ハイレゾ音楽を楽しむメディアとして、ブルーレイオーディオがある。
24bit,96kHzで音声が記録されており、高解像度のピュアな音質を堪能できる。
CDが16bit,44.1kHzなので、それよりもはるかに解像度が高い。
CDでも十分高音質だと思っていたが、ハイレゾはその上を行く。
その音質の良さを実感したのは、CD店の視聴コーナーだった。
カラヤンの「惑星」。
1970年のアナログ録音。
この演奏は既にCDを持っているし、何度も聴いている。
だが、その音楽の透明感に驚いた。
ハイレゾを追い求める取り組みが始まったのは、この時だ。
ブルーレイプレーヤーに入れて、音声をアンプに入力して、ハイレゾ対応のヘッドホンで鑑賞する。
確かに、CDよりも高音質だが、視聴コーナーで実感した音質と違う。
ヘッドホンは、視聴コーナーで使われていたものよりも格段に高級なものだ。
ならば、プレーヤーがだめなのか、アンプが貧弱なのか。
光デジタルで音声情報をアンプに入力できれば、音質の劣化が防げるはず。
早速、光デジタル入力のついたものに買い替え。
だが、ぱっとしない。
音質は悪くはないが、抜けるような透明感というところまでいかない。
ふと見ると、アンプの液晶の表示に「PCM48kHz」とある。
なんと、96kHzの音源であるはずが、アンプには48kHzしか送られていなかったのだ。
ブルーレイプレーヤーの問題に違いない。
新しいブルーレイプレーヤーを購入。
この新しいプレーヤーのカタログには、96kHz,192kHzにも対応とある。
今度こそ本来のハイレゾが味わえるはず。
だが、このプレーヤーでも「PCM48kHz」との表示。
どうなっているのか。
取説をよく読むと、「著作権保護の作品は48kHzに変換して出力します」と書いてある。
ということは、一般に売られているブルーレイ作品は、ハイレゾで出力できないということではないか。
では、ブルーレイオーディオはどのように楽しめばいいのだろう。
調べてみると、光デジタル出力では著作権保護のために制限がかけられるが、HDMIの方には、本来のハイレゾ音声がそのまま送られているのだという。
ならば、HDMIに送られた音声情報を抜き出すことができれば、問題は解決する。
その方法が見つかった。
HDMI切替器を使えば、映像情報と音声情報を分離して、取り出せそうだ。
HDMI切替器は様々な機種があってどれが目的を果たせるものか分からない。
とにかく、一番高価なものを選んで購入。
この切替器を通して分離した音声を光デジタルでアンプに入力した。
すると、表示が「PCM96kHz」となった。
プレーヤーにブルーレイを入れ、プレーボタンを押す。
すると、あの透明感のあるハイレゾ音声が再生された。
これほどややこしい仕掛けをしないと、ハイレゾを楽しめないとは……。
ブルーレイ―には96kHzとは別に、192kHzの音声も収録されている。
そちらに切り替えて再生すると、アンプ側は「PCM192kHz」の表示に。
ところが、この場合は、音がプチプチ途切れてうまく再生されない。
たぶん、データ量が大きすぎて光ケーブルでは転送速度が追い付かないのだろう。
この方法にも限界があったのだ。
もう1つ限界が見つかった。
PCM音声は正常に再生されるが、DTSやドルビー音声はアンプの側が非対応になってしまう。
ブルーレイオーディオにもいろんな種類がある。
PCM音声があれば再生可能だが、DTS音声しか収録されていない場合は、再生できなくなる。
私が持っている「ドボルザーク交響曲全集」「シベリウス交響曲全集」は再生不可。
1枚のブルーレイに長時間の音声を記録するために、圧縮率の高いDTSしか収録できなかったのだろう。
課題は残ったが、ひとまずハイレゾ音楽を楽しめる環境ができた。
ブルーレイオーディオは、需要が少ないためにソフトも限られている。
新しいディスクも開発されていないようだ。
現在売られているディスクが売り切れ次第、廃盤となりそうな気配だ。
アマゾンでは、ブルーレイオーディオが大幅ディスカウントで売られている。
最後の在庫一掃セールをやっているかのようだ。
中には売り切れ作品もちらほら。
慌てて、残りのブルーレイを買いあさる。
これからは、ディスクを購入するのではなく、音声ファイルをダウンロードするスタイルが普通になるのか。
2017年12月24日
2014年01月06日
ロジャー・ノリントン指揮:ノン・ビブラート奏法の不思議
ロジャー・ノリントン指揮の演奏を初めて聴いた。
ノリントン氏は、ノン・ビブラート奏法で有名。
つまり、弦楽器をビブラートをかけずに演奏させるのだ。
これは、ビブラート奏法は現代になって流行した演奏方法で、クラシックが作曲されたときには存在しなかったという解釈に基づいている。
なるほど、面白いこだわりだ。
ベートーベンの第5交響曲を聴いてみる。
第2バイオリンが右に位置する両翼配置。
コントラバスは、なんと、木管楽器の後ろ中央に位置する。
音響は?
