2022年03月27日

夫婦別姓の世論調査

 日本経済新聞の記事による。
 内閣府と法務省は25日、家族の法制度に関する世論調査の結果を発表した。
 夫婦が同姓か別姓かを選べる選択的夫婦別姓を「導入した方がよい」と答えた容認派は29%だった。
 夫婦同姓の制度を「維持したほうがよい」は27%だった。
 42%は夫婦同姓を維持したうえで「旧姓の通称使用の法制度を設けた方がよい」と回答した。
 調査方法と設問が異なり単純比較できないが、17年の前回調査は夫婦別姓のため「法律を改めてもかまわない」が43%、「法律を改める必要はない」が29%だった。

 この記事には誤りがある。
 17年の前回調査で、「法律を改めてもかまわない」は43%ではなく、24.4%だ。
 他の数字と取り違えたようだ。
 この記事は、共同通信を利用したようで、元記事が間違っているのだろう。
 同様に他の新聞記事でも間違ったまま報道されている。
 
 さて、今回の問題は、過去データの間違いではない。
 内閣府では数年ごとに夫婦別姓の世論調査をしているが、今回は、従来とは違う設問で実施したという。
 従来の質問では内容が理解しにくいためというのが理由だ。
 では、従来の質問ではどんな選択肢になっていたかというと、「法律を改めても構わない」「旧姓を通称として使えるように法改正しても構わない」「法律を改める必要はない」となっていた。
 前回17年の調査では、それぞれ、24.4%、42.5%、29.3%となっている。
 共同通信の記事は、通称使用の数字を別姓賛成の数字と勘違いして取り違えたのだ。

 従来の世論調査の特徴は、選択肢に「〜してもかまわない」という表現があることだ。
 普通の世論調査では、「〜すべき」「〜すべきではない」とか、「〜したほうがいい」「〜しないほうがいい」という表現になる。
 ところが、別姓の世論調査は、「〜してもかまわない」という奇妙な表現になっている。
 これには意図があって、別姓容認の世論を最大限にかき集めることを狙っているのだ。
 この形式の質問になったのは、1996年6月の世論調査からだ。
 それ以前は、単純に別姓に賛成か反対かを尋ねる形式だった。
 ところが、1994年に行った世論調査では、賛成が27.4%、反対が53.4%になってしまった。
 別姓に対する国民の理解は進んでおり、世論は変化している、というのが別姓推進派の主張だった。
 実態は、何度世論調査しても、一向に賛成が増える様子がない。
 むしろ、減少傾向さえ見えていた。
 そこで、1996年に、選択肢をがらりと変えて、世論調査をやり直したというわけだ。
 「〜してもかまわない」という表現を使い、数字をかさ上げしようとした。
 さらに、通称使用の法改正の項目も入れることで、「法改正への理解が進んだ」とぶち上げたのだ。
 結果は、賛成32.5%、通称使用22.5%、反対39.8%となった。
 賛成と通称使用を合わせて、「別姓容認派が半数を超えた」と法務省やマスコミはぶち上げた。
 ところが、通称使用の項目は、別姓導入に反対している人たちなのだから、別姓賛成が増えていることにならない。
 むしろ、反対派が過去最大の数字を記録してしまったことになる。
 
 その後も、数年ごとに同じ世論調査を続けているが、近年、また賛成派の数字が減少傾向を見せ始めていた。
 別姓推進派の主張は、「国民の理解は進んでおり、世論は常に変化している」というものだったはず。
 なのに、賛成派は一向に増える様子がないのだ。
 そこで、再び、法務省は質問形式を変更することを思いついた。
 質問形式を変えてしまっては、過去からの世論の変化が分からなくなってしまうのだが、むしろ、変化が分からなくしようとしているとしか思えない。
 本当の世論の変化を見ようとしているのではなく、選択肢をいじることで数字を変えてしまおうとしているのではないか。
 
 今回の質問形式は、従来の「〜してもかまわない」などという奇妙な表現ではなく、比較的素直な表現に置き換わっている。
 「選択的夫婦別姓を導入したほうがいい」という容認派が29%となった。
 現状維持が27%。
 通称使用が42%。
 なんのことはない。数字の配分としては、前回の世論調査とほぼ同じ。
 現状維持と通称使用を合わせると、69%となり、別姓反対派が圧倒的多数であることに変わりはない。
 
 夫婦別姓の導入は時間の問題だという人がいる。
 とんでもない。
 別姓賛成派は相変わらず少数派だし、時間とともに増加する様子もない。
 ただし、通称使用への理解は進んでいる。
 これが世論調査から見える実態なのだ。
 
 
 
 
posted by 平野喜久 at 20:32| 愛知 ☀| Comment(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年03月17日

有事のリーダー:ゼレンスキー大統領

 ウクライナのゼレンスキー大統領の評価が高まっている。
 コメディ俳優がドラマで大統領を演じたところ好評を得たので、そのまま実際の大統領選に出馬したところ、本当に当選してしまったという経歴を持つ。
 政治経験も行政経験もないまったくの素人。
 政権運営もうまくいかず、国民の支持率は20%程度で低迷していたという。
 海外からも、まったくの素人に政権を任せて大丈夫かという心配の声もあった。
 もしかしたら、プーチン氏が武力侵攻に踏み切ったのも、ゼレンスキー氏の無能を見込んでのことだったかもしれない。
 ところが、ロシアの軍事侵攻を契機に、様子が激変した。
 たちまち、国民の支持率が90%に跳ね上がったのだ。

 外敵の脅威が国民を結束させた面もあるが、国民を結束させたのは、明らかにゼレンスキー氏の姿勢だった。
 ロシアに対して毅然とした姿勢を見せ、無謀な侵略行為に断固戦う姿勢を明らかにした。
 この大統領の様子を見て国民の覚悟が決まったように見える。
 思いのほかウクライナ軍の抵抗が激しく、ロシアが攻めあぐねている背景にはこのような事情がある。

 ゼレンスキー氏は、国民向けにメッセージを発すると同時に、海外を意識した情報発信にも余念がない。
 イギリス議会やアメリカ議会でモニター越しの演説をこなした。
 イギリスでは、チャーチルの名言を引用したり、シェークスピアの一節に触れたりと、レトリックは抜群。
 そして、何より、その語りのうまさ。
 官僚の書いたメモを読み上げている政治家とは違う。
 自らの言葉で語りかけているのが分かる。
 ここは、俳優のスキルが全面に表れている場面だ。
 イギリス議会でもアメリカ議会でも、ゼレンスキー氏のスピーチの後は、スタンディングオベーションで喝采が鳴りやまない。
 それだけ、彼の語りには人の心を動かす力がある。
 ウクライナ側から、日本の議会でも演説をさせてほしいとの打診が来ているそうだ。
 前例のないことで戸惑っているようだが、ぜひ実現してほしい。

 「非常事態は、無能に見えた人物を有能にし、有能に見えた人物の無能を暴露する」という。
 ゼレンスキー氏は、まさに前者だ。
 
 
posted by 平野喜久 at 18:36| 愛知 ☁| Comment(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月24日

