2017年04月18日

『レジリエンス認証を取得しよう』出版:BCPノウハウ第3弾

 BCPノウハウ第3弾として『レジリエンス認証を取得しよう』をリリース。
 ただいま、アマゾンKindle版として販売中。
https://www.amazon.co.jp/dp/B06ZZB3DRK

 「レジリエンス認証」は、昨年度に始まったBCPの認証制度。
 日本で初めてのBCP認証制度として注目されているが、なにしろまだ始まったばかりで、情報が少ない。
 どんな制度なのか、どのようなメリットがあるのか、どのぐらい難しい認証なのか、など、分からないことが多い。
 内閣官房やレジリエンスジャパン協議会の公式ウェブサイトでは、表向きの情報は公開されているが、実際に申請する事業者側の立場に立った情報がない。
 その他のネット上を検索しても、レジリエンス認証の表面的な紹介文が見つかるだけで、ほとんど実践レベルの情報がない。
 そこで、この情報不足を補うために、今回の緊急出版を試みた。
 
 実際に、顧問企業のレジリエンス認証取得のお手伝いをさせていただいた過程で得られた知見をもとに、この制度のメリットや認証取得のためのノウハウを分かりやすくまとめている。
 現時点で、このレジリエンス認証に関する情報としては、質量ともに最も充実したコンテンツだという自信がある。
 レジリエンス認証は、今後、日本のデファクトスタンダードとなるべき認証制度だ。
 BCPに取り組んでいる方、レジリエンス認証に関心のある方には、ぜひお目通しいただきたい。


 
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2016年03月01日

改訂版リリース:「ケーススタディ『八甲田山死の彷徨』」

 「ケーススタディ『八甲田山死の彷徨』」の改訂版をリリース。

hakkounew5-2.jpg

 2013年に電子書籍の初版をリリースしてから、多くの方々にお読みいただいてきた。
 3年の間に、新たな知見が蓄積してきた。
 また、この間、八甲田山リーダーシップ研修を行なう中で、私自身も受講者の皆様から多くの気づきをいただいた。
 それらを電子書籍に反映させ得るため、このたび、内容を全面的にリニューアルすることとした。
 古くなった情報は最新の事例に置き換え、説明の不足する部分は加筆し、新たな論点は項目を増やして丁寧な説明を追加した。
 分量としては、1.5倍ぐらいになった。
 内容の充実度としても、1段階レベルアップしている。
 『八甲田山死の彷徨』にこれから読んでみようとする初心者の方はもちろん、今まで何度も読んできたベテランの方にも、十分な気づきを提供できるコンテンツに生まれ変わった。

 初版と改訂版との違いは次の通り。

 初版では、「ムービー・ガイド」というコーナーを設け、映画『八甲田山』を観るときの手助けになる豆知識を収録していたが、改訂版ではすべてカットした。
 その代り、『八甲田山死の彷徨』のケーススタディの方を充実させた。

 ケーススタディの前に序章を設けた。
 この序章では、なぜいま『八甲田山死の彷徨』なのかについて、詳説した。
 この小説を題材にしてケーススタディを行う意味づけをはっきりさせるためだ。
 特に、失敗事例から教訓を学ぶ意義と、後知恵の講釈を排除することの重要性をここでご理解いただくことに重点を置いた。

 第31連隊の成功事例の分析を充実させた。
 この小説は、第5連隊の失敗事例が主要テーマだが、それは、第31連隊の成功があったからこそその意味が際立つ。
 その成功要因もしっかり分析するとともに、徳島大尉の欠点にも敢えて言及してある。
 
 最後は、第5連隊の失敗要因の分析に一章を費やした。
 第5連隊の失敗要因はさまざまなものが考えられるが、その失敗の本質は何だったのかをここで見極めたい。
 
 今回のケーススタディは、少し趣向を凝らしてある。
 それは、ケーススタディ全体が、第5連隊の失敗の本質は何だったのかという謎解きになっている。
 ストーリーの進行に従ってケーススタディを進めるが、その都度、第5連隊の様々な失敗要因が出てくる。
 そこには、表面的な失敗要因もあれば、本質的な失敗要因もある。
 では、本当の失敗要因は何だったのか、というのがケーススタディ全体の大きなテーマになっている。
 これは、ちょうど、推理小説を読むときの謎解きに似ている。
 推理小説では、犯人は誰か、動機は何か、トリックはどうしたのかが謎解きのテーマだ。
 同じように、このケーススタディでは、本当の原因は何か、なぜそうなってしまったのか、そうならないためにはどうしたらよかったのか、が問われることになる。
 最後には、私なりの答えを用意している。
 読者の皆様にも謎解きに挑戦していただきながらケーススタディを進め、最後に答え合わせをしていただきたい。
posted by 平野喜久 at 08:06| 愛知 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 電子書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月26日

電子書籍の普及進まず

 MMD研究所のリリースによる。
 「2016年電子書籍および紙書籍に関する調査」
調査はインターネット調査で行われ、調査期間は2016年2月19日〜2月21日、有効回答数は2201人(20歳〜59歳の男女)。

「電子書籍の購読」についての質問では、現在利用している人は無料コンテンツで22.9%(昨年比0.5%アップ)、有料コンテンツでは16.5%(同0.7%ダウン)。
2015年と比べ、有料・無料問わずにほとんど普及が進んでいない。

「紙書籍での読書状況」については、紙書籍で読書している人は83.0%を記録。
また、紙と電子書籍の両方で読書している人に「紙と電子書籍の読書する割合」を聞いたところ、
紙書籍のほうが多いが54.0%、電子書籍のほうが多いが25.7%となった。

 数年前に、電子書籍元年と言われ、今後は読書環境に革命的な変化があるかもしれないと期待された。
 先行するアメリカの出版市場では、電子書籍の普及が進んでおり、日本もやがて追随するものと思われた。
 ところが、革命的な変化というほどのレベルには達していないのが実情だ。
 だが、無料コンテンツで22.9%、有料でも16.5%という普及率は、かなり高いという印象だ。
 インターネットによる調査で、対象にバイアスがかかっているのがその原因だろう。
 一般には、もっと普及率は低いということになる。
 
 私は、本を読もうとする場合は、まず電子書籍があるかどうかを確認する。
 あればすぐに購入、ダウンロード。
 ない場合は、やむを得ず、印刷書籍を購入ということになる。
 最近は、書店に出かけて、気になる本を見つけたら、その場でAmazonを検索。
 Kindle版があれば、そちらを購入し、ない場合は、やむを得ず書籍を購入するというパターンが多い。
 書店にしたら、迷惑な客だ。
 こういう客がいるから、出版社も電子書籍に本腰を入れられないのかもしれない。
 
 文庫本や新書は、電子書籍が売られているケースが増えてきた。
 印刷書籍よりも、少しだけ安いので、お得感がある。
 Kindle端末での読書に慣れたせいか、印刷書籍は却って扱いにくさを感じるようになってきた。
 印刷書籍は物理的な重さも邪魔くさい。
 持ち運びも面倒。
 保管も面倒。
 処分も面倒。
 それを考えるだけで本の購入をためらってしまう。
 
 印刷書籍の中には、わざと厚めの用紙に印刷してボリューム感を出しているものがある。
 ハードカバーで重厚感をだしているものも。
 無駄に重いし、無駄に場所を取って、いいところがない。
 資源の無駄遣いではないかとさえ思う。
 だが、印刷書籍は、この形や重さや見た目で売れ方が違うのだ。
 この重厚感を楽しみながら1枚ずつページをめくることに読書の喜びを感じる人もいるのかもしれない。

