スギ薬局が謝罪文を公開した。
「会長杉浦広一および相談役昭子へのコロナワクチンの優先的接種を西尾市様に依頼したことにつきまして、ワクチン接種をお待ちの西尾市の方々はじめ、全国の皆さまにとって不快な行為であったこと、日夜尽力されている全国の行政の方々の努力に水を差す結果となってしまったことに深くおわび申し上げます」
この後、背景事情の説明が続く。
その要旨は以下の通り。
・秘書が会長を慮って市役所に問い合わせを入れた。
・使命感ゆえ何度も問い合わせを繰り返した。
・会長自身はアナフィラキシーショックを経験しており、ワクチン接種は希望していない。
・今後はこのようなことがないようにする。
たぶん、全国報道でこのニュースが知られるところとなり、各方面からスギ薬局に批判が殺到したのだろう。
慌てて謝罪コメントを出した感じだ。
だが、謝罪文に続いて背景事情の説明がついているために、謝罪効果が減殺されてしまっている。
しかも、その背景事情も不自然さを感じさせる。
本人の意向を無視して、勝手にワクチン接種の優先枠を繰り返し要求する秘書の行動がまず不自然。
ワクチンが必要なら、既に本人が自分で予約を入れているかもしれないし、家族が代わりに予約をしているかもしれない。
それを確認せずに、秘書が勝手に市役所に強硬な働きかけを始めるなんてことは考えられない。
正規の手続きではなかなか予約が取れないために、会長から秘書に何らかの指示があったのは間違いない。
アナフィラキシーショックの経験があり、会長本人はワクチン接種をするつもりがなかったとは、無理な言い訳だ。
別の報道では、「会長夫妻には、接種会場に向かっている途中に連絡を取って引き返してもらった」との西尾市側の説明があった。
結局、会長の名誉を守るための無理なコメントになってしまっている。
会社の気遣いが会長に向いており、消費者に向いていない。
この謝罪文の印象は非常に悪い。
少なくとも謝罪文は会長名で出すべきであった。
謝罪文は一発でダメージ回復を狙わなくてはならない。
絶好のチャンスを逃し、事態を更に悪化させてしまった。
スギ薬局は株価を落とし、不買運動も引き起こしかねない事態に至っている。
2021年05月11日
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