本社移転が加速

 本日付け産経新聞の報道による。
 東京都と大阪府で、企業が地方に本社を移す動きが加速している実態が、帝国データバンクの調査で明らかになったという。
 本社の転出数が転入数を上回る「転出超」の数が、令和3年、東京大阪で大幅に増加。
 新型コロナの影響が長引く中、本社機能や主要拠点を都市部へ集中させることの脆弱性が強く認識されるようになったからだ。
 テレワークによる在宅勤務も定着してきたことも背景にある。
 東京からは、神奈川、千葉、埼玉へ移転しているケースが多い。
 首都圏以外への移転先としては、大阪、茨城、北海道、福岡、宮城が増加している。
 一方、大阪からは、兵庫への移転が多いが、それ以上に東京への移転が上回る。
 これは、関西経済の地盤沈下が慢性化し、首都圏への脱出を図る企業が多いことを示しているようだ。

 東京への一極集中はずいぶん昔から問題視されてきた。
 人口過密、交通渋滞、地価高騰、災害時のリスクなど、一極集中の弊害は多い。
 特に、東京は災害リスクに最も脆弱な都市となっており、世界の主要都市の中でも常にトップクラスのランク付けになっている。
 首都直下地震、富士山噴火は、間近に迫っていると言われ、対策としては、首都機能の分散しかない。
 一部官庁を地方に移転する動きもあったが、例外的で本格的な動きにつながっていない。
 相変わらず、政治、行政、経済、文化の中心は東京でありつづけ、このことがさらに一極集中を加速させてきた。
 
 ところが、コロナリスクの中で、様子が変わってきた。
 人口過密の東京に本社機能を置いておくデメリットが、はっきり実感される事態が起きたからだ。
 しばらくはこの傾向が続くだろう。
 だが、この動きが定着することはないのではないか。
 テレワークによる在宅勤務の形態も、ずいぶん定着してきた感があるが、これも一時避難的に対応しているだけで、コロナ明けには元に戻るだろうと言われている。
 首都圏脱出が続くことで、都心のオフィス賃料が下落し、そのことで地方から都心への進出を試みる企業が増えてくる。
 賃料が元の水準に回復し、やがて従来と同じ状況で落ち着くことになる。
 それほど、東京はあらゆる面で便利なのだ。

 ところで、記事には出てきていないが、名古屋も大きな災害リスクにさらされている大都市だ。
 南海トラフ巨大地震の時には、最大震度7の揺れが予想されているし、津波も液状化も起きる。
 災害リスクに備えた移転を考えるのなら、名古屋に所在する企業は真っ先に脱出を検討しなければならないはず。
 
 
posted by 平野喜久 at 09:09| 愛知 ☁| Comment(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月10日

岸田総理の胆力が試されている

 岸田総理は9日、新型コロナウイルス「オミクロン株」の感染拡大を受けて、「まん延防止重点措置」の期限を13日に迎える東京都など13都県について、期限を3月6日まで延長する考えを表明した。
 政府は、緊急事態宣言は出さず、蔓延防止措置とワクチン接種で乗り切ろうとしているようだ。
 しかし、実質、蔓延防止措置が従来の緊急事態宣言と同じようなメッセージ性を持っており、どちらにしても同じことだ。
 これが緊急事態宣言に切り替わったとしても、対策内容は変わらない。
 どうも、政府の手詰まり感が強い。
 ワクチン接種を1日100万件に、とか、病床を1000床追加、とか、いろいろ手を打とうとしているが、実効性も怪しく、根本的な対策になっていない。
 あとは、蔓延防止措置の期間延長で国民に行動自粛を呼びかけるのが精一杯という印象だ。

オミクロンピークアウト.png

 1月初めに日本でもオミクロン株の感染拡大が始まった。
 現在までの感染拡大状況をグラフで見てみると、きれいな正弦曲線のようなラインを描いている。
 1月21日に多くの都府県で蔓延防止措置が始まったが、その効果がグラフのどこに出ているのか分からない。
 もしかしたら、このような宣言発出はほとんど効果が出ていないのではないか、ということは以前から指摘され続けてきた。
 緊急事態宣言を出した後、感染状況は下降線をだどっていることから、宣言発出の効果だと認識されたが、異論があった。
 過去のデータを分析すると、緊急事態宣言を発出した時には既にピークアウトした後で、宣言を出そうが出すまいが感染状況は収まっていたのではと分析する研究者もいるのだ。
 今回のオミクロン株の推移をみても同じ状況が推察できる。
 
 オミクロン株の感染状況のグラフがきれいな正弦曲線のラインを描いていることから、単純に数学的に解析可能な自然現象が起きているように見える。
 1月初めに感染拡大が始まったが、3週目ぐらいまで増加率が上昇傾向にあったが、途中で、増加率が低下し始める転換点が見える。
 1月3週目が増加率の転換点だった。
 これが分かると、ピークがいつか、ピーク時の感染規模、収束の時期が見える。
 転換点からピークまでは開始点から同じ時間がかかるから、2月2週目ぐらいがピークになりそう。
 そして、その時の感染者数は、転換点の時の2倍、つまり、10万人程度と予想がつく。
 さらに、オミクロン株の収束はピークに至った時間の倍かかるから、ピーク時から6週間後ということになる。
 そうすると、3月の下旬には収束に至ると見込みが立つ。

 ところが、政府の専門家会議では、「増加率が鈍化傾向がみられるものの、感染が高止まりし高値で横ばいになる可能性がある」との見解を示している。
 この専門家会議は、常に「大変だ、大変だ」と言い続けることしかしない。
 国民を安心させてしまうと、そのことで緊張感が緩み、感染を広げてしまうことを警戒しているかのようだ。
 政府も、専門家会議の見解をよりどころとして政策判断するので、どうしても慎重な対応にならざるを得ない。
 
 イギリス、フランス、ドイツなどヨーロッパでは、日本よりもひどい感染状況にあるが、制限解除に方向に向かっている。
 感染を抑えることよりも、社会活動を停滞させてしまうことの方が深刻だからだ。
 いい加減、日本も総理の決断で方針転換を行う時期に来ている。
 もちろん、オミクロン株の感染者はこれからも存在するが、それを恐れて、行動制限をかけ、イベントを中止し、学校や保育園を閉鎖するようなことをいつまでもやっているわけにいかない。
 感染者や濃厚接触者を隔離することの方を解除していくべきだ。
 そして、発症者や重傷者のケアに集中するように医療体制を切り替える。
 
 オミクロン株は、これまでのコロナウィルスとは様子が違う。
 感染力は強いが、発症しにくいし重症化しにくいという特徴がある。
 重傷者や死者を一定レベルに抑える体制ができれば、通常の風邪対策と同じ内容に切り替える時だ。
 そして、国民に「通常の社会活動に戻していこう」と呼びかけるべきだ。
 その切り替えができるのは、総理大臣しかないない。
 不確実性が高く、誰も確実なことを言える人はいない。
 専門家は責任を負うことができないので、無難な物言いしかできない。
 責任を負うことができるのは日本では唯一、総理大臣だ。
 ここで、総理の胆力が試されることになる。
 もちろん、ここで一気に制限解除したところ、結果として大失敗に至るということもあり得る。
 その時は、総理が責任をとればいいだけだ。
 総理は、責任を取ることができるからこそ、思い切った政策を実行できる。
 
