2017年06月24日

政治的メッセージを発信し続ける前川氏:2回目の記者会見

 加計学園の問題。
 前事務次官の前川氏が日本記者クラブで記者会見した。
 先月に続き、2回目の記者会見だ。
 何か新しい秘密の暴露があるのではと皆が注目したが、それはなかった。
 前回の記者会見の内容を繰り返し、言い足りなかったところを補強した程度だった。
 何のために今回の記者会見だったのか不明。
 逆に、彼にはこれ以上の情報はないのだということが分かった。

 会見の冒頭で、前川氏は断りをしている。
 「私は別に政治的意図をもって発言しているわけではない」「安倍政権を倒すなんて大それたことを考えているわけでもない」
 だが、彼の記者会見の内容は、事実の公表と言うより、政治的メッセージの方にウェイトが置かれているのはまるわかりだった。
 
 「官邸は理由をつけて真相解明から逃げようとしている。首相自ら説明責任を果たすべきだ」

 これは、事実の公表ではなく、前川氏の解釈であり意見だ。
 批判の矛先を首相に向けようという意図がある。
 これが政治的メッセージでなくてなんだろう。
 
 「岩盤規制に穴をあけたことは問題ない。問題は、加計学園に落ちるように条件設定が変えられ、行政がゆがめられたことだ」

 ここに強い違和感を覚える。
 途中で条件設定が変えられて対象が1つに絞り込まれていく過程は、いままでの情報である程度分かってきている。
 これまで明らかになってきた情報を彼なりに解釈して結論を出している印象だ。
 ここに何の新しい情報はない。
 まるで、日々の報道に接している私たちと同じ立場でものを見て、論評しているように見える。
 彼は、当事者ではなかったのか。
 途中で条件が変わっていき、加計学園に絞り込まれていく過程に文科省もしっかりかかわっている。
 その文科省の事務次官が自分であったのではないのか。
 本当に目の前で行政がゆがめられていくのを見ていたのだったら、その場でなぜ補正しなかったのか。
 「総理の意向」などと書かれた曖昧な内部文書の存在だけで、なぜ、納得し処理を進めてしまったのか。
 官邸に人事権を握られており、抵抗できなかったから?
 彼の発言からは、抵抗しようとした形跡が見当たらない。
 問題の「総理の意向」がどの程度のものなのかを直接官邸に確認する行為すらしていない。
 彼の発言には、不思議と当事者意識が感じられない。
 
 前川氏は、会見でメディア批判も展開している。
 NHKと読売新聞。
 NHKについては、単独インタビューに最初に対応したのにもかかわらず、それが報道されなかったと指摘。
 このことを不審に思っているらしい。
 間違った報道がされたことに抗議しているわけではない。
 報道されなかったことを問題にしているのだ。
 自分へのインタビュー取材は、必ず報道されるはずと思い込んでいるところが救いがたい。
 これは、ただインタビュー内容に報道の価値なしと判断されただけだろう。
 今回の記者会見の内容を見れば、新規性はまったくなく、同じ内容の繰り返しと念押しだけ。
 NHKインタビューも同じようなものだったのに違いない。

 読売新聞については、「官邸からの関与があった」と解釈している。
 なぜ、そう考えるかと言うと、彼が出会い系バーに出入りしている事実を官邸が知っていたから、だそうだ。
 彼は現職の時に、官邸に呼び出され、この事実を指摘され叱責を受けているらしい。
 このことから、読売新聞に情報をリークし記事を書かせたのは官邸の働きかけによるものだと類推しているようだ。
 これらは、すべて前川氏の類推の域を出ていない。
 その類推も、「官邸が知っていたから、それを読売新聞に書かせたのだろう」と単純極まりない。
 出会い系バーの情報を官邸がつかんでいたとして、その情報はどこから入っていたのか。
 まさか、官邸の人間がこっそり前川氏の素行調査をして事実をつかんだのではないだろう。
 警察側も出会い系バーの実態調査をしている中で、前川氏の存在を把握していたという。
 その情報はメディアにも流れており、同じ情報が官邸にも流れていたということではないのか。
 前川氏は「今の国家権力とメディアの関係について非常に不安を覚える」と述べているが、自分の思うように展開しないことをすべて官邸のせいにしているだけという印象が強い。
 
 今回の記者会見は、いままでに明らかになった情報について、自分なりに整理し分かりやすく解釈しなおして結論を提示したというところだろう。
 反政府メディアや野党に利用されることを狙った記者会見だった。
 彼は、国会証人喚問に応じる覚悟があるという。
 いままでの記者会見を見ると、証人喚問に応じるほどの情報を持っていない。
 官邸により行政がゆがめられたことを立証できる事実は何も提示できない。
 本当に証人喚問に応じたら、彼の発言の多くは類推によるものであることが明らかになるだけなのではないか。
 そして、厳然たる事実は彼のバー通いだけということになりかねない。





posted by 平野喜久 at 10:43| 愛知 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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