経産省の奇妙な不正が発覚した。
繊維製品の在庫量などを調べる「繊維流通統計調査」で長年、実態と異なる数値を記載していたという。
40超の品目ほぼ全てで改ざんがみられ、10年以上前の数値がそのまま記載され続け、実際の数値と最大で10倍程度の差が生じた例も。
経産省から業務を請け負う業者の告発があり、不正が発覚した。
なぜ、こんな不正が行われていたのかというと、統計データが十分集まらなかったため、適当に作ってしまったというのが実態らしい。
調査は行われていたようだ。
だが、調査票を配っても有効な回答数が限られ、統計として発表するほどのボリュームにならない。
そこで、前年の数値をそのまま流用するというような操作が行われた。
中には、10年以上も同じ数値で推移している項目もあるという。
前年データの流用を繰り返すうちに、実態とかけ離れた統計データが毎年発表されるという事態に至った。
あまりにも実態と乖離しすぎたことに担当者も気づいていたらしく、統計数値を毎年修正しながら、実態に近づけていく操作も行われていたという。
突然、数値が激変すると、その部分が目立ってしまい、理由を問われるからだろう。
ただただ、問題が表面化しないようにごまかし続けようという痕跡だけが見える。
このデータ操作の不正が奇妙なのは、動機があまりにも低次元だからだ。
データ不正は、いままでもいろんなケースが発覚した。
自動車の燃費偽装、耐震ゴムの性能偽装、医薬品の臨床データ偽装など。
だが、これらはすべて民間企業による不正であり、その目的は、自社製品の性能を実態よりもよく見せようとする偽装であった。
ところが、経産省の統計データの偽装には、そのような目的は存在しない。
統計データを実態よりよりよく見せる必要はまったくないからだ。
ならば、なぜデータ不正が行われたのか。
それは、ちゃんとデータ収集できなかったことをごまかすため、だ。
本来なら、まともなデータ収集ができないことを問題として取り組まなくてはいけないはず。
調査方法が悪いのか、それとも、繊維業者が減少傾向にあり統計データを収集する規模でなくなっているのか。
この問題を解決しようとすると、さらに大きな課題を背負い込むことになり、経産省の役人としては、触りたくなかったのかもしれない。
意味のない統計だったら、廃止すればいいが、それにも正当な理由付けが必要であり、役人としてはエネルギーがいる。
一番楽なのは、前例踏襲。
それは、前年のデータを流用し続けて、目先をやり過ごすというやり方だった。
担当者は、数年ごとに配置転換になる。
誰も、自分の任期中に面倒なことをしたくない。
問題があると分かっていても、それを先送りした方が、自分としてはコストが少ない。
それで、このような奇妙なデータ不正が起き、それが継続する。
いったい、これにかかわった役人らは、何のために働いているのだろう。
役人の情けない実態を垣間見るような不正事件であり、脱力することこの上ない。
経産省は、データ操作にかかわった職員計7人に対する処分を決めた。
課長級を含む管理職4人は内規で最も重い「訓告」。
4人のほかに業務を担当していた職員3人が口頭で「厳重注意」を受けた。
これでも、役人の処分としては、最大級の重い処罰なのだという。
2017年02月25日
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