 私も現在、6冊の電子書籍をリリースしている。
 時々、お問い合わせをいただく。
「アマゾンであなたの電子書籍を見つけたが、本はどこで買えるのか」
 電子書籍を購入したことがない方がまだまだ多い。
 その場合は、「Amazonの電子書籍は、kindle端末がなくても、PCやスマホでもソフトをインストールすれば読むことができるんですよ」と丁寧に説明して差し上げる。
 先日は、こんな問い合わせも。
「あなたの本を会社で購入して社員に配りたいと思うが、どうしたらいいのか」
 ここに電子書籍の欠点があった。
 モノがないので、会社が一括購入して社員に配るということができないのだ。
 社員の方おひとりおひとりのスマホにダウンロードしていただくしかない旨をお伝えした。










 
 
posted by 平野喜久 at 18:42| 愛知 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 電子書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月11日

無料キャンペーンの実施:英語版電子ブック

 英語版電子ブックプロジェクト。
「Why She Couldn't Sell Her Matches」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00RDX7GM2/

 リリースして2週間。
 ほとんど反応がない。
 日本アマゾンで1件のダウンロードが確認されただけ。
 少々期待外れ。
 もちろん、リリース直後からバカ売れするとは思っていなかったが、何らかの反応があるだろうと思っていた。
 いままで、日本アマゾンで日本語の電子ブックを5冊リリースしたが、いずれもリリース直後からダウンロードがあった。
 電子ブック市場のでかいアメリカなら、もっと反応があるはず、と思ったが様子が違う。
 アメリカの電子ブック市場はあまりにも規模がでかすぎた。
 リリースしただけでは、大海に小石を放り投げた程度のインパクトしかないのだ。
 その小石は、放っておけば沈んでいくだけで、浮かび上がることはない。

 私の実感としては、アメリカの電子ブック市場は、日本の20〜30倍という感じだ。
 市場がでかい分、当然ながらライバルも多い。
 毎日膨大な数の新規リリースがある。
 日本アマゾンでは、リリース直後1か月程度は「新着」という赤いラベルがつく。
 リリース直後はよく目立つようになっている。
 ところが、アメリカアマゾンはそんな配慮はない。
 数が多すぎるからだろう。
 
 次の課題は、膨大な数のライバルの中でどのように目立つか、だ。
 2週間の時間を使って、プロモーションのための準備作業を行なった。
 まず、表紙画像を変更。
 アメリカアマゾンの電子ブック市場は、フィクションが圧倒的に多い。
 フィクションの場合、言葉でその価値を表現するのは難しい。
 表紙画像でイメージを伝えるしかない。
 それで表紙デザインの出来不出来が売り上げに直結する。
 そのために、表紙デザインは非常に凝ったものが多い。
 映画のパンフレットでは、と見まがうような完成度だ。
 それとは対照的に、ノンフィクションは表紙画像が地味だ。
 特にビジネス書は、非常にシンプル。
 デザイン性よりも、表題がしっかり読めることを優先している。
 
 「Why She Couldn't Sell Her Matches」の場合、フィクションの形をとったビジネス書だ。
 位置づけが非常に難しい。
 表題で内容を理解させると同時に、インパクトのあるデザインを模索した。
 よって、表題も変更。
 表題と副題を入れ替えたのだ。
 表題を読んだだけで具体的なイメージにつながるようにした。

 副題の最後に「(Business Case Study)」という補足ワードをつけた。
 これで、このブックの位置づけが明確になる。

 アマゾンのサイトに表示される解説文も作り直し。
 フィクションでありながらビジネス書という複雑な特徴。
 ブックの性質、目的、内容が分かりやすく、なおかつ、ネタバレにならない程度に。
 タグも使って、表示にメリハリをつけた。
 
 これらの準備は、来週仕掛けるプロモーションのため。
 KDPセレクトの無料キャンペーンを実施する。
 期間は、1月13日〜17日
 アマゾンでは、90日に5日間だけ、無料キャンペーンを実施できる。
 普段は無料販売はできない。
 ところが、この5日間だけは、無料販売ができる。
 無料販売期間に多くの読者にダウンロードしてもらい、読んでもらうことで、作品を知ってもらう。
 すると、読んだ人がレビューを書いてくれる。
 または、SNSを通して感想を書いてくれる。
 これでブックの露出が多くなり、キャンペーンが終わった後も、販売が継続する。
 販売は増えると、ランキングが上がり、目につくようになる。
 目につくようになると、更に売れるようになる。
 このような好循環を狙うわけだ。

 ところが、問題がある。
 アメリカAmazonは、無料キャンペーンだけでも毎日大量に実施されている。
 単に無料にしただけでは、人目につかない。
 せっかく無料にしたとしても、探してもらえなければ、意味がない。
 何の反応もなくキャンペーン期間を終わってしまう。
 そのために、アメリカでは、プロモーションのためのサービスがいくつも立ち上がっている。
 無料キャンペーンの電子ブックを紹介するサイトだ。
 単に無料の電子ブックをリストアップするだけのサイトから、積極的に情報発信してプロモーションを仕掛けるサイトまで。
 無料サービスのものもあれば、有料のものもある。
 私も、無料キャンペーン実施に向けて、プロモーションサービスに登録することにした。
 無料のものから、有料のものまで。
 有料サービスは、安いものは5ドル。高いものは80ドル。
 無料のものは、掲載が保証されるわけではないし、掲載されたとしても、どの程度の効果があるかどうかは不明。
 有料のものは、掲載は保証される。
 更にメールマガジンやSNSなどを通して情報発信までしてくれるようだ。
 それでも、どこまでの効果があるかはよく分からない。
 
 これらのサイトを見ると、どうも対象はフィクションの電子ブックを想定しているようだ。
 フィクションの場合、キーワードの検索でブックを探してもらうことを期待するのは無理。
 とにかく露出して、表紙画像を見てもらうしかない。
 それだけに、このようなプロモーションサービスを利用せざるを得ないのだろう。
 ビジネス書の場合は、ある程度、表題で内容を示すことができるし、ターゲットも明確になる。
 キーワード検索でピックアップされる可能性は高い。
 だから、プロモーションサービスは、フィクションが主体で、ノンフィクションは少ない。
 ビジネス書については、ほとんど扱われていないようだ。
 私の本の場合、このプロモーションサービスを利用しても、対象が違うため、あまり効果は期待できないという不安はある。

 さて、今回の無料キャンペーンで、反応があるのか、ないのか。
 実験結果が見ものだ。 
 
 
 
 
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2014年12月28日

kindleブック表紙画像の改変:Amazon

 Amazon kindleで英語版の電子ブックをアップして3日。
 まだ何の実績もないが、1つ変化があった。
 アップしていた表紙画像がいつの間にか改変されていたのだ。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00RDX7GM2

 元の表紙画像は、同じ書籍が3冊平積みされたような画像をCGで作成た。
 他の表紙画像との違いを出すために、敢えてこのような画像にした。
 ところが、これが一番上の書籍だけ残して、あとは白色に切り取られた画像になっていた。
 もしかすると、3冊の書籍が平積みされている画像では、この電子ブックが3冊分の内容であるかのように錯覚させる恐れがあると判断し、Amazon側が修正したのだろう。
 出版者に何の連絡もない。
 画像に問題があるので修正せよとの連絡も、こちらで勝手に改変するので了承せよとの連絡もない。
 画像に問題があるのなら、その旨を連絡してくるものと思っていたが、まさか、Amazon側が勝手に問題ない画像に改変するとは思わなかった。

 画像処理は、1冊だけ残して後はきれいに削除してある。
 非常に丁寧に処理してある印象。
 こんな加工をするだけでも面倒な作業だ。
 こんなことをするぐらいなら、ダメ出しして突き返せばいいのにと思うが、Amazon側としては、世界中から大量の新規出版が押し寄せている中、個別の出版者とのやりとりをするのは、却って面倒なのだろう。
 いきなり出版拒絶するのではなく、何とか出版できる形に持っていこうという、これがAmazon流の気遣いなのかもしれない。
 また1つAmazonの新しい側面を発見。

