2020年03月04日

新型肺炎:いまがなぜ一番大事なのか

 専門家会議が「この1〜2週間が瀬戸際だ」と声明を発してから1週間が経過した。
 小中高校の一斉休校が始まり、各種イベントの自粛、縮小が実行されるようになった。
 動きは、スポーツの無観客試合、集会の中止、美術館などの施設の閉鎖など、広範囲に及んでいる。
 街中に人出が少なくなってきた。
 レストランも混んでいない。
 観光地は明らかに人が減った。
 交通機関も心なしか混雑が緩和されているように感じる。

 全校一斉休校の措置は、「唐突すぎる」「科学的根拠がない」「現場の混乱を無視している」と批判が噴出したが、どうやら、いい効果が出ているようだ。
 もう1週間様子を見れば、その傾向ははっきりわかるようになるのではないだろうか。

 さて、2週間経過した時に、どうするのか。
 ただちに自粛解除で、通常通りの活動に戻れるのか。
 たぶん、そうならない。
 国内の感染拡大は緩やかながら進んでおり、いまよりも、感染者や死亡者は増えているだろう。
 感染者が増えていることをもって、「全校休校しても意味がなかった」などと批判の声が出ることを心配する。
 新型感染症対策のポイントは、感染拡大のスピードを緩やかにし、蔓延期のピークを低くすることにある。
 対策の成功は、感染拡大しないことではないし、死者が出ないことでもない。
 今回の対応の仕方が正しかったのか間違いだったのかの検証は、すべてが終わってからすべきであり、事態の進行中に良しあしを論じていても意味がない。
 むしろ、政府批判のための言動は、対策の効果を妨げかねず、害悪でしかない。

 この後、日本でも感染拡大は続く。
 いずれピークがやってくる。
 そのことは覚悟して準備していく必要がある。
 分からないのは、いつピークが来るのか、その時の山の高さはどの程度になっているのか、ということだ。
 分からないということは、逆に言うと、いまの対応次第で、十分変わり得るということでもある。
 だから、「この1〜2週間が瀬戸際だ」ということなのだ。

 問題は、3月の後半からどうするのかということだ。
 まだまだ感染拡大は継続している。 
 いきなり警戒を解くわけにはいかない。
 では、いまの警戒態勢をそのまま更に2週間延長するのか。
 すると、活動自粛に伴う弊害が看過できなくなる。
 たぶん、警戒は怠らないようにしながら、日常の活動は極力維持するという方向に切り替えていくことになるだろう。
 そのうち、有効な治療方法が開発され、医療体制も整い、重症患者の受け入れ態勢ができあがってくる。
 そうなれば、社会の不安感が一気に解消に向かう。
 そのうち、通常の感染症と同じように日常の中に紛れていき、話題が遠のいていく。
 WHOの終息宣言が出るのは1〜2年後になるだろうが、日本での脅威は早々になくなっていくかもしれない。

 その前に、私たちは必ずやってくるピークを乗り越えなければならない。
 少しでもピークを遅らせ、少しでも高さを低くするために、いまが一番大事な時期だということをあらためて認識する必要がある。

 
posted by 平野喜久 at 21:10| 愛知 ☔| Comment(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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