 ところが、残念ながら岸田総理にはそのような胆力はありそうにない。
 
 

 
 
 
 
posted by 平野喜久 at 11:08| 愛知 ☔| Comment(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月31日

「医療介護BCP急務」いまごろ遅すぎないか

 本日付読売新聞による。
 「医療・介護「事業継続」策定遅れ BCP急務」
 オミクロン株の急拡大により、感染者や濃厚接触者が急増し、現場スタッフの欠勤者が相次ぎ、診療や介護の一部が停止する事態となっている。
 そこで、政府や専門家がBCPの早急な策定を求めているのだという。
 
 いまごろBCP? というのが率直な感想だ。
 新型コロナは2020年から始まっており、すでに3年目に入っている。
 オミクロン株の感染拡大が世界で過去最大のレベルに達してはいるが、ワクチン接種が進み、治療薬の確保されるようになってきており、重症化率は過去最低レベルのとどまっている。
 国によっては行動制限を全面解除の方針を打ち出しているところもあり、パンデミックとしては最終局面に入っている印象だが、今になってBCP策定とはどういうことか。
 BCPを策定など、2020年のうちに済ましてあるはずではなかったのか。
 私も、一般の中小企業を対象にパンデミックBCPのセミナーや策定支援を行ってきたが、いずれも20年の内で終わっており、いまごろ取り組んでいるところは存在しない。
 
 医療と介護ではパンデミックBCPが特に厳しく求められる業界だが、たぶん、コロナ禍が始まってから現場は目の前の対応に追われ、じっくりBCPを検討しているような余裕がないまま今に至っているのではないだろうか。
 2009年の新型インフルの時に、医療介護の業界で感染症対応のBCPの策定が促された。
 だが、ウィルスが弱毒性で、深刻な状況にならなかったために、BCPも話題にならずに終わってしまった。
 この時、次のパンデミックを想定してBCPの策定を進めていればよかったが、ことが終われば関心が遠のき、何の準備もできないまま新型コロナが始まってしまった。
 新型コロナが始まったのは2020年1月からだが、波状的に感染拡大が襲ってきて感染拡大期と小康期を繰り返してきた。
 常に多忙だったわけではなく、小康期の余裕があるときに十分BCP策定ができた。
 特に、第5波が収束してからは、ほとんど感染ゼロに違い小康状態で、第6波への準備が落ち着いてできる状態にあった。
 それでも、BCPの策定は進まず、第6波が急拡大し始めた今になって、「BCP急務」との声が出始めた。
 
 感染状況が深刻になると、「BCPを作らなければ」となり、感染状況が落ち着くと、BCPの関心が遠のく。
 これを繰り返しているだけだ。
 感染拡大が始まってから慌ててBCPを作り始めても遅い。
 泥棒を見て縄をなうようなものだからだ。
 2009年の時に次のパンデミックに備えておくべきだったし、それができていなかったとしても、コロナ禍の小康状態の時に次の波に備えてBCPを策定しておくべきだった。
 第6波を迎えて、医療介護の現場は緊張状態に置かれているが、スタッフの努力で何とか乗り越えていくだろう。
 すると、第6波が収まったところで、またBCPの関心は遠のいていくに違いない。
 
 小康状態になるとBCPの関心が薄れ、感染拡大になると多忙でBCPに取り組んでいる余裕がない。
 結局、いつまでたってもBCPの取り組みは始まらないということに。
 いまどの業種でもBCPの取り組みは進んでいるが、その中でも、医療福祉分野と宿泊飲食分野は特に策定率が低い業界だ。
 そのBCPに縁のない業界が、いまコロナリスクの直撃を受けているというわけだ。

 介護事業者については、今年度からBCP義務化になった。
 現在は努力義務にとどまっているが、令和6年度からは完全義務化に移行する。
 介護業界は、いざ災害に見舞われたときは、どこよりも業務の継続が強く求められるのに、BCPの取り組みが最も遅れている。
 その実態に国が危機感を覚えたために、このような措置に切り替えたのだろう。
 最近、介護事業者の話を伺う機会が増えたが、BCPどころか、基本的な防災対策すら何も考えられていない中小事業者があまりにも多いという印象だ。

 BCPの取り組みが最も進んでいる業界は製造業だ。
 その理由は、災害で直接被害を受ける可能性が高く、その被害も具体的にイメージしやすいこと。
 そして、取引先からBCPを求められるケースがあり、取引のためにBCPが必須となりつつあること、にある。
 その点、医療介護業界は、強力な取引先というものがない。
 お客様は、患者であり利用者だ。
 BCPがなければ、お客様を失うということは考えられない。
 BCPがあってもなくても変わらない。
 さらに、実際に大地震や大雨洪水に見舞われたとき、何がどのようになるのかは経験がなく、その時になってみないと具体的にイメージできない。
 であれば、BCPに取り組もうというインセンティブが働くわけがない。
 宿泊飲食業界でBCPが進まないのも同じ理由だろう。

 ところが、先日、あるホテルのウェブサイトで珍しいアピールを見つけた。
 なんと、そのホテルは、免振対策済みの建物だというのだ。
 つまり、地面と直接触れている部分がなく、緩衝材を介して地上に建っており、地震が起きたときにはその揺れが建物に伝わらない構造になっているという。
 庁舎のような公共施設で免振ビルは見たことがあったが、ホテルでもこのようなところが出てきたかと驚いた。
 地震の活動期に入った日本。
 今後は、ホテルもこのような視点で選ばれる時代になってくるのかもしれない。
posted by 平野喜久 at 20:42| 愛知 ☀| Comment(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月26日

エリザベス・ホームズ有罪判決

 セラノスの創業者、エリザベス・ホームズ。
 詐欺などの罪で起訴されていた彼女に対し、4件の訴因について陪審員団から有罪の評決が下された。
 セラノスというのは、たった1滴の血液であらゆる検査がその場でできることを謳って事業展開していたベンチャー企業だ。
 エリザベスはその創業者。
 わずか19歳での起業、しかも美形の白人女性ということで注目され、第2のスティーブジョブズとも言われていたという。
 ところが、彼女の行なっているビジネスには実体がなく、彼女の言葉に騙されて出資してしまった投資家やVCから訴えられていた。

