2018年04月09日

山陰地方に「ひずみ集中帯」か

 本日1:32、島根県西部でM5.8の地震が発生した。
 最大震度5強というやや大きい地震だった。
 山陰地方はもともと地震の少ない地域と見られており、地震発生確率でも常に低い値が出ていた。
 しかし、予想発生確率が低いということは地震が起きないということと同義ではない。
 過去の記録をさかのぼってみると、大災害をもたらすような深刻な地震はめったに起きないが、中程度の地震は頻繁に起きている。
 
2000年10月6日 M7.3 最大震度6強(鳥取県西部地震)
2000年10月8日 M5.6 最大震度5強
2002年9月16日 M5.5 最大震度5強
2011年6月4日 M5.2 最大震度4
2016年10月21日 M6.6 最大震度6弱
2018年4月9日 M6.1 最大震度5強

 山陰地方は目立った活断層は存在しない。
 なのに時々地震が発生するのは、陸側のひずみがこの地域に集中するためではないかと見られている。
 西日本は陸側のユーラシアプレートの上に乗っている。
 海側からフィリピン海プレートがぶつかり、北西方向へぐいぐい押されている。
 そのひずみが内陸で蓄積すると、時々内陸型の地震を引き起こす。
 そのひずみが山陰地方に集中しているのだ。
 1か所のひずみが地震によって解放されると、次に隣り合った別の場所にひずみが移動する。
 するとその別の場所で地震が起きる。
 こうしてひずみの場所が移動していくので、この地域の地震は1度起きると、一定期間連続することが多いという。
 今回の地震もしばらくは警戒した方がよさそうだ。
 
 869年に貞観地震という東日本大震災と同じ規模の地震が東北地方で起きていた。
 その直後に肥後地震が起きている。
 肥後は今の熊本だ。
 そして、その11年後の880年、出雲地震が起きた。
 不気味に今と同じパターンをトレースしている。
 そして、出雲地震の7年後に仁和地震が起きている。
 仁和地震は今でいう南海トラフ地震のことだ。
 南海トラフ地震は過去に何度も起きているが、その発生前には内陸で中程度の地震が起き始めることがあるらしい。
 陸側プレートのひずみがたまってくると、内陸の弱いところが破壊し始めるためだろう。
 いずれにしても、陸側プレートのひずみが蓄積し続けていることは間違いなく、それがいつか一気に解放されるときがくる。
 それが今一番警戒されている南海トラフ巨大地震だ。
 

posted by 平野喜久 at 18:13| 愛知 ☁| Comment(0) | リスクマネジメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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