全く違う響きに聞こえる。
弦楽器に音の揺れが全くない。
音がストレートに伸びている感じだ。
確かに、正確な音程でしっかり鳴っているという印象がある。
アンサンブルも和音も非常にきれいに澄んだ音に聞こえる。
ピュアサウンドとはこういうことかと納得。
弦のビブラート奏法は、独奏者の表現方法として始まったらしい。
それが、のちに、オーケストラでも採用されるようになり、いまでは、ビブラート奏法が当たり前になっている。
ビブラートとは、目的の音程を中心に音程をわずかに上下させ続ける奏法。
ということは、厳密にいうと、常に目的の音程とは外れた音を出し続けていることになる。
しかも、アンサンブルになると、個々の奏者のビブラートはランダムに揺れ続ける。
ということは、全体としては、完全なアンサンブルにならず、不協和音を出し続けていることになってしまう。
ピュアな音響にならないのだ。
ノリントン氏は、これが納得できないのだろう。
弦からビブラートを取り除いただけで、全く違う響きが現れる不思議。
第5交響曲は、耳なじんだ曲でありながら、非常に新鮮な感覚で聴くことができた。
ノリントン氏は、ノン・ビブラート奏法で有名。
つまり、弦楽器をビブラートをかけずに演奏させるのだ。
これは、ビブラート奏法は現代になって流行した演奏方法で、クラシックが作曲されたときには存在しなかったという解釈に基づいている。
なるほど、面白いこだわりだ。
ベートーベンの第5交響曲を聴いてみる。
第2バイオリンが右に位置する両翼配置。
コントラバスは、なんと、木管楽器の後ろ中央に位置する。
音響は?
全く違う響きに聞こえる。
弦楽器に音の揺れが全くない。
音がストレートに伸びている感じだ。
確かに、正確な音程でしっかり鳴っているという印象がある。
アンサンブルも和音も非常にきれいに澄んだ音に聞こえる。
ピュアサウンドとはこういうことかと納得。
弦のビブラート奏法は、独奏者の表現方法として始まったらしい。
それが、のちに、オーケストラでも採用されるようになり、いまでは、ビブラート奏法が当たり前になっている。
ビブラートとは、目的の音程を中心に音程をわずかに上下させ続ける奏法。
ということは、厳密にいうと、常に目的の音程とは外れた音を出し続けていることになる。
しかも、アンサンブルになると、個々の奏者のビブラートはランダムに揺れ続ける。
ということは、全体としては、完全なアンサンブルにならず、不協和音を出し続けていることになってしまう。
ピュアな音響にならないのだ。
ノリントン氏は、これが納得できないのだろう。
弦からビブラートを取り除いただけで、全く違う響きが現れる不思議。
第5交響曲は、耳なじんだ曲でありながら、非常に新鮮な感覚で聴くことができた。
2013年01月07日
インナーイヤーヘッドホンATH-CKS99
インナーイヤー型ヘッドホンを新調。
audio-technica SOLID BASS ATH-CKS99
店頭で約1万円。
これほど高価なヘッドホンは初めて。
音楽プレーヤーを持ち歩いて音楽を聴いているが、ヘッドホンの音質に不満があった。
家電量販店に行くと、様々なヘッドホンがあり、試聴できるようになっている。
自分の音楽プレーヤーにジャックをつなぐと、いつも聴いている音楽でヘッドホンの音質を確かめることができる。
試して分かったこと。
ヘッドホンによって音質が全く違うこと。
値段が高ければ音質がいいとは限らないこと。
聴く音楽によって音質特性は違ったものになるし、音の好みは人それぞれ。
実際に聴いてみないとヘッドホンは選べない。
従来は、値段の高さとパッケージに書いてある能書きを見比べて選ぶしかなかった。
でも、これは全く当てにならないことが分かった。