 この壮大な詐欺事件の経緯は、書籍『シリコンバレー最大の捏造スキャンダル 全真相』に詳しい。
 このドキュメンタリーを読むと、当初から社内の開発現場から異論が相次いでいたようだ。
 たった1滴であらゆる血液検査ができるなど、どう考えても実現不可能だからだ。
 ところが、エリザベスはそれを認めず、なんとか実現せよと圧力をかけ続けた。
 反発するスタッフは解雇。
 強圧的な支配で会社を回していたようだ。
 どんなに圧力をかけても、物理的に不可能なものは実現できない。
 それでも、エリザベスは製薬会社や医療現場などに派手な売り込みをかけ、受注を取り付けてくる。
 メディアにも露出し、話題を喚起。
 黒のタートルネックのセータを着てジョブズの真似をした。
 ヘアスタイルもわざときっちり固めないラフはスタイルにこだわったようだ。
 最も奇妙なのは、彼女の異様に低いバリトンボイスと瞬きしない大きな瞳。
 ネット上の動画でこれは確認できる。
 確かに奇妙だ。
 たいていの人は彼女に会うと、この声と瞳に幻惑されてしまうようだ。
 アメリカでは声のトーンが低い人は、信頼と好印象を得られることから、弁護士や経営者などボイスコントロールをしている人がいる。
 彼女もその一人だ。
 瞬きしない大きな瞳も、相手の目を食い入るように見つめることで、自分が心理的に上位に立つ効果を狙ったものだろう。
 著名人の中にも彼女に心酔する人が現れ、それがまた広告効果を上げ、セラノスの評判はうなぎのぼり。
 しかし、理想の検査機は完成せず、ごまかしのデモンストレーションで顧客を欺くようになり、耐えられなくなった内部者の通報により、実態が白日の下に明らかとなる。

 彼女も当初は純粋に自分のビジネスアイデアを実現すべくビジネスを立ち上げた夢多きベンチャーであった。
 ところが、いち早く成功者になりたいという欲求のほうが強く、地道に足元を固めながらビジネスを進めていくことに無頓着だったようだ。
 事業の立ち上げ当初は、順調に進むことは稀で、あちこちで問題や不具合が発生するのが普通だ。
 こまごまとしたつまらないことで問題が起きる。
 それらを1つ1つクリアして少しずつビジネスが回り始める。
 ところが、シリコンバレーで華々しい成功を夢見る人は、このような地味なこまごまとしたことに興味がない。
 それで、いきなり大風呂敷を広げて注目だけ浴びようとしてしまう。
 「シリコンバレーで成功者になるためには、まずは成功者であるふりをしろ」と言われる。
 あのビルゲイツも、初めてIBMに売り込みをかけたとき、その時点で売れるソフトは何もできていなかったというのは、笑い話として伝えられている。
 エリザベスも、その成功の法則に則っただけかもしれない。
 ただ、彼女に運がなかったのは、肝心の検査機ができないために、最後まで偽装し続けることになってしまったことだろう。

 この詐欺事件、なぜこんなにも多くの人が騙されたのか。
 実は、医療の専門家の間では、たった1滴であらゆる血液検査なんて原理的に不可能であるのが常識として認識されていたという。
 では、なぜそれが公に指摘されなかったのか。
 それは、セラノスの血液検査の技術について論文が1つも出されていなかったからだ。
 論文がないと専門家は検証できない。
 検証できなければ、正しいとも誤りとも判定できない。
 それで、公に「これはインチキだ」と言うこともできなかったという。
 エリザベスは、セラノスの技術に疑問を呈した者に対しては、訴訟を仕掛け、黙らせるということまでしていた。
 それで、専門家としてこんなことはできるわけがないと思ったとしても、それを根拠なく公にできなかった。
 では、自分であらゆる可能性を想定して実験をし、どんな方法でも実現不可能であることを実証するか。
 時間と労力をかけて、得られる答えは、当たり前のことが証明できるだけ。
 多忙の研究者がこんなことに無駄な時間をかけられるわけがない。
 こうして、あやしい技術が検証もされずに一般に絶賛され続けるという現象が起きるというわけだ。
 
 この事件、キャラクターが魅力的なので、映画化の話が出ているという。
 ぜひ見てみない。
posted by 平野喜久 at 19:03| 愛知 ☀| Comment(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月16日

イギリスの感染拡大

 イギリスでも感染拡大が続いている。
 1日当たりの新規陽性者数が78,000人を超え、過去最大の感染状況にある。
 いま、デルタ株とオミクロン株の2つの感染が同時に起きているという。
 今後、感染拡大は継続し、1月から2月にピークを迎えるだろうと予想されている。
 ただ、重傷者は、過去の感染拡大期に比べると5分の1レベルに抑えられており、政府は再び行動制限をかける段階ではないとしている。
 
 イギリス国会では、政府の政策の失敗を追求し、ジョンソン首相は防戦に必死。
 「行動制限をかけろ」という意見に対しては、ワクチンの追加接種で対応すべきというのが政府の見解。
 ところが、ワクチンパス制度の導入法案が、与党が反対する中、野党側の賛成多数で可決されてしまった。
 7月以降、ワクチン接種が進んだ状況では行動制限をかけるべきではない、という見解の元、一貫して制限再開を拒否し続けているジョンソン首相。
 感染者数が過去最大のレベルに達すれば、重傷者や死者は確実に増加する。
 過去の感染拡大期に比べて実数は少なくなるが、着実に増加傾向にあるのを見ながら、ワクチン接種だけで乗り越えられるか。
 イギリスのケースは、いま行動制限を解除するとどうなるかを確かめる社会実験のようになっている。

posted by 平野喜久 at 10:01| 愛知 ☀| Comment(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月14日

イギリスのオミクロン株

 イギリスのジョンソン首相は、オミクロン株に感染した患者の少なくとも1人が死亡したと発表した。
 オミクロン株での死亡例は世界でも初めて。
 イギリスのコロナ感染者数は1日52,000人に達しており、このうちの3分の1がオミクロン株の感染者だ。
 今後、48時間以内に、オミクロン株が感染の主流になるだろうと見られている。
 現在、入院患者は7,300人。
 これが来年1月には45,000人レベルにまで達するという予測も出ている。
 過去最大の入院者数は4万人弱だったので、それを超える入院患者になる。
 ジョンソン首相は、「オミクロン株の症状がより軽いという考えはいったんわきに置き、感染が加速していることを認識すべき」と述べ、3回目のワクチン接種を急がせている。

 アストラゼネカ製のワクチンは、オミクロン株への有効性は10%ほどしかないことが分かってきて、それも対策を急がせる要因になっている。
 
 フランスも警戒を強めている。
 イギリスで感染拡大が起きると、遅れてフランスでも感染の波が襲ってくるのが過去の経験則だからだ。
 アルファ株は今年の1月にイギリスで流行したが、3月にフランスでも感染拡大。
 デルタ株は6月にイギリス、7月にフランス、という具合。
 1月にイギリスで最大の流行が起きるとすれば、やがてそれはフランスにも。

 ヨーロッパ各国はクリスマス休暇を前に、ワクチンのブースター接種と行動制限の再開に舵を切った。
 だが、国民の中にはこの政府の施策に反発する人たちも。
 あちこちで、デモや抗議集会などが起きているらしい。
 世界で自由主義と専制主義の対立が起きている中、自由主義社会における感染症対策の難しさが浮き彫りになっている。
posted by 平野喜久 at 08:37| 愛知 ☀| Comment(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月02日

