MMD研究所のリリースによる。
「2016年電子書籍および紙書籍に関する調査」
調査はインターネット調査で行われ、調査期間は2016年2月19日〜2月21日、有効回答数は2201人(20歳〜59歳の男女)。
「電子書籍の購読」についての質問では、現在利用している人は無料コンテンツで22.9%(昨年比0.5%アップ)、有料コンテンツでは16.5%(同0.7%ダウン)。
2015年と比べ、有料・無料問わずにほとんど普及が進んでいない。
「紙書籍での読書状況」については、紙書籍で読書している人は83.0%を記録。
また、紙と電子書籍の両方で読書している人に「紙と電子書籍の読書する割合」を聞いたところ、
紙書籍のほうが多いが54.0%、電子書籍のほうが多いが25.7%となった。
数年前に、電子書籍元年と言われ、今後は読書環境に革命的な変化があるかもしれないと期待された。
先行するアメリカの出版市場では、電子書籍の普及が進んでおり、日本もやがて追随するものと思われた。
ところが、革命的な変化というほどのレベルには達していないのが実情だ。
だが、無料コンテンツで22.9%、有料でも16.5%という普及率は、かなり高いという印象だ。
インターネットによる調査で、対象にバイアスがかかっているのがその原因だろう。
一般には、もっと普及率は低いということになる。
私は、本を読もうとする場合は、まず電子書籍があるかどうかを確認する。
あればすぐに購入、ダウンロード。
ない場合は、やむを得ず、印刷書籍を購入ということになる。
最近は、書店に出かけて、気になる本を見つけたら、その場でAmazonを検索。
Kindle版があれば、そちらを購入し、ない場合は、やむを得ず書籍を購入するというパターンが多い。
書店にしたら、迷惑な客だ。
こういう客がいるから、出版社も電子書籍に本腰を入れられないのかもしれない。
文庫本や新書は、電子書籍が売られているケースが増えてきた。
印刷書籍よりも、少しだけ安いので、お得感がある。
Kindle端末での読書に慣れたせいか、印刷書籍は却って扱いにくさを感じるようになってきた。
印刷書籍は物理的な重さも邪魔くさい。
持ち運びも面倒。
保管も面倒。
処分も面倒。
それを考えるだけで本の購入をためらってしまう。
印刷書籍の中には、わざと厚めの用紙に印刷してボリューム感を出しているものがある。
ハードカバーで重厚感をだしているものも。
無駄に重いし、無駄に場所を取って、いいところがない。
資源の無駄遣いではないかとさえ思う。
だが、印刷書籍は、この形や重さや見た目で売れ方が違うのだ。
この重厚感を楽しみながら1枚ずつページをめくることに読書の喜びを感じる人もいるのかもしれない。
私も現在、6冊の電子書籍をリリースしている。
時々、お問い合わせをいただく。
「アマゾンであなたの電子書籍を見つけたが、本はどこで買えるのか」
電子書籍を購入したことがない方がまだまだ多い。
その場合は、「Amazonの電子書籍は、kindle端末がなくても、PCやスマホでもソフトをインストールすれば読むことができるんですよ」と丁寧に説明して差し上げる。
先日は、こんな問い合わせも。
「あなたの本を会社で購入して社員に配りたいと思うが、どうしたらいいのか」
ここに電子書籍の欠点があった。
モノがないので、会社が一括購入して社員に配るということができないのだ。
社員の方おひとりおひとりのスマホにダウンロードしていただくしかない旨をお伝えした。
2016年02月26日
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