いままで購入したヘッドホンに満足したことがないのは、こういうことだったのだ。
今回は、慎重に聞き比べて選ぶことができた。
重低音がしっかり再生されて、しかも高音の伸びの良い機種を選ぶことができた。
1万円は今までのうち最高額のヘッドホンだが、相応の音質で納得。
audio-technica SOLID BASS ATH-CKS99
店頭で約1万円。
これほど高価なヘッドホンは初めて。
音楽プレーヤーを持ち歩いて音楽を聴いているが、ヘッドホンの音質に不満があった。
家電量販店に行くと、様々なヘッドホンがあり、試聴できるようになっている。
自分の音楽プレーヤーにジャックをつなぐと、いつも聴いている音楽でヘッドホンの音質を確かめることができる。
試して分かったこと。
ヘッドホンによって音質が全く違うこと。
値段が高ければ音質がいいとは限らないこと。
聴く音楽によって音質特性は違ったものになるし、音の好みは人それぞれ。
実際に聴いてみないとヘッドホンは選べない。
従来は、値段の高さとパッケージに書いてある能書きを見比べて選ぶしかなかった。
でも、これは全く当てにならないことが分かった。
いままで購入したヘッドホンに満足したことがないのは、こういうことだったのだ。
今回は、慎重に聞き比べて選ぶことができた。
重低音がしっかり再生されて、しかも高音の伸びの良い機種を選ぶことができた。
1万円は今までのうち最高額のヘッドホンだが、相応の音質で納得。
2012年10月10日
オーケストラの両翼配置
いま、オーケストラの両翼配置に凝っている。
両翼配置とは、第1バイオリンが舞台に向かって左側、第2バイオリンが右側に並ぶ。
チェロとコントラバスは中央寄りの左側、ビオラは中央右。
もともとの配列はこの並びが普通だった。
戦後になって、名物指揮者のストコフスキーが大胆に楽器の配列を変えて演奏するようになり、その1つが左から高音→低音と並ぶような現代の配列だった。
第1バイオリンと第2バイオリンは隣同士でいた方が音が合わせやすい。
それに、ステレオ初期の録音では、左から高音のバイオリン、右から低音のチェロ、コントラバスという極端に分離した音が出た方がステレオ効果を実感させやすかった。
このスタイルは、いつのまにか現代の主流になっていった。
ところが、作曲家が生きていた時代は両翼配置が当たり前だったはず。
ということは、作曲家は両翼配置を前提に曲作りをしているのではないか、という疑問が浮かぶ。
バイオリンが左右に分かれていることを想定して音響効果を狙った作曲をしていたとしても不思議ではない。
多くの指揮者は、ストコフスキースタイルの配置で演奏するが、時々、古典スタイルを堅持して両翼にこだわる人もいる。
クレンペラー、クーベリック、ムラビンスキー。
シノーポリのマーラー全集を持っているが、これも両翼配置だったということに最近気づいた。
最近のデジタル録音は昔のアナログ録音と違って、左右の分離を強調しないので、なかなか気づかないのだ。
そして、今日見つけたのが、イギリスの指揮者ボールト。
ボールトのCDは初めて買う。
レコード時代も買ったことがない。
彼も両翼配置の信奉者だったことを偶然知って、早速購入。
11枚CDボックス。
いま、ベートーベンの田園を聴きながらブログを書いている。
左右の分離がはっきり分かるアナログ録音。
第1バイオリンと第2バイオリンがきれいに左右に広がっている。
これを聴くと、ベートーベンは明らかに両翼配置の場合の音響効果を意識して作曲しているのが分かる。
第1バイオリンと第2バイオリンが掛け合いをする場面があるが、ここは両翼でないとその効果は分からない。
普通の録音では、左側にかたまったバイオリンが複雑に演奏しているのは分かるだけ。
平面的なべた塗りになっているという印象。
