舛添都知事の政治資金疑惑がいまだに尾を引いている。
尾を引いているというより、ますます深みにはまりこんでいるという印象が強い。
疑惑の発端は、外遊時のホテル代の不必要な豪華さから始まった。
はじめのうちは本人も強気に突っぱねていたが、週刊誌は次々にネタを投入してきた。
毎週末に公用車で湯河原の別荘への通いが問題となった。
過去の政治資金の使い方に公私混同が疑われる事案がいくつも見つかった。
毎週のように週刊誌のスクープ記事が話題となり、ついに、いちいち突っぱねることもできなくなった。
ここで、普通なら万事休すとなって、白旗を挙げるところだが、舛添氏は違った。
第三者による検証というステップを設けることで、時間稼ぎができることを思いついた。
週刊誌の扇動が発端で始まった今回の騒ぎは、1つ言い訳をすれば、それに倍する突っ込みを招き、騒ぎを大きくしかねない。
膨大な疑惑について1つ1つ弁明をすることは無限の時間を必要とし、十分な弁明をする前に行き詰まる。
それで思いついたのが、第三者による検証というテクニックだった。
マスコミに検証させるのではなく、弁護士に検証させて、その結論だけをいっぺんに公表すれば、一気に片付く。
個別の事案について、本人はいちいち弁明をする必要がなくなるというわけだ。
実に、うまい方法を思いついたものだ。
誰の入れ知恵だろう。
第三者の弁護士に厳正で公正な調査を依頼するということをしきりに強調していたが、これは、現状のマスコミのスクープでは、厳正で公正な報道が行われていないという不満の表れだ。
昨日、その第三者による調査結果が公表された。
案の定、すべての案件で違法性なしとの結論が出た。
舛添氏は、これがほしかったのだろう。
ただ、違法ではないものの、不適切との判断も含まれていた。
そして、適切との判断もあった。
この適切との判断も舛添氏が期待したものだろう。
結論、クロは一つもない。
グレーがほとんどだが、中にはシロも見つかった。
第三者の調査がなかったら、マスコミによってすべて真っ黒にされかねないところだった。
舛添氏が第三者に調査させた成果はこれで、十分だろう。
第三者による厳正な調査というが、この調査がどのレベルで行われたのかは判然としない。
元検事という肩書は、素人の目くらましに使われている。
元検事だからと言って、特別に強制捜査ができるわけではない。
できることは、一般の弁護士と変わらない。
ただ、依頼主である舛添氏の言い分を十分聞いて、その内容を分かりやすく整理して報告しているだけというのが実態だ。
決して、舛添氏の証言の裏を取ったり、多方面から事実の確認をしたりということはしていないようだ。
記者がその部分を弁護士に質問したら、年配の弁護士は色を成して突っぱねていた。
事実確認の調査はまったくできていないのがばれた瞬間だ。
結局、今回の弁護士による調査は、第三者による厳正な調査ではなく、舛添氏に雇われた顧問弁護士が依頼主の言い分を代わりに代弁したという、ごく普通の代理人行為に過ぎなかったのだ。
2名の弁護士が担当していたが、この2名は同じ弁護士事務所に所属しているらしい。
何のことはない、弁護士事務所に依頼して、そこの上司と部下の2人組でこの事案を担当したというだけのことだった。
舛添氏は、複数の弁護士に依頼していると言っていたので、当然、立場の違う弁護士を何人か選ぶものと思われたが、ふたを開ければこんなことだ。
弁護士による調査結果を受けて、事態は沈静化に向かうどころか、さらに不信感を増幅させている。
リスクマネジメントの視点で今回の事件を捉えてみると、舛添氏は対応をことごとく誤り、事態を悪化させ続けているように見える。
だが、舛添氏は、最悪の事態を回避し続けていると捉えているのではないだろうか。
不祥事が発覚した時点で、直ちに辞任していたら、騒ぎは大きくならなかった。
だが、辞任した時点で、彼としては最悪の事態が確定してしまう。
それで、最悪の事態を避けるためのギリギリの方策として、第三者を持ち出して延命を試みている。
舛添氏としては、いまのところ最悪の事態を回避し続けているという点で、うまくことを運んでいるということかもしれない。
都民の信頼を完全に失ってもなお逃げ回る都知事。
この粘り強さは何だろう。
彼の心臓の強さか。
それとも、やめたくてもやめられない裏の事情があるのか。
リオのオリンピックで次期開催地の代表としてオリンピック旗の引継ぎに舛添氏が出かける。
満面の笑みで旗を受け取る舛添氏の姿が世界に流れる。
都民としては、これほど見苦しい光景はないだろう。
東京オリンピックはいろんなところでケチが付き続けているが、また1つケチがつくことになる。
2016年06月07日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック







