2017年05月30日

改正個人情報保護法が施行

 15年9月に成立した改正個人情報保護法が本日から施行される。
 元の個人情報保護法は05年に施行され、国民にプライバシー情報に対する意識を高めさせるきっかけになったが、一方で、保護が不十分であったり、過剰反応で不必要な情報隠蔽が行われるなど、問題も多かった。
 それらを踏まえ、今回の改正法の施行となった。

 今回の改正ポイントは、
・指紋や顔認証データなど「個人識別符号」も対象となること。
・個人情報でも匿名加工すれば本人の同意なく第三者に提供できること。
・従業員らの情報漏洩を罰するデータベース提供罪が新設されたこと。
・5000人要件を撤廃したこと。

 大きな影響が出そうなのが、匿名加工すれば同意なく第三者に提供できるという点だ。
 これは、ビッグデータの時代への配慮だ。
 個人の購買データ、行動データ、検索データなどがビジネスや行政に活用される時代となった。
 個人の属性と購買履歴を蓄積することでマーケティングに利用できる貴重なデータベースになる。
 自動車のGPSデータを解析することで渋滞の緩和策を検討できるようになる。
 海外ではすでに膨大な個人情報の蓄積と利用が進んでおり、国家戦略としても、この動きにブレーキをかけることにならないようにとの配慮がうかがえる。
 だが、「同意なく第三者に」というところで不安も多い。
 匿名加工するとしても、どの程度の加工をすれば十分かは不透明だ。
 名前を消しただけでは、別のデータと照合すれば簡単に個人を特定できてしまう。
 かといって、名前だけでなく年齢や性別や職業や地域など多くの情報を消し去ってしまうと、データとしての利用価値がどんどん失われてしまう。
 どこに線引きをするのかが難しい。
 ただし、事業者はどのような項目を誰に提供するかなどを公表する必要があるとされており、ここで一定の縛りになりそうだ。

 もう1つの注目は、5000人要件が撤廃されたこと。
 従来は、半年間に5000人を超える個人情報を扱う事業者が規制の対象だった。
 5000人というと、ある程度規模の大きい事業者に限られる。
 この要件は、中小零細事業者を対象から外すために設けられた。
 その枠がなくなったのだ。
 つまり、人数は関係なく、個人情報を扱う事業者はすべて対象となるということ。
 確かに、中小零細事業者の中には個人情報に無頓着なところが多く、消費者の意識が高まりとともに、そのいい加減さが問題になるケースがあった。
 今後は、中小零細事業者であろうとも、個人情報の扱いには慎重にならざるを得ないし、その配慮をしっかりしていることを消費者に示していく必要が出てくるだろう。


posted by 平野喜久 at 08:32| 愛知 | Comment(0) | TrackBack(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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