 表紙画像を作り直して、改めてアップすることとしよう。

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2014年12月25日

電子ブック第6弾リリース:「The Little Match Girl Marketing」

 電子ブック第6弾がついにリリース。
 今回は、英語版のビジネス書だ。
 「クリスマスまでに」を目標に取り組んできたが、何とか間に合わせることができた。

http://www.amazon.com/dp/B00RDX7GM2
 
 アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、インド・・・
 世界中のアマゾンで販売開始となった。
 もちろん、英語圏以外でも販売されている。
 フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、メキシコ、ブラジル、オランダ・・・
 そして、当然、日本アマゾンでも。

 日本語の電子ブックの場合は、内容審査に時間がかかるが、英語の場合は、さすがに早い。
 申請からほんの数時間で販売開始となった。
 日本にいながら、世界中で本を売ることができる時代。
 さて、日本発の電子ブックがどこまで世界で通用するか。
 興味深い実験の始まりだ。

 日本アマゾンでは、リリース直後の電子ブックは「新着」の表示が出て、よく目立つ。
 だが、諸外国のアマゾンは、その表示がない。
 どういうこと?
 リリースしただけでは購入してもらえない。
 どのように注目してもらうか。
 プロモーションはこれからだ。

 
posted by 平野喜久 at 10:32| 愛知 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 電子書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月16日

表紙画像の作成:英語版電子ブックプロジェクト

 「なぜ少女のマッチは売れないのか」
 英語版電子ブックプロジェクトの進行状況。
 表紙画像が完成した。

matchcovercover9-2.jpg

 表紙画像といっても、電子ブックはリアルな書籍は存在しないので、実際に表紙を印刷するわけではない。
 だが、電子ブックの登録には表紙画像が必要になる。
 Amazonの販売サイトに表紙画像が表示されるが、その画像のために必要なのだ。

 この表紙画像の出来不出来が売上に大きく影響するらしい。
 日本Amazonでも、電子ブックの中に、文字だけでデザインされた、見るからに素人くさい表紙画像を見かけるようになったが、例外なくセルフパブリッシュの電子ブックだ。
 そのような電子ブックは、値段も安い。
 これでは、購入する気にならない。
 表紙画像のレベルが内容のレベルの低さを表している印象を受けるからだ。
 値段の安さは、お得感より、むしろ安っぽさを感じさせ、ますます読者を遠ざける。
 それだけに、表紙画像のイメージは、商品パッケージとして非常に重要なのだ。

 電子ブック用の表紙画像は、印刷用の表紙デザインではない。
 Amazonストアのアイコンのデザインをすると考えればいい。
 ということは、別に縦長の長方形である必要はないことになる。
 横長の長方形でも、正方形でもいい。
 もっと極端には、円形でも三角形でもいいのだ。
 アメリカAmazonでは、横長の長方形や正方形は見かけるようになってきている。
 さすがに、円形や三角形はない。
 正方形だと何がいいかというと、最も画像面積が大きく表示されることだ。
 PCモニターで書籍リストを表示した時、正方形の画像が最も大きく見える。
 このことが分かっている人は、正方形で表紙画像を作る。

 だが、問題もある。
 正方形だと、書籍の画像に見えない。
 まるでCDジャケットか、ゲームのパッケージの画像に見えてしまう。
 本といえば、縦長の長方形という先入観がある。
 それに反する画像は、とても本には見えないのだ。
 閲覧者に間違ったイメージを与えてしまいそうなのが欠点だ。

 更に、問題がある。
 スマートホン向けのストア画面だと、表紙画像の表示領域は縦長になってしまう。
 これは、無駄な表示領域を少しでも減らすためだ。
 すると、正方形の画像は、表示面積が小さくなってしまう。
 この場合は、普通の縦長の画像が最も大きく表示される。
 画像を大きく見せるために正方形にしたつもりが、正方形が一番小さく見えてしまうのだ。
 
 これは、困った。
 PC向けに正方形の画像にするか、スマホ向けの長方形の画像にするか。
 やむなく、横幅を広めにした縦長の長方形で画像を作成することとした。

 
 表示画像を目立たせる工夫は、これだけでは終わらない。
 アメリカ書籍の表紙画像を見ると、デザイン性の高いものはあまり見当たらない。
 特にビジネス書については、文字だけでデザインされているものが非常に多い。
 その方がスマートで知的に見えるのかもしれない。
 そのタブーを破って、敢えてイラストを前面に表示することとした。
 しかも、そのイラストは、完全に日本アニメ風の画風だ。
 アメリカの書籍で表紙にイラストのあるものもあるが、日本アニメ風のものは見当たらない。
 これなら、目立つことは間違いない。
 いまや、日本アニメは世界市場で受け入れられているので、英語圏の市場で拒否反応を受けることはないだろう。
 この日本アニメ風のイラストを使うことで、この電子ブックが日本発のコンテンツであることも表している。

 問題は、とてもビジネス書には見えないことだ。
 一見、子供向けの絵本に見えてしまう。
 その誤解は、表題でフォローする。
「The Little Match Girl Marketing」
 そもそも、これはカテゴリーとしてはビジネス書に分類されるが、普通のビジネス書とは全く違うのだから、一般のビジネス書らしく見える必要はない。
 むしろ、変なビジネス書と認識してもらいたい。
 「なに、これ」と目にとめてもらえれば十分。

 更に、目立つ工夫は続く。
 単に長方形の表示画像を作るだけで終わらない。
 それを、CGでリアルな印刷書籍を表現し、その画像を電子ブックの表紙画像に使うことにした。
 3冊の印刷書籍が積んであって、それを写真で撮ったような画像ができ上がる。
 これで、この画像は本の画像なんだということが一目で分かる。
 このような表紙画像を作っていることろは、いまのところ世界中でも見当たらない。
 いままで、日本で電子ブックを何冊かリリースしてきたが、すべて表紙画像は、このタイプのデザインだ。
 それが、どの程度売り上げに貢献したのかどうかは不明だが、Amazonストアの中でも存在感のある目立ち方をしているのは確かだ。
 これを、英語版の電子ブックにも適用しようというわけだ。

 CGの印刷書籍画像を使うのには、別の目的もある。
 もしも、この電子ブックが注目された時、人びとはブログやフェイスブックなどで紹介してくれる。
 その時に、表紙画像を貼ってくれるはずだ。
 CGの印刷書籍画像なら、これが本の紹介だということはすぐに分かってもらえる。
 これが、ただの長方形の画像だったら、Amazonストアなら本の画像だと分かるが、別のサイトで紹介されたときは、それが何の画像なのかはすぐに分からない。
 もっともっと話題になった時は、これが新聞や雑誌に取り上げられるかもしれない。
 その時にも、この表紙画像がそのまま使用してもらえる。
 もしかしたら、テレビでも紹介されるかも。
 そのために、画像の解像度はかなり高めてある。
 
 3冊の本が積んである背景色は黄味がかった山吹色にした。
 少女のスカーフが赤、人物背景が青、そして、画像の背景色が黄色。
 何度も色調を変えて、下品にならない色バランスに調整した。

 ところで、イラストは、マッチ売りの少女と聖ペテロが会話をしている場面を描いている。
 聖ペテロというのは、日本人にはなじみがないが、キリスト教圏の人びとには身近な存在だ。
 キリストの愛弟子で、天国の門番を仰せつかった聖人だ。
 だから、手には大きな鍵を持っているのが特徴。
 鍵を持った白髪の老人が描かれていれば、それは聖ペテロだとすぐに分かる。
 童話では、少女は天に昇っていくところで終わる。
 その天に昇って行った少女が、天国の入り口で聖ペテロに会うんだな、ということは、勘のいい人はすぐに分かるだろう。
 そして、表題は、「The Little Match Girl Marketing」となっているので、これがマーケティングの本だということが分かる。
 副題として、「Why she couldn't sell matches」とあるので、「どうしたらマッチが売れるようになるのか」ということがテーマになるんだな、ということも分かるという仕掛けだ。
 
