2022年12月16日

後発地震注意情報の運用開始:北海道・三陸沖

 「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の運用が本日正午から始まる。
 北海道から岩手県にかけての沖合にある「千島海溝」と「日本海溝」でマグニチュード7クラスの地震が起きた場合に、国がその後の巨大地震の発生に注意を呼びかける仕組みだ。
 情報が発表された場合、北海道から関東にかけての7道県182の市町村では、1週間程度は日常の生活を維持しつつ、揺れを感じたら直ちに避難できるよう備えておくことなどが求められる。
 
 千島海溝と日本海溝は、巨大地震の発生リスクが高まっている。
 日本の巨大地震というと、まず南海トラフと首都直下が取り上げられるが、千島海溝の地震リスクが見過ごされがちだ。
 それで、今回の注意情報の運用開始となった。

 これはどういう仕組みかというと、千島海溝と日本海溝の震源エリアのどこかでマグニチュード7程度の地震が起きたときに、続いて規模の大きい地震発生の可能性を知らせ、注意喚起するものだ。
 これは、過去の経験則から導き出された。
 東日本大震災は、2011年3月11日に起きたが、実はその2日前に、同じ場所でマグニチュード7程度の地震が起きていたのだ。
 後で振り返ると、これが巨大地震の前震だったのだということが分かるが、この時にはわからない。
 津波も起きず、揺れによる直接被害もほとんどなく終わってしまったために、次の巨大地震を警戒する人もなく、注意喚起の情報も発信されなかった。
 この時、次の巨大地震の可能性を少しでも意識した行動がとれていたら、被害を少しでも軽減できていたのではないかとの反省がある。
 このように、巨大地震の前に中程度の地震が起きるという現象は、過去に何度も記録されている。
 それで、想定震源域で中程度の地震が起きたときには、次の巨大地震発生の前震の可能性があることを国民に知らせようということになったわけだ。

 かつては、大きな地震が起きたときは、「今後1週間程度は余震の可能性があります」との呼びかけが行われていた。
 余震は、本震よりも一回り小さい規模の地震だ。
 この呼びかけが、「もうこれより大きい地震は起きない」という奇妙な安心感を与えてしまい、国民に誤った判断をさせることになる。
 2016年の熊本地震では、4月14日の地震発生後、余震への警戒が呼びかけられたが、2日後に最大震度7の地震が発生した。
 2回目の地震はとても余震と言えるものではなく、同程度の地震が2回連続したものだった。
 それで、最近は地震が発生した時は、「今後1週間は、同程度かそれ以上の地震が起きる可能性があります」という言い方に変更されるようになった。

 後発地震注意情報は、当たる可能性は低い。
 中程度の地震が必ず次の巨大地震の引き金になるとは限らないからだ。
 むしろ、次の巨大地震につながらない可能性の方が圧倒的に高い。
 確実性の低い情報を流すことで、不必要に国民に不安を与えることになるのではという意見もある。
 だが、巨大地震のリスクが高まっているのが分かっていながら、そのことを国民に隠しておくということがあっていいのか、という意見が強い。
 それで、リスクが高まっていることをありのままに国民に伝え、それをどう判断しどう行動するかは、国民自身にゆだねようということになったわけだ。
posted by 平野喜久 at 12:15| 愛知 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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