オミクロン株:イギリスで市中感染か

 イギリスで新型コロナウイルスの「オミクロン株」による集団感染が、先月20日にすでに起きていた可能性がある。
 イギリス北部、スコットランドでは、これまで9人のオミクロン株への感染が確認されている。
 この9人全員について、最近の海外渡航歴がなく、先月20日に行われたイベントで集団感染した可能性があると発表された。
 南アフリカがオミクロン株の存在をWHOに報告したのは先月24日なので、イギリスではそれ以前から市中での感染が始まっていた可能性があることになる。
 
 同じような事例はオランダでも起きている。
 11月19日と23日に採取された2つの検体からオミクロン株が見つかった。
 そのうち、南アフリカへの渡航歴があったのは1人で、もう1人はオランダ国内で感染したとみられている。

 こうなると、本当の資源値は南アフリカではないのかもしれない。
 たまたま南アフリカからの情報提供で事態が発覚したが、その前にすでにヨーロッパ各地でオミクロン株の市中感染が始まっていたのかもしれない。
 そうすると、いま入国制限をしていても既に手遅れということ。
 各国で見えない市中感染が広がっており、それが今後顕在化してくることになりそうだ。

 ただ、オミクロン株は感染力が高そうだが、重症化した事例は報告されていない。
 いまのところ死者はゼロ。
 毒性についてはそれほど深刻ではないのがせめてもの救い。
 一般に、ウィルスは変異を繰り返すことで感染力は高まるが、毒性は弱くなると言われている。
 いまのところ、その一般法則の通りの展開だ。
 気になるのは、2回のワクチン接種をした人が感染している点だ。
 ワクチンは、感染、発症、重症化の3段階の有効性で評価されるが、感染、発症が突破されても、重症化を防ぐことができれば十分な効果がある。
 しばらくは、ここに期待するしかない。

posted by 平野喜久 at 08:20| 愛知 ☀| Comment(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月01日

外国人入国全面停止

 日本政府は30日午前0時から全世界を対象に外国人の新規入国を停止した。
 オミクロン株の海外での感染拡大を受けて水際対策を強化した。
 対象国を限定して入国制限は他の国で行われているが、いきなり全面停止に踏み切ったのは珍しい。
 これまでの日本政府の対応は、「遅すぎ、緩すぎ」と言われてきたが、今度は「早すぎ、厳しすぎ」に切り替えた。
 オミクロン株については、特性は何もわかっていない。
 感染力は格段に強いと言われるが、感染者が見つかった国でも、僅か1例、2例であり、市中感染が始まっているところはない。
 震源地の南アフリカでもオミクロン株の感染は100例程度しか確認されておらず、感染爆発が起きている様子はない。
 毒性については、まったくわかっていない。
 いまのところ、感染者は軽症で済んでいるようで、深刻な状況にない。
 ワクチンが有効かどうかもメーカーが検証中。
 ただ、ウィルスのスパイクたんぱく質の部分で30か所もの変異が確認されており、従来のウィルス株とは全く違う特性があるのではないかと警戒されている。
 いままでなら、日本政府はまず様子を見ることを優先するところだが、今回だけは、何もわからないうちに最も強い策を打った。
 空振りになる恐れが大きいものの、その批判も覚悟の総理の決断だったのだろう。
 海外のニュースでも、日本の対応が取り上げられるほど、驚きをもって受け止められている。

 いまや世界中がオミクロン株について最大限の警戒をしている。
 イギリスは、7月以降、感染防止のための規制を全面解除してきたが、再規制の方向に舵を切った。
 公共交通機関や店舗内でのマスク着用を義務化。
 着用を怠った場合は、罰金として200ポンドが課せられるという。
 200ポンドは日本円で3万円ほど。
 ワクチン接種も、6か月経過から3回目を打てるように準備していたものを、3か月に前倒しして打てるように方針転換した。
 これは、アストラゼネカ製のワクチンの有効性が3か月で急減することが分かってきたためだろう。

 30日時点の各国の新規陽性者数。
 イギリス:3万9千、ドイツ:6万8千、フランス:4万4千、アメリカ:11万6千、イタリア:1万2千、オランダ:2万2千。
 韓国では5,120人と過去最大の感染状況にある。
 一方、日本の30日新規陽性者数は、132人だ。
 ワクチン接種が進んでいるにもかかわらず海外では過去最大の感染状況にある不思議。
 そして、日本だけは過去最少のレベルにとどまっている不思議。
 いまのところ、この謎を解明できる専門家はどこにもいない。


posted by 平野喜久 at 16:54| 愛知 ☁| Comment(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月29日

オミクロン株の拡大

 オミクロン株の世界的な拡散が続いている。
 現在、感染者が確認されている国は以下の通り。
 南アフリカ、ボツワナ、イギリス、オランダ、デンマーク、ドイツ、チェコ、ベルギー、イスラエル、イタリア、香港、オーストラリア、カナダ。
 速報では、フランスでも8例が確認された。
 いずれも空港検疫で見つかった事例で、件数も数例に限られている。
 市中感染にまでは至っていない。
 感染力が従来株よりも強そうだということはわかっているが、それ以外の特性は不明。
 
 南アフリカでは、ワクチン接種率が24%でとどまっている。
 ワクチンが確保できずに遅れているわけではなく、国民の間にネガティブな情報が拡散しているために、拒否する人が多いのだという。
 南アフリカでも7月8月でデルタ株が流行しており、冬季の終了とともにほとんど収束していた。
 そこに突然オミクロン株が出現し、感染再拡大が始まった。

 世界各国の対応は早かった。
 直ちに入国制限や空港検疫の強化が実施され、各国政府の緊張感が伝わってくる。
 ただ、これまで強力な行動制限により国民のフラストレーションが蓄積している中、再び制限強化ということになれば、世情不安を引き起こしかねない。
 国によっては、デモや暴動が起きているところもある。
 クリスマスシーズンを迎えるにあたり、どこまでの対応にするのかは、非常に難しい。

 現在、オミクロン株が感染拡大しているのは、南アフリカだけ。
 それも、確認されているのは77人。
 感染爆発を起こしているようには見えないし、重症者が急増して医療崩壊を起こしている様子もない。
 
 
 
posted by 平野喜久 at 09:03| 愛知 ☀| Comment(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月28日

オミクロン株の脅威

 南アフリカ発の新たな変異株ウィルスが世界を震撼させている。
 WHOは「オミクロン株」と名付け、警戒を呼び掛けている。
 オミクロンは、ギリシャ文字の15番目。
 イギリス発のアルファ株から始まって、様々な地域で変異株が出現し続けたが、ついに15番目にまで至っている。

 南アフリカではデルタ株が流行していたが、いつの間にかオミクロン株が主流になっていたという。
 オミクロン株の特性は正確にはわかっていないが、感染力だけは従来株に比べて格段に高そうだ。
 イギリスメディアの報道では、実行再生産数が2を記録している地域もあるらしく、感染力は過去の変異株の中で最大になりそうだ。
 香港では、ホテルで感染者の部屋の向かい側に入室していた人が感染する事例が確認されており、「ドアを開けた瞬間に廊下の空気が室内に入り、それで感染したのでは」とみられている。
 となると、空気感染が起きていることになり、事態は深刻だ。
 いままでは、飛沫感染か接触感染とみられていたが、空気感染となると一気にステージが変わってしまう。
 この変異株の出現のニュースは瞬く間に世界に拡散し、世界同時株安を引き起こしている。
 
