2017年06月12日

ミサイル想定の避難訓練と朝日新聞の報道姿勢

 朝日新聞の報道による。
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 北朝鮮の弾道ミサイル発射が相次ぐ中、全国の自治体で避難訓練や注意喚起の動きが広がる。号令をかける内閣官房は「国民の不安感が今までになく高まっている」と必要性を訴えるが、「かえって不安をあおる」と戸惑う声も上がる。
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 各地でミサイル想定の避難訓練や注意喚起の動きが広がっているのは、結構なことだ。
 北朝鮮のミサイルリスクは、現実のものになりつつあり、そのリスクに対する備えはあって当たり前と言える。
 日本では、避難訓練と言ったら、火災や地震を想定するのが一般的だったが、その中に、ミサイルも追加されることとなった。
 北朝鮮のミサイルは、発射から着弾まで10分以内と言われており、その間に、避難行動がとれるかどうかがカポイントとなる。
 10分以内という時間は、大げさな行動をする余裕はないが、最低限の安全行動を取るだけの時間は十分ある。
 その限られた時間で、自分は何をすればいいのか、何をしなければいけないのか、何ができるのか、について事前に考えておくのは非常に重要だ。
 いままで、日本人でミサイル想定の避難訓練をやったことのある人はほとんどいない。
 それだけに、訓練をやっておくことの価値は高い。

 だが、朝日新聞の記事に、気になる言葉が紛れ込んでいるのにお気づきだろう。
  「『かえって不安をあおる』と戸惑う声も上がる」
 これは、このような声があちこちから出ているというよりも、朝日新聞特有の当てこすり記事だろう。
 福島原発周辺では、事故前に避難訓練が行われることは1度もなかったという。
 事故を想定した準備もシミュレーションも、何もなかった。
 なぜか。
 住民の不安をあおるからだ。
 そのために、住民も行政も東電も事故のことを考えることがなくなった。
 考えなければ対策が行われるはずもなく、何の備えもないまま最悪の事故を迎えることとなった。
 今回の朝日新聞の「かえって不安をあおる」という当てこすり記事も同じだ。
 人々の意識を北朝鮮のリスクからそらせようとする目的しか感じられない。

 朝日新聞の記事では、次のように締めくくられていた。
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 ただ、訓練を実施した自治体はまだ少数派。近畿のある自治体の担当者は「どんな訓練が効果的か分からないのに、やみくもに動いても仕方ない。情報収集の段階だ」と語った。
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 近畿のある自治体とはどこなのだろう。
 どこかの職員が何の行動も起こしていないことの言い訳をこんな風に語っていたのかもしれないが、朝日新聞が都合のいいコメントを恣意的に選んでいるようにしか見えない。
 朝日新聞は、ひたすら北朝鮮リスクを過小評価しようという意図だけが透けて見える。

 「どのような訓練が効果的か分からないので訓練しない」というのは言い訳になっていない。
 実際にミサイル攻撃を受けたことがある人はいないので、どのような訓練が効果的か誰も分からない。
 すると、どこかにミサイルが落ちて、どのような訓練が効果的かが分かってから行動を起こすということか。
 だが、それが分かったときには、手遅れであることは明らかだ。
 原発事故が起きてから訓練をやっても意味がないのと同じだ。

 ミサイル訓練の目的は、まずは、そこにリスクがあることを人々に意識してもらうことにある。
 朝日新聞の姿勢は、逆に人々の意識をそこから遠ざけようとするものであり、意図的であるとすれば、罪は重い。
 一方、テロ等準備罪法案については、共謀罪法案と呼び方を変え、「国民のプライバシーが暴かれ総監視社会になる」と不安をあおる。
 意識すべきリスクから目を背けさせ、ありもしない不安を掻き立てているように見える。






   

posted by 平野喜久 at 14:49| 愛知 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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