 これらの狙いがどこまで通用するかは全く不明。
 すべてがうまく功を奏すれば、掛け算で大きな効果が表れる。
 だが、逆に作用した時は、掛け算でマイナス効果をもたらすかもしれない。
 まずは、大当たりを狙って、できることはすべて行い、最善の準備を進めよう。
 クリスマスまでにはリリースしたい。
  
 
posted by 平野喜久 at 23:07| 愛知 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 電子書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月14日

準備着々:英語版「なぜ少女のマッチは売れないのか」

 英語版「なぜ少女のマッチは売れないのか」の出版準備が着々と進んでいる。
 まず、英語の表題が決まった。

The Little Match Girl Marketing

 非常にシンプルだ。
 はじめは、日本語の表題を直訳したような英語タイトルを考えたが、長ったらしくなる。
 英語の本に長い表題は向かない。
 長いと、表紙が文字だらけになってしまうからだ。
 実際に売られている英語のビジネス書を見ると、いずれも表題はシンプルだ。
 数語の言葉で構成されるものが多い。
 それで、余分な単語を削って、どうしても必要なキーワードだけを残すことにした。
 それで、こんな表題になったというわけだ。
 これなら、マッチ売りの少女を題材にしたマーケティングの本だ、ということは分かるだろう。

 表題が決まったところで、表紙画像のデザインに取り掛かる。
 マッチ売りの少女と聖ペテロが会話しているシーンをイラストとして前面に出す。
 聖ペテロは白髪白鬚の男性で、手に大きな鍵を持っている。
 鍵を持っているのがポイントで、これだけで、キリスト教圏の人は、天国の門番をしている聖ペテロだと分かる。
 その聖ペテロとマッチ売りの少女が話している。
 このイラストを見れば、勘のいい人は、どういうことかが分かるだろう。
 マッチ売りの少女は、最後に天国に上っていった。
 そして、天国の入り口で聖ペテロに会い、話をすることになったのだろうと気づく。
 この本は、マッチ売りの少女の童話の続きから始まるのでは、と思わせる。
 ここまで分かれば、表紙の訴求力としては十分だ。
 
 イラストはプロに作画を依頼。
 日本アニメのようなイラストだが、これが海外でインパクトをもたらすのではと見込んでいる。
 英語のビジネス書でアニメ風のイラストを使っているケースはほとんどない。
 文字だけでデザインされているものが最も多い。
 イラストが挿入されている場合も、補助的に添えられているだけだし、そのイラストもラフなスケッチ画のレベル。
 私から見ると、英語ビジネス書のデザイン性はあまり高くない印象だ。
 その中にあって、日本アニメ風のイラストは目立つに違いない。
 日本アニメは、海外でも人気なので、違和感なく受け入れられるだろう。

 電子書籍の場合、実際に本を作るわけではないので、表紙画像といっても、実際に本の表紙になるわけではない。
 Amazonのストアで検索した時に、表示される画像を作っているということだ。
 そうなると、本の表紙らしさを求める必要はない。
 Amazonストアの中で、いかに目立つデザインにするかがポイントになる。
 ただいま、試行錯誤を繰り返して、ストア上で最も目立つデザインを模索中。

 
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2014年04月27日

電子ブック第4弾:「簡単モデルでBCPを作ろう」

bcpmodelbook0.jpg
 Kindle電子ブック第4弾をリリース。
 『簡単モデルでBCPを作ろう』
 「〜監修者が解説する『中小企業BCPモデル』の使い方とポイント」

 昨年、滋賀経済同友会が公開した「中小企業BCPモデル」の使い方を解説したガイドブックだ。
 このモデルは、滋賀経済同友会の危機管理研究会が、プロジェクトチームを作って完成させた傑作。
 実際の中小企業に使い勝手を確かめていただき、現場の知見をフィードバックさせて作りこんである。
 シンプルでわかりやすく、何より中小企業の知見が反映されているという点で、ほかにはない価値を持っている。
 世の中に出回っているBCPのお手本は、欧米のテキストを直訳したような日本の実情を無視したものか、大企業向けの大げさな内容になっており、中小企業には分かりにくくて使いにくい。
 これが、中小企業のBCP普及を妨げてきた。
 その反省から生まれたのが、この中小企業BCPモデルだ。

 滋賀経済同友会から、BCPモデルの策定について支援要請をいただき、プロジェクトに参画することになった。
 このプロジェクトの立ち上げから、グループワーキングのファシリテーター、BCPフォーマットの提案、中小企業情報の聞き取りと知見のフィードバック、BCPモデルの解説部分の執筆など、監修者として全面的にお手伝いさせていただいた。
 中小企業にとって、本当に使いやすいBCPモデルが出来上がったと自負している。
 
 今では、BCP策定支援をさせていただくときは、かならずこのBCPモデルを使うようにしている。
 わかりやすさと取り組みやすさという点で、大変な好評をいただいている。
 1年間、このモデルを使った支援をしてみて、その実効性を改めて実感しているところだ。

 今回の電子ブックは、このBCPモデルのガイドブックだ。
 各シートはどのように使うのか、その時のポイントは何か、注意事項は何か、というところを詳しく解説してある。
 このBCPモデルの中には、様々な工夫があり、様々な知恵が注ぎ込まれている。
 モデルが出来上がる経緯を承知している監修者でなければ分からないようなポイントがいくつかある。
 「なぜ、こんなことをしなければいけないのか」、「こうすることにどのような意味があるのか」、というような表面的には見えないところに意を注いで解説した。
 このガイドブックに沿ってBCPに取り組めば、間違いなく一通りの基本的なBCPを作ることができる。

 中小企業のBCP普及の一助になればうれしい。
posted by 平野喜久 at 23:44| 愛知 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 電子書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月07日

電子書籍サービス終了:ローソンのエルパカ

 ローソンの電子書籍サービス「エルパカBOOKS」がサービスを終了する。
 サービス終了後は、購入した書籍を読めなくなるという。
 ユーザーには、購入済み電子書籍代金相当の「Pontaポイント」を返金する。
 エルパカBOOKSは、2011年7月にスタートしたAndroidアプリ向け電子書籍サービス。
 1月16日に新規電子書籍の販売を終了し、2月24日にサービスを完全に終了する。

 2011年は電子書籍元年と言われた。
 さまざまな電子書籍端末が開発され、さまざまな電子書籍販売サイトが開設された。
 電子書籍の作成業者も乱立した。
 専門雑誌も発刊された。
 だが、方向感が定まらないまま、規格や販売サイトが乱立しすぎた。
 実績の挙げられないところから脱落していくのは目に見えていた。
 電子書籍のコンテンツ作成業者は次々に暖簾を降ろした。
 専門雑誌は1年もたたずに廃刊になった。 
 今回のエルパカのサービス終了も同じ流れの1例。

 目を引くのは、サービス終了後は購入した書籍が読めなくなってしまうというところ。
 データを端末に取り込まないクラウド型の電子書籍システムだったようだ。
 ダウンロード型では、データのコピーや転送が容易にできてしまうことを恐れ、クラウド型で始めたのだろう。
 読者よりも、出版社の方に気を使ったシステムだった。
 それで、サービス終了と同時に購入した書籍が読めなくなるという信じられないことになった。
 読者の利便性という視点が欠落したサービス。
 根本的な発想から間違っていた。
 これでは、電子書籍が普及するはずがない。
 
 出版業界の利権保護の視点からとらえると、電子書籍はまったく普及の余地はない。
 電子書籍が普及するかどうかは、読者主体のサービスを提供できるかどうかにかかっている。
 
posted by 平野喜久 at 19:40| 愛知 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | 電子書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月25日