それが両翼になると、左右にくっきり分かれてたちまち音響が立体的になる。
「あぁ、この場面は、こういう構造になっていたのか」と驚く。
「ベートーベンは、この音響効果を表現したかったんだな」と感心することしきり。
田園交響曲など聴き慣れた曲のはずだが、新しい発見があって実に新鮮の感覚を味わえる。
第1と第2の区別を意識して曲作りをする作曲家の作品は、両翼配置で聴くべき。
聴き慣れた名曲が両翼配置だとどういう風になるのかが興味の対象。
それで、両翼配置のCDを探して買いあさっている最中。
ワーグナーも意識した作曲家らしい。
ボールトのボックスには、ワーグナーの作品がたくさん入っている。
これから聴くのが楽しみだ。
そういえば、プロコフィエフの「ピーターとオオカミ」を自分のシンセサイザーで演奏してCDに仕上げたことがあった。
その時、当然ながらバイオリンは両翼配置にした。
このCDは、日本語のナレーションつき。
オリジナルのシナリオとオリジナルの演奏で個性的な作品ができあがった。
ネット上で販売していたが、制作したCDを完売して、いま在庫がない。
両翼配置とは、第1バイオリンが舞台に向かって左側、第2バイオリンが右側に並ぶ。
チェロとコントラバスは中央寄りの左側、ビオラは中央右。
もともとの配列はこの並びが普通だった。
戦後になって、名物指揮者のストコフスキーが大胆に楽器の配列を変えて演奏するようになり、その1つが左から高音→低音と並ぶような現代の配列だった。
第1バイオリンと第2バイオリンは隣同士でいた方が音が合わせやすい。
それに、ステレオ初期の録音では、左から高音のバイオリン、右から低音のチェロ、コントラバスという極端に分離した音が出た方がステレオ効果を実感させやすかった。
このスタイルは、いつのまにか現代の主流になっていった。
ところが、作曲家が生きていた時代は両翼配置が当たり前だったはず。
ということは、作曲家は両翼配置を前提に曲作りをしているのではないか、という疑問が浮かぶ。
バイオリンが左右に分かれていることを想定して音響効果を狙った作曲をしていたとしても不思議ではない。
多くの指揮者は、ストコフスキースタイルの配置で演奏するが、時々、古典スタイルを堅持して両翼にこだわる人もいる。
クレンペラー、クーベリック、ムラビンスキー。
シノーポリのマーラー全集を持っているが、これも両翼配置だったということに最近気づいた。
最近のデジタル録音は昔のアナログ録音と違って、左右の分離を強調しないので、なかなか気づかないのだ。
そして、今日見つけたのが、イギリスの指揮者ボールト。
ボールトのCDは初めて買う。
レコード時代も買ったことがない。
彼も両翼配置の信奉者だったことを偶然知って、早速購入。
11枚CDボックス。
いま、ベートーベンの田園を聴きながらブログを書いている。
左右の分離がはっきり分かるアナログ録音。
第1バイオリンと第2バイオリンがきれいに左右に広がっている。
これを聴くと、ベートーベンは明らかに両翼配置の場合の音響効果を意識して作曲しているのが分かる。
第1バイオリンと第2バイオリンが掛け合いをする場面があるが、ここは両翼でないとその効果は分からない。
普通の録音では、左側にかたまったバイオリンが複雑に演奏しているのは分かるだけ。
平面的なべた塗りになっているという印象。
それが両翼になると、左右にくっきり分かれてたちまち音響が立体的になる。
「あぁ、この場面は、こういう構造になっていたのか」と驚く。
「ベートーベンは、この音響効果を表現したかったんだな」と感心することしきり。
田園交響曲など聴き慣れた曲のはずだが、新しい発見があって実に新鮮の感覚を味わえる。
第1と第2の区別を意識して曲作りをする作曲家の作品は、両翼配置で聴くべき。
