イギリスのジョンソン首相は、オミクロン株に感染した患者の少なくとも1人が死亡したと発表した。
オミクロン株での死亡例は世界でも初めて。
イギリスのコロナ感染者数は1日52,000人に達しており、このうちの3分の1がオミクロン株の感染者だ。
今後、48時間以内に、オミクロン株が感染の主流になるだろうと見られている。
現在、入院患者は7,300人。
これが来年1月には45,000人レベルにまで達するという予測も出ている。
過去最大の入院者数は4万人弱だったので、それを超える入院患者になる。
ジョンソン首相は、「オミクロン株の症状がより軽いという考えはいったんわきに置き、感染が加速していることを認識すべき」と述べ、3回目のワクチン接種を急がせている。
アストラゼネカ製のワクチンは、オミクロン株への有効性は10%ほどしかないことが分かってきて、それも対策を急がせる要因になっている。
フランスも警戒を強めている。
イギリスで感染拡大が起きると、遅れてフランスでも感染の波が襲ってくるのが過去の経験則だからだ。
アルファ株は今年の1月にイギリスで流行したが、3月にフランスでも感染拡大。
デルタ株は6月にイギリス、7月にフランス、という具合。
1月にイギリスで最大の流行が起きるとすれば、やがてそれはフランスにも。
ヨーロッパ各国はクリスマス休暇を前に、ワクチンのブースター接種と行動制限の再開に舵を切った。
だが、国民の中にはこの政府の施策に反発する人たちも。
あちこちで、デモや抗議集会などが起きているらしい。
世界で自由主義と専制主義の対立が起きている中、自由主義社会における感染症対策の難しさが浮き彫りになっている。
2021年12月14日
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