遊園地の社長は、こう強弁しているそうだ。
「ディズニーキャラクターはまねしていない」
「まったく違う。よく見てくれ」
「グリム童話を題材にオリジナルキャラクターを作った」
どうも、パクリはよくないことという意識はあるようだ。
まさに、著作権意識のない国民性を如実に見る。
原作を忠実に真似るのではなく、まねながらも独創的な要素を付け加えるのでもなく、無造作に劣化コピーするあたりが、中国らしさか。
忠実にまねる意識も能力さえもないことの表れかもしれない。
以前にも、このブログでは、中国のアニメ事情に関連して、知的財産権に対する意識の低い中国では、クリエイティブな人材が成長しないことを指摘した。
この遊園地の実態は、それをギャグのように見せ付けられたような感じだ。
これは、アニメにだけに特有の話ではない。
以前から中国関連のビジネスでは同じような話はいたるところで聞かれた。
日本の産業機械でもコピーが行なわれる。
いつの間にか、機械部品の劣化コピーが中国で作られるようになる。
日本の製品を分解し、各部品をそっくりまねて作る。
それは、日本製の部品の外見をまねて作っただけのものだから、性能はまったく違うもの。
部品の形にはすべて意味がある。
何段階もの試行錯誤の結果が最終的に部品の形として結晶化している。
外見を真似ただけでは、その経過が分からないので、形だけがそっくりなものにしかなっていない。
肝心のところの精度や強度に問題があり、使い物にならないのだ。
それにしても、この遊園地、本家のディズニーが放置していることが不思議だ。
ディズニーは著作権の保護には非常にシビアだ。
この遊園地が、一事業者の権利侵害だったら、いまごろ簡単にひねりつぶされている。
国営ということで、国家相手の交渉になってしまうために、勝手が違うのだろう。
今後の中国市場進出をにらんで、事を荒立てないで、水面下で将来の利権獲得の動きをしているのかも。
2007年05月06日
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