聴き慣れた名曲が両翼配置だとどういう風になるのかが興味の対象。
それで、両翼配置のCDを探して買いあさっている最中。
ワーグナーも意識した作曲家らしい。
ボールトのボックスには、ワーグナーの作品がたくさん入っている。
これから聴くのが楽しみだ。
そういえば、プロコフィエフの「ピーターとオオカミ」を自分のシンセサイザーで演奏してCDに仕上げたことがあった。
その時、当然ながらバイオリンは両翼配置にした。
このCDは、日本語のナレーションつき。
オリジナルのシナリオとオリジナルの演奏で個性的な作品ができあがった。
ネット上で販売していたが、制作したCDを完売して、いま在庫がない。
2012年06月28日
「ショルティッシモ」ショルティ70年代アナログ録音全集
新しいCDボックスを購入。
その名も「Soltissimo2」。
ショルティの70年代に収録された録音の全集版。
53枚のCDと5枚のDVD。
これで、実売価格13,000円ほど。
最近、アナログ時代の録音資産をボックス企画で売り出す例が増えたが、これもその一つ。
レコードの時代は、新譜として2000円から3000円で売り出されていたものが、いまは、その10の1の単価で手に入る。
アナログ録音といっても、音質が劣るわけではない。
70年代は、すでにアナログ録音の技術はかなり成熟していて、まったく問題はない。
むしろ、最近のぼやけたデジタル録音よりも、くっきり明瞭な音づくりで、格段に聴きやすい。
昔のエンジニアの方が、最近のデジタル機器の性能に頼ってしまうエンジニアよりも、レベルが高かったのではないかと思わせる。
新たにオリジナル音源からリマスターされたCDなので、音質の改善も大きい。
すでに持っているCDもあるが、音の透明感が違う。
CDジャケットは、昔のレコード時代のジャケットを再現している。
ジャケットの裏の解説部分もそのまま再現。
見開き2つ折りのジャケットは、そのように再現されていて、マニア好み。
さらに、なんとCDはレコードのようにビニールの袋に入って、紙のジャケットにおさまっている。
むかし、レコードをジャケットから取り出すとき、傷をつけないように慎重に扱っていたころを思い出す。
この商品、レコード時代を懐かしむ客層をターゲットとしていることが分かる。
「ショルティッシモ2」となっている。、
第2弾ということは、第1弾があるはず。
でも、第1弾は見当たらない。
どうやら、第2弾が先に発売となったらしい。
韓国仕様なので、DVDの字幕などの文字表記はハングル。
解説書もハングル。
それに英訳と和訳がついている。
その名も「Soltissimo2」。
ショルティの70年代に収録された録音の全集版。
53枚のCDと5枚のDVD。
これで、実売価格13,000円ほど。
最近、アナログ時代の録音資産をボックス企画で売り出す例が増えたが、これもその一つ。
レコードの時代は、新譜として2000円から3000円で売り出されていたものが、いまは、その10の1の単価で手に入る。
アナログ録音といっても、音質が劣るわけではない。
70年代は、すでにアナログ録音の技術はかなり成熟していて、まったく問題はない。
むしろ、最近のぼやけたデジタル録音よりも、くっきり明瞭な音づくりで、格段に聴きやすい。
昔のエンジニアの方が、最近のデジタル機器の性能に頼ってしまうエンジニアよりも、レベルが高かったのではないかと思わせる。
新たにオリジナル音源からリマスターされたCDなので、音質の改善も大きい。
すでに持っているCDもあるが、音の透明感が違う。
CDジャケットは、昔のレコード時代のジャケットを再現している。
ジャケットの裏の解説部分もそのまま再現。