販売再開「天使と悪魔のビジネス用語辞典」:キンドル版

tennakubana.JPG
 キンドル版電子書籍第3弾「天使と悪魔のビジネス用語辞典」、しばらく販売停止していたが、ようやく販売再開にこぎつけた。
 7月に一度販売開始したが、表示に不具合があった。
 少しレイアウトのデザインに凝りすぎた。
 そのため、表示端末によっては、レイアウトが崩れてしまうケースがあったのだ。
 電子書籍は、どんな端末で読まれるかわからない。
 特定の端末でしか正常に表示されないというのは問題だ。
 そこで、レイアウトをもっとシンプルに作り替えた。
 全面的に作り替えたので、時間がかかってしまった。
 
 電子書籍は、あまり凝った作りは必要ないようだ。
 本来は、電子書籍は印刷書籍にはない表現力があるはずだが、いまのところそれだけの環境が整っていない。
 それよりも、文章が読みやすいか、内容が充実しているか、ということの方が重要なのだろう。

 これで、キンドル版電子書籍は3種類そろった。
 それぞれ、カテゴリーが違う。
 対象読者も違う。
 試験的な試みはまだまだ続く。


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2013年07月09日

キンドルブック第3弾:「天使と悪魔のビジネス用語辞典」リリース

 キンドルブック第3弾『天使と悪魔のビジネス用語辞典』をリリース。
tennakubana.JPG

 電子化作業を進めていたが、ようやく完成。
 いままでで一番分量が多い。
 それだけに、手間がかかった。
 2004年に一般書籍として出版したものを2011年に電子化してAppleStoreからリリース。
 今回、Apple版からキンドル版に移籍。
 内容も加筆修正した。

 表示デザインや、本文レイアウトも全面更新。
 表紙デザインは、第1弾、第2弾に続いて、パターンが定着した。
 本が3冊積み上げられている3D写真を使っている。
 このデザインを見ただけで、私の電子書籍だということが一目で分かる。
 いまのところ類似のデザインは存在しない。
 アマゾンの一覧に並んだときの訴求力は抜群。
 
 書籍名には副題も登録した。
 「天使と悪魔のビジネス用語辞典〜世の中にあふれるビジネス用語をまじめに笑い飛ばそう〜」
 という長いタイトルになっている。
 これも、アマゾンの一覧に並んだときによく目立つようにするため。
 さて、これがどこまで効果を発揮するかは未知数。
 いろんなやり方を試すことができるのも、電子書籍のメリットだ。

 印刷書籍にすると、316ページに相当する分量になる。
 電子書籍としては内容が充実しすぎか。

 他の電子書籍を見ると、数十ページで1冊というものも少なくない。
 中には、1冊の本を章ごとに分割して、それぞれ1冊の電子書籍として販売しているケースもある。
 1冊当たりの単価が安いので買いやすいが、中身はスカスカだ。
 これが常識になると、「やはり電子書籍はダメだなぁ」という評価が定着してしまいそうで心配。 
 
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2013年05月22日

「ケーススタディ『八甲田山死の彷徨』」:リーダーシップ研修

 キンドル版電子ブック第2弾「ケーススタディ『八甲田山死の彷徨』」。
 販売開始、約2週間が経過した。
 販売実績レポートを見ると、日に日にカウント数が増えていく。
 順調な滑り出し。
 やはり、アマゾンの販促効果は大きい。
 このコンテンツは、古くなる題材ではないので、一時のベストセラーよりも、末永く利用されるロングセラーを目指したい。
 ロングセラーを目指せるのも、コスト負担のない電子ブックの強みだろう。

 このケーススタディの最大の特徴は、後知恵の講釈を排除したこと。
 八甲田山遭難事件については、いままでも社員研修のテーマとして取り上げられることがあった。
 ところが、この事件を取り上げるときに陥ってしまいがちな罠がある。
 それは、結果のすべてを知っている神の視点から当時の人びとの言動を評価してしまうことだ。
 たとえば、成功したリーダーは、「あれがよかった」「ここが優れていた」と、あらゆる言動がプラス評価される。
 一方、失敗したリーダーは、「あれがダメだった」「ここが間違っていた」と、あらゆる言動がマイナス評価だ。
 結果を知っている立場から過去を振り返れば、簡単に評価を下すことができる。
 これで、事例研究ができたつもりでいる人が多い。
 安直な研修講師が陥りがちな罠だ。

 だが、問題と答えを確認するだけの受験勉強のようなやり方では、本当の教訓は得られないだろう。
 なぜなら、事例に登場する人物たちを神の視点から見下ろすことになるので、すべて他人事のように見えてしまうからだ。
 だから、どんな失敗事例を見せられても、「バカな奴がいたもんだなぁ」という感想を持つだけで終わってしまう。
 これでは、本当の教訓を学ぶことはできない。

 成功事例を検証する場合は、次の点に注意しなければいけない。
1.どの時点の何が良かったのか
2.どうしてその正しい判断をすることができたのか
3.たまたま好条件が重なって失敗しなかっただけではないのか

 失敗事例を検証する場合は、次の点に注意しなければいけない。
1.どの時点で何がまちがっていたのか
2.間違わないためにはどう判断すれば良かったのか
3.その時、正しい意思決定ができる状態だったのか

 このような検証をすると、従来、単純に「これが間違い」「これが正解」と決めつけていたことが、必ずしもそうではないことに気づかされる。

 この八甲田山事件をリーダーシップの研修教材として扱うとき、後知恵による解説がいかに多いことか。
 私たちが神のような完璧な人間ではないのと同じように、当時の人びとも、不完全な人間だった。
 過去の事例を検証するときは、このとこに配慮しなければいけないだろう。
 「私たちが、当時の人びとと同じ立場に置かれていたら、正しく判断し、正しく行動できたか」
 ここに焦点を当てて検証しなければ、過去のせっかくの教訓が、教訓として活かされない。

 このケーススタディでは、この後知恵の講釈を排除することを第1とした。
 だから、今までによくある評論とはまったく違う内容になっている。
 山田少佐は必ずしも間違ってばかりではないし、神田大尉も無能な指揮官ではなかった。
 むしろ、私たちが同じ立場に置かれていたら、彼らと同じ行動を取っていたかもしれない。
 読者は、至る所で新たな発見と気づきを得ることになるだろう。

 八甲田山遭難事件が、100年前の軍隊という別世界の話ではなく、私たちの身近に起こり得る話として実感されたとしたら、このケーススタディの目的は達成されたことになる。

 
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2013年05月14日

キンドル版電子ブック第2弾「ケーススタディ『八甲田山死の彷徨』」

 キンドル版電子ブック第2弾。
 「ケーススタディ『八甲田山死の彷徨』〜名著に学ぶリスクマネジメント〜」をリリース。
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 日露戦争前に起きた八甲田山遭難事件は、リーダーシップやリスクマネジメントのあり方について、現代の私たちに多くの教訓を投げかけてくれる。
 このケーススタディは、新田次郎氏の『八甲田山死の彷徨』をベースに、この八甲田山雪中行軍を疑似体験し、当事者の立場に立って、指揮官の意思決定過程を検証していこうとするもの。
 特徴は、「後知恵の講釈」を排除すること、歴史談義を目的としないこと、小説をベースにするということ。
 いままでにも、この遭難事件を社員の研修教材に利用する動きはあったが、それらとはまったく違う内容になったと自負している。

 以前、ウェブ上で「全滅型リーダーは誰だ」として公開していた内容を、電子化に当たり、全面的に加筆修正し、再編集した。
 元は、10年以上前にメルマガとして配信していた内容がベースになっている。
 八甲田山遭難事件については、10年以上の長いつきあいだ。
 深く知れば知るほど、この事件は、現代の私たちにもそのまま当てはまる多くの教訓にあふれていることが分かる。
 その一端を多くの人たちと共有したいという思いから今回の出版となった。

 私のコンテンツは5月9日にリリースとなったが、偶然にも翌10日に、原作の『八甲田山死の彷徨』のキンドル版が販売開始となった。
 まるで、新潮社とタイアップしたかのような出版タイミングだ。
 読者にとっては、原作とケーススタディが同時発売となって、利便性が高まった。
 ケーススタディを読んだ人は、原作を読み直したくなる。
 原作を読んだ人は、ケーススタディも読んでみたくなる。
 相乗効果で、より多くの方々にご利用いただけることを期待したい。