 南アフリカ、ボツワナ、イスラエル、ベルギー、香港で感染者が確認されていたが、イギリスとドイツでも感染事例が確認されるようになってきた。
 イギリスはこれまで感染防止については全面解除の方針を貫いてきたが、ここにきて制限再強化の方向に舵を切った。
 レストランや公共交通機関ではマスクの着用を義務化、海外からの入国者にはPCR検査の義務付け、など。
 デルタ株の脅威が十分収まりきらない中で、オミクロン株の流入は去年の感染爆発を想起させ、緊張感が高まっている。
 
 日本では、デルタ株がほとんど収束状態にある。
 いわばウィルスの空席状態にあり、新たな変異株が流入した時には、一気に感染拡大を引き起こす恐れがあり、警戒されている。
 さらに、ワクチンがオミクロン株にどの程度有効かがわかっていない。
 一般論によれば、効力が多少落ちたとしても、一定の効果はあるだろうと予想されている。
 過去の経験から、ヨーロッパで流行した後に1〜2か月遅れで日本にも変異株の感染拡大が始まる。
 今後のヨーロッパでの感染状況から目が離せない。
posted by 平野喜久 at 10:04| 愛知 ☀| Comment(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月26日

第6波の予測

 26日付産経新聞による。
 名古屋工業大学の平田晃正教授のチームの試算によると、1日当たりの新規感染者数は12月中旬以降に徐々に増え、東京大阪とも来年1月中旬にピークを迎える見込みだという。
 ただ、ピークでも東京は約370人、大阪は140人程度にとどまる予測になっている。
 この予測は、人流やワクチンの効果などを基に人工知能を使って試算しTEいる。

 第6波は1月中旬をピークにやってきそう。
 ただしその規模は、第5波の20分の1程度にとどまりそう。
 これが予測の結論。
 この程度の波であれば、季節性のインフルエンザの感染状況より穏やかな状態だ。
 本当にこのレベルでやり過ごせるのであれば、緊急事態宣言は出さずに済みそうだし、行動制限や飲食店の時間短縮やイベントの人数制限も必要なさそうだ。

 一方で、外国では過去最大の感染状況を更新し続けている国がある。
 ドイツ、オーストリア、オランダ、韓国など。
 クリスマスシーズンを前に緊張感が高まっており、再び強力な行動制限に舵を切り始めている。
 3回目のワクチン接種も急がれている。
 フランスでは、2回目接種後5か月から3回目を接種できるようにし、7か月目までに3回目を接種しない場合は、ワクチンパスを無効にするという方針を打ち出した。
 この冬のさらなる感染爆発を恐れて、3回目を国民に強力にすすめようとしている。

 


 
posted by 平野喜久 at 17:27| 愛知 ☀| Comment(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月25日

ドイツの感染拡大

 ドイツでも過去最大の感染状況を迎えている。
 23日の時点で新規陽性者は63,000人を超えた。
 一時はヨーロッパの防疫優等国と言われたドイツだが、ここにきて様子が違う。
 ワクチン接種は67.5%にとどまっており、進んでいない。
 しかも、当初はアストラゼネカを使用していたが、血栓ができやすいという副反応の異常性に気づき、中年若年層への接種を急遽停止した。
 なので、高齢者ほどアストラゼネカの割合が高くなっている。
 アストラゼネカ製ワクチンの有効性に限界があるために、感染拡大が起きているのではないかという仮説が、ここでも当てはまる。

 ドイツでは再び強力な行動制限を課すようになった。
 3G政策と言って、国民の行動には3つの条件が課せている。

1.ワクチン接種済(接種後2週間以上経過していること)
2.コロナ罹患歴(罹患後半年以内であること)
3.検査陰性証明(過去24時間以内の検査による)

 この3つのいずれかに当てはまらなければ、レストランやイベント会場はもちろん、職場にも入れない。
 そのために、検査場では陰性証明を得るための行列ができている。
 陰性証明がないと職場に行けないからだ。
 さらに、公共交通機関もこの3Gが求められる。
 電車の中で抜き打ちでチェックがあり、証明を提示できないか拒否した場合は、途中で強制的に下車させられる。
 日本ではとても考えられないことが行われている。
 ドイツのニュース番組では、これらのことが「あたりまえのこと」という感じで報じられているのが驚きだ。

 また、ドイツ国内で感染が拡大している地域に特徴があるという。
 ベルリンのフンボルト大学社会科学研究所のハイケ・クレーバー教授の今年3月に2万人以上を対象に行われた調査に基づく結果。
 「教育とワクチン拒否に著しい相関性がある。教育レベルが低いほど拒絶も高い。そしてワクチンを拒否する人はAfDへの投票率が高く、右翼思想である傾向が高い。加えて、政治や政府、メディア、ヘルスケアシステムへの信頼度が低い」
 AfDとは、ドイツの極右政党のこと。
 教育レベルが低いほど極右政党の投票率が高く、右翼思想であるほど政府やメディアへの信頼度が低いというのだ。
 日本でこんなことを学者が言ったら、袋叩きになりそうだ。
 だが、政府やメディアへの信頼度が低い人ほどワクチン拒否をする傾向があるというのは、どこの国でも起きている現象だろう。
 


 
posted by 平野喜久 at 12:10| 愛知 ☀| Comment(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

韓国の感染拡大

 韓国では23日の新規陽性者数が4100人を超えた。
 過去最大の感染状況を迎えている。
 重傷者も500人を超え、死者も増えている。
 入院できず自宅待機の感染者も増えており、医療逼迫が深刻だ。

 韓国のワクチン接種率は79.2%に達し、日本よりも高く、世界最高水準にある。
 にも拘わらず過去最大の感染状況に至っている。
 これがなかなか合理的な説明がつかない。

 韓国では、11月1日にいままでの制限を全面解除した。
 感染者数が完全に下がり切っていなかったが、日本が全面解除に踏み切ったのを見て、同調したようだ。
 感染が下がり切る前に解除したことが再拡大の温床となっている。
 そして、ワクチン接種が進んでいるものの、その内容は日本とずいぶん違う。
 アストラゼネカ製のワクチンが27%、ファイザー製が54%となっている。
 アストラゼネカ製はもともと有効率が70%とファイザーやモデルナと比べて低いうえに、抗体量の半減期が3か月と非常に短い。
 そのために、早期に接種した高齢者を中心にブレイクスルー感染が起きているのではないかとみられている。
 さらに、ワクチン接種方法も日本と違う。
 当初はワクチン確保が十分でなかったために、1回目の接種だけを優先して進めていったという。
 そのために2回目がかなり遅れた。
 1回目を6月に、2回目を9月にという感じだ。
 日本では、ファイザーについては3週間、モデルナについては4週間の間隔を律義に守って接種していたが、韓国では柔軟な対応だったようだ。
 これらの理由で、ワクチン効果を十分獲得できまま制限解除をしてしまった結果が今の感染拡大なのではないかと推測されている。