見開き2つ折りのジャケットは、そのように再現されていて、マニア好み。
さらに、なんとCDはレコードのようにビニールの袋に入って、紙のジャケットにおさまっている。
むかし、レコードをジャケットから取り出すとき、傷をつけないように慎重に扱っていたころを思い出す。
この商品、レコード時代を懐かしむ客層をターゲットとしていることが分かる。
「ショルティッシモ2」となっている。、
第2弾ということは、第1弾があるはず。
でも、第1弾は見当たらない。
どうやら、第2弾が先に発売となったらしい。
韓国仕様なので、DVDの字幕などの文字表記はハングル。
解説書もハングル。
それに英訳と和訳がついている。
2012年02月19日
オットー・クレンペラー:マーラー交響曲集
オットー・クレンペラーのマーラー交響曲集。
6枚CDで、なんとアマゾンで1742円。
http://www.amazon.co.jp/Mahler-Symphonies-Nos-Lied-Lieder/dp/B005EVV5GI/ref=sr_1_1?s=music&ie=UTF8&qid=1329605353&sr=1-1
フランスEMIレーベルの発売。
安く手に入るのは、円高の恩恵。
2番と7番が聴きたくて購入。
デジタルリマスターのおかげで、音質が非常にいい。
60年代の録音とは思えない新鮮さ。
テープのヒスノイズは、避けられない。
注目は、7番。
驚くほどの遅い演奏。
演奏時間は100分もある。
この曲は、たいていは70分から80分で演奏されるのが普通。
CD1枚に収まるケースが多い。
ところが、クレンペラーの演奏は、極端に遅い。
普通よりも20分から30分も演奏時間が長い。
終楽章は、極端な遅さに一瞬、何が始まったのかと驚かされた。
この7番は、分かりにくい交響曲として有名。
それを非常にゆっくり演奏することで、細かい動きまでくっきり丁寧に描いているという印象。
他の演奏に比べるとまったく違う印象を受ける。
ゆったりとマーラーを聴くには、このぐらいの遅さが気持ちいい。
クレンペラーの特徴のもう1つは、オーケストラ配置。
第2バイオリンが右側に来る両翼配置。
これが独特の雰囲気を出す。
作曲家が意識した音響空間を見事に再現している。
6枚CDで、なんとアマゾンで1742円。
http://www.amazon.co.jp/Mahler-Symphonies-Nos-Lied-Lieder/dp/B005EVV5GI/ref=sr_1_1?s=music&ie=UTF8&qid=1329605353&sr=1-1
フランスEMIレーベルの発売。
安く手に入るのは、円高の恩恵。
2番と7番が聴きたくて購入。
デジタルリマスターのおかげで、音質が非常にいい。
60年代の録音とは思えない新鮮さ。
テープのヒスノイズは、避けられない。
注目は、7番。
驚くほどの遅い演奏。
演奏時間は100分もある。
この曲は、たいていは70分から80分で演奏されるのが普通。
CD1枚に収まるケースが多い。
ところが、クレンペラーの演奏は、極端に遅い。
普通よりも20分から30分も演奏時間が長い。
終楽章は、極端な遅さに一瞬、何が始まったのかと驚かされた。
この7番は、分かりにくい交響曲として有名。
それを非常にゆっくり演奏することで、細かい動きまでくっきり丁寧に描いているという印象。
他の演奏に比べるとまったく違う印象を受ける。
ゆったりとマーラーを聴くには、このぐらいの遅さが気持ちいい。
クレンペラーの特徴のもう1つは、オーケストラ配置。
第2バイオリンが右側に来る両翼配置。
これが独特の雰囲気を出す。
作曲家が意識した音響空間を見事に再現している。
2011年03月24日
世界中のネットラジオ:クラシック音楽聴き放題