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2012年06月13日

ソニーの電子書籍ビジネスの方向転換:アマゾン参入に対抗

 ソニーの電子書籍販売サイト「リーダーストア」を他社製端末でも利用できるようにするらしい。

 いままで、ソニーが売る電子書籍はソニー製の端末でしか利用できなかった。
 それは、コンテンツを充実させることで、専用端末の販売につなげるという戦略だった。
 これは、アップル社が、iPodを売り出すときに使った手法と同じ。
「そうか! ハードを売るためには、ソフトを売ればいいんだ!」
 iPodを生み出せなかったソニーは、今度は、アップル社の手法を真似て、コンテンツを売ることで電子書籍端末を売ろうとした。
 だが、これも外れだった。

 電子書籍マーケットを始めたのはソニーだけではなかった。
 シャープは、ガラパゴスという端末向けにガラパゴス・ストアを開いた。
 東芝は、ブックプレイス向けにブックプレイスストアを開いた。
 その他、紀伊国屋書店は専用の電子書籍ストアを運営していた。
 あちこちで、さまざまな電子書籍ストアが立ち上がり、かえって使い勝手の悪いものとなっていた。

 どこのストアも圧倒的に出版点数が少ない。
 いずれも一般受けする無難な商品ばかりを並べているので、そのなかで1つぐらいは買いたくなる商品が見つかるかもしれない。
 しかし、同じ客がストアに並んでいる無難な商品ばかり買い続けるか。
 そんなことはあり得ない。
 売れ筋というのは、売る側から見たベストセラーであって、買う側から見たベストチョイスではない。
 売れ筋しか並んでいないストアは、買う側から見ると買いたいものがないストアになってしまう。
 しかも、あるメーカーの端末を買ってしまうと、その特定のストアからしか書籍を買えなくなってしまう。
 このような読書端末など、客にとっては余計な制約を課されるようなもの。
 本来、技術の進歩は、消費者の可能性を広げる方向に働くはずが、電子書籍の場合、逆に消費者の手足を縛る方向に進んでしまっていたのだ。
 日本において、電子書籍は、消費者にとって魅力的なコンテンツではなくなっていた。
 専用端末でしか読めない電子書籍というスタイルは、本来なら客の囲い込みになるはずが、逆に客の排除に働いてしまっていたのだ。
 これでは、電子書籍市場が広がるはずがない。

 アマゾンの日本上陸を前に、ようやく戦略転換をすることとなった。
 今後、ソニーやシャープは、他社製の端末でも利用できるようにしてコンテンツの市場拡大を狙う。
 これは、根本的な戦略転換だ。
 いままでは、ハードを売るのが目的で、ソフト開発は手段に過ぎなかった。
 それが、コンテンツ重視の戦略に舵を切る。
 本当に、ソニーやシャープがコンテンツ販売会社になれるのか。 

 昨年、電子書籍の専門雑誌が発刊されたため、購読を申し込んだ。
 毎号、電子書籍関連の情報記事が満載のはずが、なぜか、非常に狭い世界での話題に終わってしまっている印象があった。
 どの記事を読んでも、広がり感を感じない。
 何か、半径数メートルの身内ネタで盛り上がっている感触がぬぐえなかった。
 いやな予感がしていたところ、雑誌社から廃刊の案内が届いた。
 
 
 

 
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2011年11月14日

電子ブック「BCPって何?」:リリース

 電子ブック「BCPって何?」がようやくリリースとなった。

http://www2u.biglobe.ne.jp/~hiraki/BCP.htm

 電子ブックと言っても、書籍の電子化ではない。
 DVDコンテンツを電子化したものだ。

 DVD版の「BCPって何?」は、3年ほど前に制作した。
 これは、社員教育用の教材で、個人が購入することは想定していない。
 だから、価格もかなり高め。
 最近、個人からの問い合わせが増えてきて、価格の高さがネックになっていたようだ。
 それで、個人学習用のコンテンツとして、電子ブック版をこのたびリリースしたという次第。
 価格は、DVDに比べてなんと40分の1。
 DVDが高めなのは、社内での学習を前提に、コピーや社内イントラネットへのアップ、貸与、回覧などを許容しているからだ。
 電子ブックが安く設定してあるのは、購入したコンテンツは個人の端末でしか閲覧できないからだ。

 「BCPって何?」は、読むコンテンツではなく、観て聴くコンテンツだ。
 なぜ、このような教材を制作するにいたったのか。
 それは、わたしのセミナーの受講者からの要望による。
 ある受講者から次のようなことを言われた。

「今日は、大事な話をたくさん教えていただいた。これを会社に持ち帰って、今度は、わたしがみんなに説明しなければいけないが、とても、その自信がない。なにか、みんなで学べるような分かりやすい教材はないのか」
 
 そこで、気がついた。
 一般社員がBCPについて学ぶ格好の教材が存在しないのだ。
 BCP関連の書籍はたくさん存在する。
 政府やNPOの公開している策定手順書もある。
 しかし、それらは、難しすぎたり、分量が多過ぎたりして、一般社員が読むには、負担が大きすぎる。
 
 専門家向けのコンテンツではなく、一般社員向けの学習教材が必要だということに気付いた。
 それで、負担を少なくするために、読んで学習する教材ではなく、観て聴いて学習する教材をと思い立った。
 動画と音声なら、ちょっとした空き時間に学習できる。
 くつろいだ時間でも、電車の中でも学習できる。
 
 収録時間は約100分。
 「導入編」「準備編」「実施編」「財務編」と4つの章立てにしてある。
 2日間のBCPセミナーのエッセンスを網羅してある。
 これを観れば、BCPとはどんなものかが一通り把握できるようになっている。
 一般のビジネスパーソンがBCPについて理解するには、この程度で十分。
 
 
 電子ブックは、「ビジネス」のカテゴリーに入っている。
 普通は、「ブック」の中に入れるべきところだが、敢えて、ビジネス用途の教材として位置付けた。

 BCPに関しては、今後もさらにコンテンツ開発を続けていく予定だ。




 
 
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2011年11月11日

「BCPって何?」:新アプリようやくリリース

 11年11月11日。1が6個並ぶ珍しい日。
 ようやく準備してきた新しいコンテンツがリリースとなった。

「BCPって何?」
http://www2u.biglobe.ne.jp/~hiraki/BCP.htm

 従来、企業の社員教育用コンテンツとして、DVD販売をしていたもの。
 それを、電子ブックとして、AppStoreからリリースした。
 厳密には、ブックではない。
 動画と音声で学ぶ教材だからだ。
 文字情報は簡単な内容説明があるだけ。
 あとは、ビデオ作品だ。
 こんなコンテンツがアプリとして認められるのか、心配したが、問題なかったようだ。
 むしろ、動画と音声は、電子アプリならではの特性を生かしたコンテンツと言える。
 印刷書籍の誌面を電子化しただけの電子ブックとはわけが違う。

 当初は、7月にもリリースの予定だった。
 それが、遅れに遅れて、11月になってしまった。
 原因は、アップル側のリリース基準の変更による。
 AppStoreには、多種多様のアプリが大量にリリースされるようになり、ストア上が雑然としていた。
 中には「カイジ」など連載コミックがばら売りされていたりして、ストアの画面全部がカイジのアイコンで埋め尽くされるような事態も。
 1つのド派手なコンテンツが占拠してしまって、他のコンテンツが埋もれてしまう事態に。
 それで、同種のコンテンツは1つのグループにまとめてリリースするようにルール変更になったようだ。
 つまり、1アプリごとにバラバラにリリースできなくなったのだ。
 この影響で、「BCPって何?」の申請も却下された。
 何とか対応できる方法を見出だし、このたびようやくリリースとなった次第。

 