 このアストラゼネカを接種している国で感染拡大が起きているという現象は、ヨーロッパでも確認できる。
 イギリスをはじめ、アストラゼネカが入っている国では感染拡大が起きており、このワクチンの有効性に限界があるのではないかというのが1つの仮説だ。
 
posted by 平野喜久 at 11:40| 愛知 ☀| Comment(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月16日

新型コロナ3つの防波堤理論

 フランスのテレビ報道による。
 いまヨーロッパでは過去最大の感染拡大を起こしている国が散見される。
 ところが、すべての国が同じ状況ではなく、国によっては感染拡大を抑えられているところもある。
 2極分化している印象だ。
 その理由を、フランスのニュース番組で解説員が説明していた。

 いまフランスでは感染状況がひところと比べると落ち着いてきてはいるが、依然として1日1万人以上の感染者を出している。
 それでも政府が危機感を抱いていないのは、入院患者が過去7日間で6%増に抑えられているからだ。
 その理由は、フランスでは3つの防波堤が働いているからだという。
 1つは、ワクチン接種の進捗率。
 フランスでは接種率は77%に達しようとしており、周辺諸国の中ではかなり高い。
 2つ目は、予防措置のレベル。
 フランスでは、引き続き感染防止の措置がヨーロッパの中で比較的高いレベルで維持されている。
 3つ目は、罹患経験者の数。
 フランスでは、ここまでにコロナに罹患し回復した人が多く、その人たちは自然免疫を獲得している。
 これら3つの防波堤のおかげでフランスは重症患者を一定レベルに抑えることができているという解説だった。

 この理論は、ほかの国にも当てはめることができる。
 スペインでは、ワクチン接種率が82%と非常に高い。
 そのために、感染防止措置をかなり緩和していても、状況をコントロールできている。
 オランダでは、ワクチン接種率はフランスと同等なのに、感染防止措置を緩和してしまったために感染拡大が起きている。
 ギリシャは、感染防止措置は非常に厳しいのに、ワクチン接種率が66%と低く、そのために状況をコントロールするための防波堤が十分機能していない。
 ドイツやイギリスで感染拡大が収まらないのも、同じ理屈で説明できそうだ。

 この仮説を日本の状況に当てはめるとどうなるか。
 日本では、15日の新規陽性者数は79人。
 ヨーロッパの国々に比べると、桁が2つも3つも違う。
 ワクチン接種率は75%を超えた。
 スペインほどではないが、他の国に比べるとかなり高い。
 感染防止措置については、緊急事態宣言中に比べると緩和されてきているが、人々の基本的な感染防止行動は変わっていない。
 街中を行き来する人はみなマスクをしている。
 施設や店舗に入る際には、アルコール消毒をするようになっている。
 ソーシャルディスタンスは今でも気遣われている。
 1つめと2つめの防波堤は十分だ。
 ただ3つ目の防波堤、罹患経験者の数はヨーロッパの国々に比べると圧倒的に少ない。
 すると、日本では1つ目と2つ目の防波堤だけで、ほとんど収束レベルにまで抑え込むことができているということになる。
 この仮説で、各国の感染状況の違いをある程度は説明できそうで、興味深い考え方だ。
 だが、日本だけが極端に低いレベルに抑え込まれている理由は、これだけでは足りなそうだ。
 
 政府は、3回目のワクチン接種を8か月から前倒しして、6か月で摂取できるように準備を進めているようだ。
 医療関係者の接種を12月から始めるという。
 この冬を万全の態勢で乗り切りたいからだろう。
 日本政府はまだまだ警戒感を緩めていない。
 国民の感情も同じだろう。
 もうひと冬を我慢してやり過ごし、何事もなく春を迎えることができれば、成功ということになる。
 政府は、このような見通しや、今回のワクチン措置の狙いなどを国民に伝えればいいのに、それをしない。
 前政権も、説明不足が指摘されていた。
 それは総理の口下手のせいだといわれていたが、新総理になっても状況は同じだ。
 
 
posted by 平野喜久 at 09:31| 愛知 ☀| Comment(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月15日

コロナ給付金は迅速給付を優先せよ

 いま政府は0〜18歳の子どもがいる世帯に10万円相当を支給するほか、住民税非課税世帯に10万円を支給する政策を検討している。
 だが、これが国民にまことに評判が悪い。
 収入の減っていない人やもともと高額の収入のある人にはコロナ給付金はいらない。
 そのような人たちを対象から外そうとすると、どこで線引きをするのかが大問題になる。
 必ずぎりぎりでもらえなくなる人が出てくるからだ。

 コロナ給付金は、コロナによる思わぬ収入減で生活に支障をきたしている人を救済するのが目的。
 ということは、生活保護受給者にはコロナ給付金はいらないということになる。
 年金生活者も同じ。
 公務員もコロナで収入が減っていない。
 このような人たちを対象から外せという意見もある。
 理屈としてはその通りだ。

 すると、民間企業に勤めている人の中にもコロナで収入の減っていない人は多い。
 中にはコロナのおかげで会社が空前の売上を達成し、多額のボーナスを支給されている人もいる。
 そのような人も対象から外すべき。
 一方で、コロナで本業の収入が減ったものの、副業を頑張って収入を維持している人もいる。
 この人は給付の対象外になって、副業を頑張ったために給付金をもらい損ねる。

 このように、具体的な検討をすれば、不毛な損得議論が展開されるだけだ。
 国民全員の合意を得られるような線引きを模索していたら、いつまでたっても実行されない。

 これは恒久的な生活支援策ではなく、緊急措置的な救済策なので、迅速性が求められる。
 条件を付けずに、全国民一律10万円の給付で直ちに実行する、これでいいのではないか。
 「濫救を恐れて、漏救を招くなかれ」
 緊急時の支援策はなによりも迅速性が求められる。
posted by 平野喜久 at 12:40| 愛知 ☀| Comment(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

再びヨーロッパが感染拡大の震源地に

 オランダの11日の新規感染者数が16,000人を超え、過去最大規模になっている。
 ワクチン接種率は85%に達している。
 従来、専門家の見解では、80%を超えれば集団免疫状態に至り、感染は終息すると言われていた。
 オランダでは、とっくに集団免疫状態に至っていてもいいのに、感染拡大が止まらない。
 政府は9月末に社会的距離(ソーシャルディスタンス)規則を撤廃したが、その後に感染が再拡大したため、先週に感染抑制策の再導入を決定。
 店舗でのマスク着用を再び義務化し、ワクチン接種を証明する「コロナパス」の提示が必要な範囲を拡大した。

 いつのまにか集団免疫ということを言う専門家はいなくなった。
 ヨーロッパの様子を見ると、ワクチン接種を進めても感染拡大は収まらないことが分かったからだ。
 ただ、ワクチンには重症化を抑える効果ははっきり認められる。
 感染拡大が続いている国でも、重傷患者は一定数に抑えられているようだ。
 その点、同じ感染拡大でも、去年とはまったく様子が違う。
 
