厚生労働省による労働安全衛生法に基づく省令の改正により 、6月1日から企業の熱中症対策が義務化される。
従来は、「熱中症」という言葉のイメージから、「これは、個人の体質の問題であり、従業員が個々で気を付けるべき」と受け止められる傾向があったが、これからは認識を改める必要がある。
近年、夏場の猛暑がひどく、熱中症患者は増え続けている。
職場での熱中症死亡例も増加傾向にあり、その原因のほとんどは対処間違いや対処遅れによる。
こうなると、従業員が個々に気を付けているだけでは対処不能で、企業として対策を講じないと、救える命が救えなくなる。
熱中症リスクは、個人の体質の問題ではなく、自然災害の一種と捉えるべきだ。
個人の体質に関係なく、誰もがこのリスクに晒される時代がやってきている。
「自分は体力には自信があるから」というのは、あてにならない。
熱中症は生理現象により引き起こされる障害なので、猛暑の環境下にあれば、誰もがなりうる。
そして、熱中症死亡の原因のほとんどは対処間違いと対処遅れによる、ということを考えると、自分が気を付けているだけではダメで、周りの人も熱中症になった人を逸早く発見し、適切に判断し対処できる知識とスキルを身に着けておく必要がある。
更に、熱中症は職場だけで起きるわけではない。
プライベートでもいたるところに熱中症リスクはある。
夏場のハイキング、海水浴、花火大会、ヒトの密集したイベント、屋外のスポーツ観戦、大阪関西万博など。
このとき、自分が熱中症に気を付けるのは当たり前だが、同行している家族や友人にも気を付け、もしもの時は適切な対処で命を助けられるようにしておかなくてはならない。
これからの時代、すべての人に熱中症リスクの基礎知識が必須と言える。
熱中症は、異常な高温環境に長時間いることで、体温調節機能が失われ、体温が下がらなくなることで起きる障害だ。
意識障害まで至ると、死亡リスクが一気に高まり、一刻を争う事態となる。
対処間違いの典型例は、「体調が悪そうなので、日陰で休ませました」というものだ。
いつまでたっても戻ってこないので見に行ったら心肺停止だった、というようなケースがある。
この間違いは3つ。
1.救急隊を要請せず素人判断してしまったこと
2.急速に体温を下げる処置をしなかったこと
3.患者をひとりにしてしまったこと
熱中症の疑い患者は、少しでも早く体を冷やすことが求められる。
熱中症になる前段階では脱水状態に陥っていることが多いが、脱水状態の人を日陰で休ませただけでは体温は下がらない。
クーラーや扇風機で風を送ってもダメだ。
脱水状態にある人は、汗をかかなくなっているので、風を当てただけでは体温は下がらない。
しかも、表面体温が下がっただけではダメで、体の芯がしっかり冷えないと効果がない。
一番いいのは、上着を脱がせ、地面に寝かせて、下着の上から流水をかけ続けるという方法だ。
急速に冷却する。
これで、救急車が来るまでの時間稼ぎができる。
2025年05月14日
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