<余談>
 このブログ記事を書いていて気付いたこと。
 「みいだす」という言葉をワープロ変換すると、「見い出す」になる。
 これはおかしい。
 「みいだす」は「見出だす」または「見出す」でなければいけない。
 「みる」と「いだす」の複合語。
 「み+いだす」
 でも、ワープロは、「みい+だす」と判断してるらしい。
 「みい」って何?
 「みい」がよく「見い」と変換できたなぁ。
 それとも、「見い出す」が辞書登録されているのか。





 
 
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2011年11月02日

アマゾンの日本市場参入はまだか:電子書籍

 アマゾン・ドット・コムが、いよいよ日本で電子書籍事業に参入する動きを見せ始めた。
 2011年10月20日付朝刊で日本経済新聞が報じている。

日経記事によると、小学館など出版大手と価格設定などで詰めの交渉に入っており、「年内にも日本語の電子書籍購入サイトを開設」する。中堅のPHP研究所(京都市)はすでにアマゾンと合意し、約1000点の書籍を電子化して提供する方針、とも伝えている。

 アマゾンの取り分は売上の55%。
 著作権は出版社が保有せよ。
 価格決定権はアマゾンにあり。

 このような厳しい条件を提示してきているという噂が漏れ出ている。
 実際に契約に至った出版社はまだないようだ。
 この日経記事は、アマゾンが仕掛けた情報戦略の一環ではないかとの憶測も。
 「大手有名出版社は既に交渉の最終段階。まごまごしてると乗り遅れるぞ」
 と、他の出版社を浮足立たせるのが狙い。

 実態は、どこまで進展しているのかよく分からない。
 簡単には日本の出版社側は折れないだろうという見方が強い。
 だが、アメリカの電子書籍市場の6割を押さえてしまったアマゾンが、日本の市場を放っておくはずがない。
 タブレット端末やスマートフォンの普及で、電子書籍の環境は整いつつある。
 ツールを持っている消費者が、コンテンツに飢えているのが現状。
 既に電子書籍が普及する臨界点に達している。
 あとは、消費者に納得できる価格と品ぞろえで、コンテンツを流し込むだけ。

 現在の日本の電子書籍市場は、非常に貧弱。
 さまざまなフォーマットとさまざまなストアが乱立。
 いずれも十分なコンテンツをそろえられず。
 価格もそれほど安くない。
 出版社が、電子書籍を手掛けているというエクスキューズのためにやっているだけ。
 瀬踏みをしながら恐る恐る手を出している印象。
 出版社側の事情が優先し、消費者の利便性が無視されている。
 電子書籍市場が一向に伸びないはずだ。

 外国勢力に日本市場を荒らされるのは面白くない。
 しかし、いまのこの閉塞状況を打開する力があるのは、アマゾンだけなのではないか。

 アマゾンの取り分55%という噂も、アマゾン側がわざと流しているおとり情報かもしれない。
 落としどころは別のところに設定してあるのだろう。
 アメリカ流の交渉術は、初めに、実現不可能な無理難題を提示して、一気に踏み込む。
 相手が押し返してくる力があれば、それに応じて少しずつ譲歩する。
 力がなければ、その時点で妥結。
 こちらは最も有利な条件で落とすことができる。

 このアマゾン55%というのは、無理難題ではないという人もいる。
 というのは、出版社側に45%も渡るということで、これは、印刷書籍の場合と比べても悪い数字ではない。
 著者に10%の印税を払ったとしても、十分な利益を上げられる。
 印刷製本などのコストがかからないのだから、むしろ歓迎すべきところ。
 何よりも、売れ残り在庫の心配がないのがうれしい。
 アマゾンを通じて、販路が拡大するのなら、中小出版社にとっては、十分メリットがある。
 
 困るのが印刷業者と取次業者と書店。
 出版社はここを敵に回すと、今の印刷書籍のビジネスがやりにくくなる。
 それでなかなか踏み込めない。
 新聞社がなかなか電子化に踏み込めないのが、販売店による宅配制度を維持しなければならないのと同じ。

 となると、今の印刷書籍市場で冷遇されている弱小出版社や著作者にとっては、アマゾンの参入は、チャンス到来となるのかもしれない。
 アマゾンも、大手出版社さえ落とせれば、後は自然についてくるとみているようだ。
 大手出版社を落とせなかった場合、大手抜きで見切り発車をするか。
 その時は、印刷書籍市場では見られないような、コンテンツが並ぶことになりそう。
 大手出版社の手堅い本は書店で、個性的でこだわりの本は電子書籍で、という住み分けができるかもしれない。

 いずれにしても、進展が遅すぎる。
 電子書籍元年と言われてから既に1年以上が経過。
 市場の活性化を望む。






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2011年08月22日

電子ブックスパムの登場:アメリカキンドルの動向

 アメリカアマゾン、キンドル向け電子ブックにスパムが蔓延しているらしい。
 ついに電子ブックは、印刷書籍を超えたということが話題になったが、光があれば、かならず影もある。
 これは、電子ブック隆盛がもたらした新たな問題だ。

 キンドルストアに電子ブックをアップするのにコストはかからない。
 個人でも法人でも、ルールに従えば、誰でもアップできる。
 このことは、従来の出版流通に縛られない自由な出版文化の誕生と思われた。
 個人が出版するには非常にハードルが低くなった。
 これは、素晴らしいこと。
 まさに、出版業界の革命と言ってもいい。

 だが、ずるがしこい連中の中には、この変化をビジネスチャンスとして悪用するものが出てくる。

 電子ブックのアップにコストがかからない、内容の審査もない。
 売れれば、売り上げの70%が手に入る。
 だったら、手当たり次第にいろんなコンテンツをアップしてしまえば、儲かるではないか。
 でも、そんなに次々に出せるほどのコンテンツネタがあるの?
 そんなものはいらない。
 他人のコンテンツをパクればいい。
 売れそうなブックをコピーして、タイトルと表紙を変えて新たなコンテンツとしてアップする。
 それに騙されて思わず買ってくれる人がいくらかでもいれば、いくらかは収入になる。
 コンテンツ制作にはほとんどコストがかかっていないので、収入はまるまる儲けとなる。

 しかし、他人のコンテンツをパクった電子ブックが少しばかり売れただけでは、大した儲けにはならない。
 それで、このようなパクリコンテンツを大量に制作してアップしてしまう。
 そのような怪しげなコンテンツでも、引っかかる間抜けは必ずいる。
 1つ1つの売り上げは微々たるものでも、総体としてまとまった収入になるというわけ。

 中には、このようなスパムビジネスを支援する業者もある。
 PLRコンテンツを提供している業者だ。
 PLRとは Private Label Rights のことで、初めからコピーして売ることを想定して販売されているコンテンツだ。
 このコンテンツなら、いくらコピーしてもOK.
 勝手に改変して自分の著作として売ってもOK.
 そのように利用することを目的に作られたコンテンツだ。

 このコンテンツを利用したスパムビジネスノウハウを解説するDVD商材も売られている。
 一言も書かなくても1日に10〜20冊の電子ブックが作れる、というのが売り文句になっている。

 このように、電子ブックスパムが蔓延するとどうなるか。
 キンドルストアには、怪しげなコンテンツが山ほど並んでいるということになる。
 本物と偽物の区別をするだけでも大変。
 自分が必要とするコンテンツを探し出すのに一苦労だ。
 一般読者にとって、大きな負担だ。
 このことは、読者のキンドル離れを引き起こしかねない。