 日本では、1日の新規陽性者数は200人前後に落ち着いている。
 これは、国際的な視点で見ると驚異的な少なさで、日本はほとんど収束に至っているように見える。
 政府は、ワクチン接種の効果との見方を示しているが、ヨーロッパの様子を見るとそれは怪しい。
 日本ではこのまま次の冬をやり過ごすことができればと期待するが、たぶん無理だろう。
 この冬で第6波がやってくる。
 今度はどの程度の波になるかはまったく予測不能。
 各自治体では、第5波と同程度の波が来ても対応できるだけの医療体制を準備している。
 少々の感染拡大がみられても、緊急事態宣言を出さずにやり切れるかどうか。
 総理の胆力があれば持ちこたえられる。
 これで、春以降の体制が決まる。
 新年度は、アフターコロナの体制でスタートしたい。
posted by 平野喜久 at 12:09| 愛知 ☀| Comment(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月11日

ドイツの感染者数過去最大

 ドイツの保健当局は11日、新たに5万196人の新型コロナウイルス感染者が確認されたと発表した。
 これは1日の感染者数としては、過去最大だ。
 ワクチン接種が進んでいる今になって、過去最大の感染者数を出しているのが驚きだ。
 ドイツでは感染防止策は解除の方向だったが、今月に入り感染拡大を受けて、再び感染防止策を強める方向にあるようだ。
 マスコミでは、過去最大の感染状況がトップニュースになっているが、国民の意識はまったくかけ離れていて、コロナなんか気にしない雰囲気にあるらしい。
 ドイツのワクチン接種完了は66.66%になっている。
 国民の3分の2だ。
 ワクチン効果か、感染拡大が続いてはいるが、重症者や死亡者は一定レベルに抑えられているようだ。
 それで、国民は騒いでいないのかもしれない。
 
 いまや日本のワクチン接種率は74.68%にまで達している。
 これは先進国の中ではトップだ。
 日本に続いて、イタリア、フランス、イギリス、ドイツ、アメリカとなる。
 なんと、接種率が悪くなるほど、感染者数が多くなっている。

 日本の1日の感染者数は200人前後で、これは他の先進国に比べると、100分の1〜200分の1のレベルで、ほとんどゼロに近い。
 「なぜ日本だけ?」という疑問がここでも持ち上がる。
 この謎は分からないまま。
 もしかしたら、ここに新型コロナの本質があるかもしれないのだが、結論が出ない。

 欧米の感染拡大の状況を見て、日本でも油断すると同じ状況に陥る可能性を指摘する専門家もいる。
 このような指摘は去年にも見られた。
 欧米で感染爆発が起きているとき、「いまのニューヨークは2週間後の東京だ」などと警告とも脅しともとれるアドバイスをする専門家がいた。
 だが、そのアドバイスはことごとく的外れだった。
 今回も、同じ状況が再来しているのではないか。
 
 これだけ感染状況が収まってきているのにも関わらず、日本国民は全員マスクをしている。
 街中で、電車の中で、マスクをしていない人は一人もいない。
 これほど徹底している国はほかにない。
 国が強制しているわけでもないし、法律で縛られているわけでもない。
 国や自治体がマスク着用を呼び掛けてさえいない。
 それでも、全国民が自主的にマスクを着用しているのだ。
 日本が他の国と違うとしたら、この国民性だろう。
 やはり、ファクターXは日本人の国民性にあったということか。

 この冬の第6波が警戒されているが、日本ではそれほど深刻な状況にはなりそうにない。
 というのは、日本人の警戒感がなかなか緩まないからだ。
 ある程度の行動の自由は確保できるようになる。
 飲食の自由化やイベントの開催などは従来通りに戻っていくし、旅行客も戻ってくるが、マスク着用は続くだろう。
 手指の消毒も続く。
 年末年始だからといって、従来通りの大宴会や懇親会は行なわれない。
 そして、なにごともなく冬を乗り切って春を迎えたとき、いよいよマスクなしの生活に戻れる。
 これが希望的観測だ。


posted by 平野喜久 at 21:49| 愛知 ☔| Comment(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

漏救を招くなかれ

 コロナ関連の経済対策として、給付金構想が次々に明らかになってきている。
 18歳以下の子供への10万円給付、困窮学生への10万円給付、マイナポイント2万円付与。
 この経済対策の効果と意義については、議論が多い。
 どんな支援制度でも付きまとうのは、不公平感だ。
 対象を限定すれば、必ず給付対象から外れる人が出てくる。
 所得制限を設けた場合、ボーダーライン前後では僅かな違いで、給付金満額かゼロかに分かれ、極端な違いになる。
 前回の給付金では、この不公平感をなくすために(そして迅速給付のために)、全国民に一律10万円給付となった。
 国民は、経済対策の効果の有無や給付金の多寡よりも、不公平感に敏感だ。

 政府は、事業者へ持続化給付金の支援も検討している。
 新型コロナウイルス禍の影響で売り上げが減少した企業に対し、事業規模に応じて最大250万円を支給するというもの。
 前回の持続化給付金は最大200万円だったが、それが250万円になった。
 適応条件も、売上減少50%以上から30%以上に変更される。
 一方、個人事業主については、前回は最大100万円だったものが、50万円になる。
 (この個人事業主の支援額が減らされたのは、前回個人事業主を装った不正受給が横行したことの反省か)
 これはまだ検討段階で、具体的にどのようなスキームになるのかは不明。
 これも受給資格をどのように条件設定するかで不公平感が生じる。

 緊急事態宣言発出中は、営業自粛に協力する飲食店に対して給付金(協力金)が出された。
 これについても常に不公平感が指摘されていた。
 1日数万円の給付金ではまったく経営支援にならないと嘆く経営者がいる一方、零細飲食店の中には、普段の売上よりも多くの給付金を手に入れるケースもあったらしい。

 このように緊急時の給付金については、不公平感は免れない。
 不公平感のない仕組みを作ろうとすれば、時間がかかり手間がかかりコストがかかる。
 結局、そんな支援ならやらないほうがまし、となりかねない。
 
 緊急時の経済支援については、第1優先は迅速性だ。
 本当に困っている人に一刻も早く支援を届けること、これが求められる。
 そして第2優先は、十分な支援規模。
 わずかな支援では、手間とコストをかけただけで、困窮者の助けにならない。
 最悪の支援策は、「少なすぎ遅すぎ」だ。
 
 「濫救を恐れて漏救を招くなかれ」という言葉がある。
 これは、緊急時の支援策を実施するときの鉄則だ。
 「濫救」とは、野放図にカネをばらまいてしまうこと。
 「漏救」とは、本当に必要な人に支援が届かないこと。
 不必要な人にまで給付金が配られないようにするには、条件を厳しく設定し選別をしっかり行わなくてはならない。
 しかし、条件を厳しくすると、必ずその対象から外れてしまう人が出てくる。
 条件が厳しすぎるために、本当に困窮している人に支援が届かないとすると、この支援策の意味はない。
 それで、「少々無駄なバラマキになってしまったとしても、本当に困っている人にしっかり支援が届くことを優先しよう」という戒めとしてこの言葉がある。
posted by 平野喜久 at 09:28| 愛知 ☁| Comment(0) | 世事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。