世界のネットラジオの紹介サイトを発見。
http://classical.morrie.biz/
クラシック音楽専門局の紹介だ。
世界中にいろんな専門局があることが分かる。
しかも、24時間、クラシック音楽だけを流し続けている。
BGMにぴったり。
昔は、ネットラジオは、通信速度が遅いために音質の悪さがネックだった。
せいぜい、AM放送程度の品質しかなかった。
だが、今では音質は格段に良くなった。
既にFM放送以上の品質があるのではないか。
いつの間にか、こんな環境になっていたのだ。
仕事をしながら聞き流すだけではもったいない。
大音量でじっくり鑑賞することができるほどの品質。
クラシック音楽は、国境がない。
世界中のラジオ局から、自分の好みに合ったチャンネルを選べる。
バロック中心の局、ピアノ曲だけの局、ライブ録音を中心に流す局、などなど。
内容も多彩。
ひたすら音楽を流し続けるだけで、余計なトークやニュースが入らないのもいい。
コマーシャルも入らない。
ときどき入るのは曲紹介のアナウンス。
ギリシャの放送局が、最も音質がいいというのが意外。
アクセス数が少ないため、高音質でも流せるのだそうだ。
ほとんどが無料放送というのも驚き。
これなら、有料の有線放送はいらない。
また1つ、インターネットの利用価値が増えた。
http://classical.morrie.biz/
クラシック音楽専門局の紹介だ。
世界中にいろんな専門局があることが分かる。
しかも、24時間、クラシック音楽だけを流し続けている。
BGMにぴったり。
昔は、ネットラジオは、通信速度が遅いために音質の悪さがネックだった。
せいぜい、AM放送程度の品質しかなかった。
だが、今では音質は格段に良くなった。
既にFM放送以上の品質があるのではないか。
いつの間にか、こんな環境になっていたのだ。
仕事をしながら聞き流すだけではもったいない。
大音量でじっくり鑑賞することができるほどの品質。
クラシック音楽は、国境がない。
世界中のラジオ局から、自分の好みに合ったチャンネルを選べる。
バロック中心の局、ピアノ曲だけの局、ライブ録音を中心に流す局、などなど。
内容も多彩。
ひたすら音楽を流し続けるだけで、余計なトークやニュースが入らないのもいい。
コマーシャルも入らない。
ときどき入るのは曲紹介のアナウンス。
ギリシャの放送局が、最も音質がいいというのが意外。
アクセス数が少ないため、高音質でも流せるのだそうだ。
ほとんどが無料放送というのも驚き。
これなら、有料の有線放送はいらない。
また1つ、インターネットの利用価値が増えた。
2010年04月09日
ギーレン:マーラー交響曲全集

ギーレン指揮マーラー交響曲全集。
13枚セットで、3990円。タワーレコードにて購入。
マーラー全集では驚異的な安さだ。
従来1万円以上で売られていたセットだが、大量仕入れで安くなったらしい。
値段の高さと内容の良さは比例しない。
録音はDDDの最新録音。
抜けるような透明感が心地いい。
従来はインバル盤が優秀録音の筆頭だったが、このギーレン盤は劣らない。
驚いたのは、オーケストラの配置だ。
第1バイオリンが左、第2バイオリンが右の両翼配置なのだ。
マーラーは、両翼配置を意識して作曲している。
従来の録音ではそれが実感できないのがもどかしかった。
それが実感できるのがうれしい。
ずっとこれを探していたが、思わぬところで手に入れることができた。
両翼配置は、響きが違う。
主旋律の左右の広がり感。
第1と第2の音の掛け合いによるダイナミックな躍動感。
従来の録音からは体験できない面白さを味わえる。
ヘッドホンで聞くとこれがよくわかる。
主旋律が左側に偏りがちな従来の配置は、むしろバランスが悪いのではないかと思えてくる。