 個人出版を目指している人にも迷惑な話だ。
 満を持してキンドルストアにアップしても、大量のスパムの中に埋もれてしまう。
 たいていはスパムの方が派手なデザインや大げさなキャッチコピーで人目を引くようにできあがっているので、まじめに作ったコンテンツは簡単に埋没してしまう。
 運よく、その個性が人目に止まり、人気が出たとしても安心できない。
 人目に止まるということは、スパム業者の目にも止まるということ。
 そのコンテンツは、コピーされ、別のド派手な表紙とキャッチコピーで別人の著作として再デビューすることになる。
 まったく別の装いで並んでいるので、まさか自分のコンテンツがパクられているなんてことはなかなか分からない。
 読者の中に気付いた人がいて教えてくれると、そこで初めて分かる。
 もちろん、そんなことをする業者には強力に抗議するが、もともと社会規範を守ろうとする気のない連中だ。
 当たり前の抗議に、素直に従うわけがない。
 正体を掴むこともできない。
 
 後は、キンドルストアに事情を説明して、スパムを削除してもらうしかない。
 そのキンドル側も、内容の真贋を判断する目を持っていればいいが、それも怪しい。
 スパム業者が、「オリジナルはこっちだ」と言い出したら、ことはとたんにややこしくなる。

 こうなると、出版を目指す人も、キンドルは避けたくなるだろう。

 電子ブックスパムの氾濫は、読者にとっても著者にとっても大きな障害である。
 キンドルが本腰を入れてスパムの排除に乗り出さないと、市場そのものを破壊してしまいそうだ。

 キンドル側に、コンテンツの内容にまで踏み込んだ審査は負担が大きい。
 ならば、どうするか。
 出版社経由のコンテンツしか認めないという方法がある。
 出版社のスクリーニングをかけることで、コンテンツの質を保つことができる。
 だが、これは、キンドルはやりたくない。
 出版社の立場を強くしてしまうだけだからだ。
 ダイナミックな変革を進めながら、スパムを排除するという難しいかじ取りが求められる。




 




 

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2011年07月24日

「少女のマッチはなぜ売れないのか」のプロット案:ビジネスコンテンツ企画

「マッチ売りの少女」とマーケティングをドッキングさせるビジネスコンテンツ企画。
 どのような見せ方をするのがいいのか。
 いろんなプロット案が考えられる。

<プロット案1>
 少女が自力で復活するパターン。
 このままではマッチは1本も売れないと悟った少女は、いろいろと売れる工夫をし始め、
試行錯誤を繰り返しながら、売れる仕組みをどんどん見つけていく。

 一番オーソドックスなストーリー。
 先が読めるストーリーなので、単調でご都合主義的な展開になりそう。
 少女の成功を阻む敵役が登場したりすると、緊迫感のあるストーリーに。
 読者をひきつけるストーリーテラーとしての力量が求められる。
 面白さを追い求めると、却ってマーケティング要素が邪魔になりそう。
 つまらないストーリーで、中途半端なマーケティングを解説することになる恐れがある。


<プロット案2>
 他人の助力を得るパターン:コンサルタントの場合。
 マッチが売れなくて困っている少女の目の前に、セールスコンサルタントなる人物が登場。
 マッチが売れるようになる手ほどきを受け、売れないマッチ売りから、売上ナンバーワンの
スーパーセールスレディに変貌するまでを描く。

 当たり前すぎて、面白みに欠ける。
 すべてを知っているコンサルタントが、何も知らない少女に一方的に教えるだけの展開になる。
 読者も、少女と一緒にマーケティングについて学ぶというスタンス。
 学習漫画のような説教臭いコンテンツになりがち。

 多くのストーリー仕立てのビジネス書は、このパターンになっているのが不思議。
 先生役の登場人物が著者の代弁者で、生徒役の主人公が読者で聞き役。
 先生役は、すべてのことを見通しすべてのことを知っている神様のよう。
 一方、生徒役は、教えてもらわなくては何も分からない程の間抜けだが、教えてもらえばたちまちその意味を理解し実行できるほどの能力がある、という設定。
 これは、都合がよすぎる。
 


<プロット案3>
 他人の助力を得るパターン:アンデルセンの場合。
 マッチが売れなくて困っている少女の目の前に、童話作家アンデルセンが登場。
 アンデルセンと一緒に試行錯誤を繰り返すうちに、マッチが売れる仕組みを見つけていく。

 アンデルセンが登場する面白さはある。
 万能のコンサルタントではなく、パートナーとしてアンデルセンを登場させる。
 少女と一緒に悩み、考えながら、マーケティングの答えを見つけていく。
 プロット案1が2人タイプになった感じ。
 2人のやりとりを中心に展開することになる。
 プロット1案より、読みやすくなりそう。
 ストーリーの面白さを追求すると、マーケティング要素のウェイトが低くなる。
 物語としても、マーケティング教材としても中途半端なものになる恐れ。
 


<プロット案4>
 他人の助力を得る:聖ペテロの場合。
 天に昇って行った少女は、そこで聖ペテロに会う。
 なぜか、天国には入れず、地上に戻るしかない。
 聖ペテロと会話するうちに、マッチ売りの使命とマッチの本当の売り方を見つけていく。
 少女は自信を持って地上に戻っていく。

 童話の最後、少女が天に昇って行ったところから話が再開する面白さ。
 聖ペテロは、コンサルタントのように一方的に答えを押しつけない。
 コーチングのように、会話を通して少女から答えを引きだす。
 押しつけがましさ、説教臭さを排除。
 聖ペテロの問いかけに少女が考えて答えにたどり着く。
 少女と一緒に考えながらマーケティング的発想を身につけるところがポイント。
 2人の会話だけで展開するので、ストーリーが平面的で、起伏に欠ける恐れ。
 2人の対談集のような形式になりそう。
 ストーリーよりも、マーケティング要素をクローズアップできる。
 会話のやり取りにどこまで読ませる工夫を盛り込めるかが鍵。



<プロット案5>
 ストーリー性を排除した解説のみ。
 少女のマッチが売れなかったのはなぜなのか。
 売れるようにするにはどうしたらよかったのか。
 これをマーケティングの視点から解説する。

 プロット案2のコンサルタントの言葉だけを抜き出したような内容になる。
 簡潔で分かりやすいがエンターテイメント性ゼロ。
 これでは、わざわざ架空の「マッチ売りの少女」を題材に取り上げる意味がない。
 もっと、現実のマーケティング事例を持ち出した方がまし。
 へたくそなストーリーを読まされるようだったら、簡潔に結論だけを教えてもらう方が喜ばれるかも。




 ドラマの原案だったら、プロット案3だろう。
 ビジネスの素人2人が試行錯誤しながら、成功を勝ち取っていくストーリーは、分かりやすい。
 これだと、ストーリーテラーとしての力量が要求される。
 私の守備範囲を超える。

 で、結論は、
 ビジネスコンテンツとして、プロット案4で行くことにした。

 ストーリー性は控えめになるが、本筋であるマーケティング要素がクローズアップできる。
 しかも、プロット案2のような、万能コンサルタントに一方的に教え込まれるような、押しつけがましさがない。
 答えを押し付けるのではなく答えを引き出す、というのは、私のコンサル姿勢とも一致する。
 ただ、「聖ペテロ」の登場が、キリスト教になじみのない日本人には違和感がありそうなのが心配。

 聖ペテロを登場させる理由は、少女が天に昇って行ったところからストーリーを再開するためだ。
 天上で出会う人物を誰にするか。
 コンサルタント? アンデルセン? おばあちゃん?
 いずれも、天上である必然性が弱くなる。
 天上のことを知りつくし、彼女の人生を左右する重要な役は、聖ペテロしかない。
 そして、聖ペテロが登場するもう1つの理由。
 このコンテンツは、電子ブックとしてのリリースを考えているが、その先は、英語に翻訳して、世界発信することも視野に入れているためだ。




<キャラクター設定>
少女
名前:アン・ブラウニー
年齢:10歳
性格:陽気でポジティブ
特性:学校が嫌い、好奇心は旺盛

聖ペテロ
風貌:白髪、白ひげ、白い法衣
年齢:60歳ぐらいか
性格:優しく面倒見がいい
特性:ビジネスのことは何も知らない
   人を真理に導く能力は抜群







posted by 平野喜久 at 10:35| 愛知 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 電子書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする