2017年12月24日

ブルーレイオーディオでハイレゾを楽しむ難しさ

 ハイレゾ音楽を楽しむメディアとして、ブルーレイオーディオがある。
 24bit,96kHzで音声が記録されており、高解像度のピュアな音質を堪能できる。
 CDが16bit,44.1kHzなので、それよりもはるかに解像度が高い。
 CDでも十分高音質だと思っていたが、ハイレゾはその上を行く。
 その音質の良さを実感したのは、CD店の視聴コーナーだった。
 カラヤンの「惑星」。
 1970年のアナログ録音。
 この演奏は既にCDを持っているし、何度も聴いている。
 だが、その音楽の透明感に驚いた。
 ハイレゾを追い求める取り組みが始まったのは、この時だ。

 ブルーレイプレーヤーに入れて、音声をアンプに入力して、ハイレゾ対応のヘッドホンで鑑賞する。
 確かに、CDよりも高音質だが、視聴コーナーで実感した音質と違う。
 ヘッドホンは、視聴コーナーで使われていたものよりも格段に高級なものだ。
 ならば、プレーヤーがだめなのか、アンプが貧弱なのか。
 光デジタルで音声情報をアンプに入力できれば、音質の劣化が防げるはず。
 早速、光デジタル入力のついたものに買い替え。
 だが、ぱっとしない。
 音質は悪くはないが、抜けるような透明感というところまでいかない。
 ふと見ると、アンプの液晶の表示に「PCM48kHz」とある。
 なんと、96kHzの音源であるはずが、アンプには48kHzしか送られていなかったのだ。
 ブルーレイプレーヤーの問題に違いない。
 新しいブルーレイプレーヤーを購入。
 この新しいプレーヤーのカタログには、96kHz,192kHzにも対応とある。
 今度こそ本来のハイレゾが味わえるはず。
 だが、このプレーヤーでも「PCM48kHz」との表示。
 どうなっているのか。
 取説をよく読むと、「著作権保護の作品は48kHzに変換して出力します」と書いてある。
 ということは、一般に売られているブルーレイ作品は、ハイレゾで出力できないということではないか。
 では、ブルーレイオーディオはどのように楽しめばいいのだろう。
 調べてみると、光デジタル出力では著作権保護のために制限がかけられるが、HDMIの方には、本来のハイレゾ音声がそのまま送られているのだという。
 ならば、HDMIに送られた音声情報を抜き出すことができれば、問題は解決する。
 その方法が見つかった。
 HDMI切替器を使えば、映像情報と音声情報を分離して、取り出せそうだ。
 HDMI切替器は様々な機種があってどれが目的を果たせるものか分からない。
 とにかく、一番高価なものを選んで購入。
 この切替器を通して分離した音声を光デジタルでアンプに入力した。
 すると、表示が「PCM96kHz」となった。
 プレーヤーにブルーレイを入れ、プレーボタンを押す。
 すると、あの透明感のあるハイレゾ音声が再生された。
 これほどややこしい仕掛けをしないと、ハイレゾを楽しめないとは……。

 ブルーレイ―には96kHzとは別に、192kHzの音声も収録されている。
 そちらに切り替えて再生すると、アンプ側は「PCM192kHz」の表示に。
 ところが、この場合は、音がプチプチ途切れてうまく再生されない。
 たぶん、データ量が大きすぎて光ケーブルでは転送速度が追い付かないのだろう。
 この方法にも限界があったのだ。
 もう1つ限界が見つかった。
 PCM音声は正常に再生されるが、DTSやドルビー音声はアンプの側が非対応になってしまう。
 ブルーレイオーディオにもいろんな種類がある。
 PCM音声があれば再生可能だが、DTS音声しか収録されていない場合は、再生できなくなる。
 私が持っている「ドボルザーク交響曲全集」「シベリウス交響曲全集」は再生不可。
 1枚のブルーレイに長時間の音声を記録するために、圧縮率の高いDTSしか収録できなかったのだろう。

 課題は残ったが、ひとまずハイレゾ音楽を楽しめる環境ができた。
 ブルーレイオーディオは、需要が少ないためにソフトも限られている。
 新しいディスクも開発されていないようだ。
 現在売られているディスクが売り切れ次第、廃盤となりそうな気配だ。
 アマゾンでは、ブルーレイオーディオが大幅ディスカウントで売られている。
 最後の在庫一掃セールをやっているかのようだ。
 中には売り切れ作品もちらほら。
 慌てて、残りのブルーレイを買いあさる。

 これからは、ディスクを購入するのではなく、音声ファイルをダウンロードするスタイルが普通になるのか。
 
 
 
 
posted by 平野喜久 at 18:59| 愛知 ☁| Comment(0) | クラシック音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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